新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



テクノロジーに最適化する

僕はテクノロジーを人間に最適化するという考え方に懐疑的で、むしろ歴史上の流れを振り返れば、大きな革命が起こったとき、人間がテクノロジーに最適化してきたという事実があると考えています。

これまでの大きな革命といえば農業革命と産業革命がありますが、僕たちの祖先は農業革命を通して、移住から定住に、その日暮らしから収穫時期に合わせた暮らしに、そして、小規模のまとまりから集団生活へとその生活のしかたを変化させてきました。

これは、農業という大きな「発明」によって、完全に生活スタイルが変化した例といえます。

農業において最も重要なことは、収穫時期に次の収穫時期まで生き延びることのできる食料を確保すること。

そのため、人々の生活は日の出入りや四季に合わせたものになりました。

また、個人で行う狩猟とは違い、農業は集団で行うことでより効率的になります。

したがって集団で過ごすようになり、かつ優秀な指導者が一定規模の人たちを束ねるようになります。

 

同様に産業革命を経て、僕たちは自分たちの生活をテクノロジーに最適化してきました。

産業革命の最大の発明は「蒸気機関」、人間以外の動力の発見です。

1人の人間が担っている全工程を蒸気機関が一度に担うことはできませんが、行程を細分化し、それぞれにあった単一の動きをし続ける機械を生み出せば、結果として1人の人間が生み出していた製品を機械によって生み出すことが可能になります。

僕はこれが産業革命の重要なポイントで、これを実現するために産業革命以降あらゆる分野で行われてきたことは「行程の細分化」であると思っています。

あらゆる行程を細分化することで、技術を代替可能なものにしてきました。

たとえば、ある機械のパーツが壊れても、すぐに同様のパーツと取り替えれば、全体としてすぐに復帰するという具合です。

これは機会だけでなく、人間にも当てはまります。

様々な仕事を部署で分けることで、「その人がいなければ成り立たない」ものから、「どんな『労働力』でも代替可能」なものにしてきました。

色のついていない「素材」を大量に採用し、様々な部署に配置する新卒一括採用は、まさにそうした思想の基づいている制度だと思うのです。

 

農業革命、産業革命を通して僕たちは生活のスタイルをテクノロジーに最適化してきたということを考えると、今日のIT革命の中でも、恐らく僕たちは生活をテクノロジーに合わせて最適化していくことになるはずです。

実際に、パソコンやスマホなしに今の生活は考えられないことからも分かるように、既にミクロな部分では、最適化をしつつあります。

ただ、僕が興味のあるのは、もっと大きな枠組みの部分。

農業革命でいうところの「時間概念」、産業革命でいうところの「細分化」のように、IT革命によって生まれるコンセプトのようなものがあるように思うのです。

それをいち早く見定めて、そこに向かって自らを「最適化」することができれば、今後、面白い立ち位置がとれるように思うのです。

そのコンセプトの可能性として「多動力」や「評価」、「好奇心」みたいなものが上げられますが、僕はどこかしっくりこない気がしています。

もっと、端的で(そしてそれは恐らく期待するポジティブなものではないもの)があるのではないかと思うのです。