またまた続きになってしまっていたので「今塾業界を志望するならどんなことを言うのか」の続きを書いてみました。
21世紀に入り、ものすごい勢いでテクノロジーが発達してきました。
特に教育業界に関しては、ITの技術と人工知能が大きな影響を及ぼすだろうと考えています。
現在、成績管理に補助教材、映像授業や苦手単元を集めたプリントをピンポイントでつくることができるシステムなど、教育のさまざまな場面にIT技術が組み込まれるようになってきました。
これらにより、各生徒に最適化した学びを提供することが可能になり、かつてとは比較にならないほどに効率的な勉強をする事が可能になりつつあります。
また、昨今は人口知能の話題も頻繁に耳にします。
機械が自動的に学習し、最適解を出せるようになれば、現在当たり前のように行われている授業の内容それ自体がいらなくなるのではないかという意見も耳にするほどです。
確かにこのままの速度で技術レベルが進化していけば、まる暗記や反復演習といった、それまでの塾が得意分野としていた「詰め込み型」の学習はいらなくなるかもしれません。
しかし僕は、こうした流れの一方で新たなニーズが生まれてくるのではないかと考えています。
IT技術や人工知能が今後広がっていく社会において、最も必要なものはモチベーションであると考えます。
行いたい事がテクノロジーによって何でも実現できる社会において重要な力は、新しいことをしてみたいと思うことができるモチベーションです。
このモチベーションの有無が、今後の社会で必要とされる人材の判断材料になると思うのです。
筑波大の助教授で、現代の魔術師の異名をもつ落合陽一先生は、このことを「モチベーション格差」と呼んでいます。
計算や語学など、あらゆる事が技術で即時に代替されるとしたら、それらのスキルを習得するための努力は価値を持たなくなります。
そうした社会で重要なのは、新たなことに手を出したいと考える姿勢です。
僕は、教育は今後この新たなことに挑戦するモチベーションをいかに身につけるかという方向にシフトしていくと考えています。
自身の経験を通して、モチベーションの必要性を非常に強く感じでいます。
7年近く教育に携わってきた僕のモチベーションに対する見解は、「モチベーションの多くが環境に由来する」というものです。
勉強に関わらず、何かに対してモチベーションを持って取り組める子は、どこかのタイミングで、必ず周囲の大人や友人から「努力を褒められた経験」や「何かを認められた経験」をしています。
一方で、モチベーションが低い子の話を聞いていると、そうした経験を殆どしてこなかったという声が返ってくることも少なくありません。
モチベーションを高めてあげるような環境を整えてあげることが、教育にとって最も重要なことであるように思います。
IT技術や人口知能では、動き出した人間の作業を効率化することはできても、最初の背中を押す役割は担えません。
その点は、昔も今もこれからも、周囲の大人の役割であると思うのです。
僕はそうした役割を担う大人として、子どもたちと教育の場で関わっていきたいと考えています。
子どもたちにさまざまな物事に興味を持ってもらうためには、自分自身が多くの経験をしていることが不可欠です。
そのため、僕は塾の他に、NPOで広報を担当したり、フリーランスとしてライターの仕事を受注したり、さまざまな働き方を実践しています。
仕事以外にさまざまな「遊び」をしているのも、突き詰めればここに集約されます。
僕の中で、社会の抱える教育の問題の解消を担いつつ、かつ子どもたちにこれから最も必要となるであろう能力を提示できる存在は何かとかんがえたとき、僕にとってはそれが塾講師なのです。
っと長々と書いて見ましたが、僕が新卒として今、塾業界を受けるのであれば、ここに書いたような内容を土台にして、800文字程度の自己PRに整えると思います。
後半の自分のことを書くのは飽きてきたので尻切れトンボになってしまいましたが、だいたいこんなことを言うような気がします。
マンガ家の山田玲司先生いうところの「マンガ家は世界の面白さを教えてくれるシンドバット」、中学国語の教科書に出てくる「ぐうちゃん」のように、子どもたちにとって価値観を広げてくれる一番身近で一番面白い兄ちゃんでいようというのは、漠然と僕が大学時代から意識していることです。
たぶん僕が今就職活動をするのなら、この辺の内容を持って、京都の個人塾でトップ校受験をウリにしていないところを受けに行くように思います。
殆ど業種的に役に立たない内容かもしれませんが、誰かの参考になれば幸いです。
アイキャッチは今回も藤原和博さん。今日はちょっと扇情的なタイトルのこの本