新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



2012年関西大学センター利用中期試験2月7日「平中物語」現代語訳

古文の現代語訳です。

赤本に載っていないので訳してみました。
急いで訳しているので細かな違い(時に大きな読み間違えがあるかもしれません..)はご了承下さい。
また、あくまで話の筋を追うことを第一に訳しています。
そのため、文法事項や敬語はあえて無視しているところがあります。
随時アップしていく予定ですので、よかったらご参照下さい。

 

またこの男は、決して駿馬のようにすばらしい女性ではないとはいえ、一途に思っている女性のもとに通っていた。この男が女のもとに通っているとき、女にこの男とはくらべようもないほどの身分の男と連絡を取り合っているような気配がした。女が連絡を取り合っているらしい男は、(主人公の)男も出入りしている宮の方であったので、その男の気配を疑いつつ、密かに別の男と連絡を交わしていた女のことを恨んでいた。しかしながら、今女の下に密かに通っている男は身分に関係なく心に任せて女のもとを遊び歩くような性格であったため、女をこの男の手から守ることもできないまま、悔しく思い女のもとに会いに行っていた。男は何も知らない振りをして女と語り合っていた。男は女が高貴な男と連絡を交わしているのではないかということを言えるわけもなく、密かに女のやっていることを酷いと思っていた。
さて、女が密かにやり取りをしている男は、口癖のように「逢坂」と言っていたので、男は女が密かにやり取りをするその男に「逢坂」というあだ名をつけた。そして男は「逢坂の男」を暗に示すようにして、こう詠んで女のもとに歌を送った。
大好きなあなたに逢うために、まるで逢坂の関へ向かうような気持ちで私はあなたのもとを訪れていたのに、あなたはそれを別の「誰か」を守るための関にしてしまおうというのですか。
女は
  「逢坂の関」は非常に「高く」て大変なものなのだから、あなたが「守り人」として(あの)人を諫めればいいでしょう。
といって、強く返してきたので、男はもう一度
  偽りを正すと、ただすの森の木綿をかけて神にちかってくれ。もし私のことをまだ本当に思ってくれているのなら。
と言ったのだけれど、女は「里へ帰る」といって返事もしなかったので、男はつらく思い、また何も言わないままに、時間が経過してしまった。
 さて、この男にはときどき通うことのある別の女ができ、その日も朝日が出始めた自分に帰宅していた。男は当時の女の家の近くを通りかかったときに、「あの女が『里へ帰る』と言ったのは本当かと思って、まだ完全には思いを捨て切れていなかった様子で女の家を見た。すると、門の内に車を停めて、あの身分の高い男のお供の男たちが多く立っていた。それを見て男は物も言わずに女の屋敷の奥に入って、隠れて様子を見ていたところ、女が蔀を上げて、例の男を送り出しているところであった。女が別の男と連絡を取っていたとは思っていたが、現実にそれを見た男はつらく思って、「今までにないほどに悲しく、つらい気持ちなのだが、せめて一言だけは女に伝えよう。私が一部始終を見ていたということだけは本人に知らせてやりたい。」と思って、板敷き端に立って声高に「まあ、きれいな花だなあ」と叫ぶと、まだ奥へと入っていなかった女が気付いて「どうしてこんなところにいるのです。」と驚いた。男は女に対し「この庭の植え込みの花が目に見えて色あせていく様を最後にひと目見ようと立ち寄ったのです。」と返した。家の前には素晴らしい桜が咲いていて、ちょうど春の終わりだったこともあり、散りかけていた。男はそれを見て、
  明らかになったことに対してこれ以上何も言わないで下さい。春の終わりと共に散ってしまう桜の花を見るように、私たちの関係もはっきりしたようです。
と言って、ふと女の家を出て行った。女は「少し待ってください」と言ったが、「つらすぎてそんなことできない」と思って男は止まらなかった。女はなんとか
  目に見えてはかなくなっていった桜の花だけれど、風が吹かなければ散らないと思います。(あの人に言い寄られなければ私だってあなた以外の人に気をおこそうなどとは思っていなかったのです)
と言ったが、男は「用事で帰る」と言って、返事もしなかった。
 さて、女と密かに通じていたあの身分の高い男も、もとの男が女の家に入って行くのを見たという者にそのことを聞いて、「いまも通っていたのか」と思い、女のもとへは通わなくなってしまったそうだ。

 

アイキャッチ関西大学の赤本

関西大学(全学部日程・センター利用入試〈中期〉) (2014年版 大学入試シリーズ)

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