4-2 不定詞の整理①
準動詞に関して、殆どのテキストが不定詞→動名詞→分詞の順番で掲載されています。
これは用法別で考えたとき、不定詞は名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法と3種類の使い方があるため、だと思います。
不定詞を覚えるのが大変と感じる人が多いと思いますが、その原因のひとつは、この用法の多さにあります。
この単元は、さまざまな内容が登場しますが、全てを丸暗記しようとすると大変です。
それぞれの知識が一体どの用法のものであるのか、常に足元を確認しながら勉強していくことが、不定詞を攻略するコツなのです。
ということで、今回は不定詞を大まかに分類していこうと思います。
そもそも「不定詞ってなに?」と聞くと、多くの人が「to+動詞の原形」と答えます。
これは、中学校の文法で不定詞として最初に出会うのがこの形だからです。
確かに不定詞には「to+動詞の原形」で表されるものもありますが、この形だけではありません。
不定詞にはもう一つ、「何も変化させない」という変化をさせる、原形不定詞というものがあるのです。
例えばMy mother makes me clean my room.(私の母は私に部屋を掃除させる)という文を見てみましょう。
この文はSVOCという形で構成されており、C(補語)の位置で使われているcleanが原型
不定詞です。
まずは、不定詞には「to不定詞」と「原形不定詞」の2種類があるということを押さえてください。
上で不定詞にはto不定詞と原形不定詞の2種類があると述べましたが、実際のところ、この単元で文法事項として登場する殆どはto不定詞です。
従って、次にto不定詞について見て行きます。
まず、それぞれの用法をまとめていく前に、to不定詞の基本的な表現の付加方法を確認しておきます。
中学英語までならば、to+動詞の原形という形だけを覚えておけば(概ね)事足りましたが、高校英語からは、少し表現を拡張しなければなりません。
具体的には①意味上の主語を加える、②to不定詞の否定表現、③to不定詞の受身、④to不定詞の進行形表現、⑤to不定詞内容の時制のズレです。
まず、意味上の主語ですが、これは「to+動詞の原形」の前に「for+人(前に人の性質がある場合はof+人)」をつけることで表します。
例えば、「to study English」(英語を勉強すること)という文に「彼が英語を勉強すること」というように主語を加えたいときは、「for him to study English」という形になります。
このfor(of)+人で表すことができるのが、to不定詞の意味上の主語です。
次にto不定詞の否定について。
To不定詞以下の内容を否定したい場合は、to不定詞の直前にnotをつけます。
例えば、「I told him to run in the park」(彼に公園を走るように言った)という文のto不定詞以下の内容を否定して「彼に公園を走らないように言った」としたい場合、to不定詞の直前にnotを加えて「I told him not to run in the park」とします。
このように、to不定詞の直前にnotを加えることで、不定詞以下の内容を否定することができます。
残りの③~⑤はtoの後ろを変形させることで表すことができます。
まず③のto不定詞以下の内容を受動態に書き換える場合について。
to不定詞以下の内容を受身にしたい場合、to+be+過去分詞形という形にします。
これはto不定詞がto+動詞の原形、受動態がbe動詞+過去分詞であるため、二つを筆算の要領で足したと考えると理解しやすいかと思います。
to不定詞) to +V原形
受 動 態) be動詞+過去分詞
→ to + be +過去分詞
みたいな感じです。
これと同じ要領で、不定詞と進行形を同時に表したい④のパターンはto不定詞+be動詞+現在分詞という形で表します。
また、時制がズレを表す場合は基本的にhave +過去分詞を用いればいいため、to不定詞内の内容と文全体の内容の時制がズレている場合は、to have 過去分詞という形になります。
例えば、「彼が昨日ケーキを作ったらしい(と言われている)」という文であれば、「~らしい」と噂されているのは現在で、「ケーキを作ったらしい」という噂の内容は過去の話なので、ここに時制のズレが生じています。
したがって、これを英語に直す場合、to have 過去分詞を用いて「He is said to have made a cake yesterday」となるのです。
というわけで、今回は不定詞には2種類ある事と、不定詞の意味の拡張の仕方をまとめました。
次のエントリでは、具体的に3用法を整理していきたいと思います。
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