10年前と比べて、女の子の見た目とラーメンの味って格段に進化していると思う
日本の最大の強みは、外からパクってきたものを芸術の域まで押し上げること。
昔何かの番組でコメンテーターが言ったこの言葉に、思わず膝を打った記憶があります。
確かに、天ぷらにせよすき焼きにせよ、元は海外から入ってきたものなんですよね。
それが日本という風土の中で独自の進化を遂げる。
その変化が非常に面白い気がします。
先日、某大手会社のマーケティング部で働く先輩とご飯を食べた時、「ラーメンってこの10年で進化したよな」という話になりました。
彼曰く、俺らの子供の頃と比べて、明らかにラーメンのクオリティが上がっているとのこと。
これを聞いて、先ほどの「日本の最大の強みは外からパクってきたものを芸術の域まで押し上げる」という言葉を思い出しました。
天ぷらもすき焼きもすでにある程度進化をした後の物なのに対し、ラーメンは現在進行形で芸術の域まで押し上げられようとしている料理。
そういう意味で、非常に面白い料理であるように思うのです。
僕らが小さい頃(10年くらい前)のラーメンといったら、醤油ベース(あってもせいぜい味噌か塩)のスープに卵とメンマと薄切りチャーシュー、それにナルトが乗っているというのが一般的なイメージです。
(浜松市 「楊子菜館」さん)
(京都市 「ラーメン壱番館」さん)
どちらも僕が好きなラーメン屋さんの写真ですが、見た目はとても普通です。
10年くらい前までのラーメンといえば、これが当たり前だったように思います。
ゼロ年代半ばになってくると、鶏ガラや豚骨、そしてこってり系ラーメンやつけ麺、魚介系ラーメンといったものが流行り出します。
(大阪市 「博多ラーメンげんこつ」さん)
(京都市紫野 「楽楽楽」さん)
(鹿児島 「鹿児島ラーメン豚とろ」さん)
あくまで僕の肌感覚ですが、この辺りから途端に味のバリエーションが広がったように思います。
ITが普及して食べログのようなサービスができたことで、珍しい(もちろん美味しい)お店があると、瞬く間に噂が拡散するようになったことが、ラーメン店のバリエーションが増えたことの一因ではないかと思っています。
ラーメンのバリエーションが多様化するという流れは、SNSが広がった辺りからより顕著になります。
SNSの普及により、より口コミの力が強化されることで、様々なお店が発見されやすくなります。
僕が富山の「富山ブラック」や青森の「味噌カレー牛乳ラーメン」を始めとした、地方のラーメンを知ったのは完全にSNSがきっかけ。
(味噌カレー牛乳ラーメン 青森市「味の札幌」さん)
(岡山市 「ぼっけゑラーメン」さん)
尖ったラーメンや、インパクトのあるラーメンは口コミで拡散されやすくなります。
90年代半ばにできてゼロ年代に広がり始めたとされる家系ラーメンですが、本格的に広がり出したのは、実はこの辺りで、きっかけはSNSによる学生界隈での口コミの拡散にあるのではないかと思っています。
(一乗寺 「夢を語れ」さん)
(草津市 「風花」さん)
(草津市 「にぼ次郎」さん)
そして、スマホの写真機能が発達し、インスタを始めとした写真を投稿するサービスが広がった現在は、さらにラーメンのバリエーションが多様化してきました。
味や独自性に加えて、その「見た目」も重要になってきました。
(牛骨ラーメン 京都市「長しま」さん)
(ハマグリラーメン 十三「クソおやじ最後の一振り」さん)
もちろんデバイスがでてきたから、それにあったラーメンが作られるようになっただなんて思っていません。
あくまで今回はすでにあるラーメンを時系列に並べただけ。
ただ、こうしてみて見ると、間違えなくこの10年で新しいラーメンが開発されているように思います。
学生時代に中国へ留学したとき、本場のラーメンを楽しもうと思いお店に入ったら、あまりの違いに驚いたことがありました。
(中国大連 「?????」さん)
これはかなり日本の味に近いものですが、実際はもっとシンプルで、僕たちの知っている「ラーメン」とはかけ離れたものでした(それはそれで美味しかったですが 笑)
外からパクってきたものを芸術の域まで押し上げる。
それが現在進行形で行われている(しかも様々な外部環境を踏まえて進化している)ラーメンというジャンルは、観察対象として非常に面白いように思います。