新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



2017年関西外国語大学外国語学部スペイン語一般前期「一休ばなし」現代語訳

古文の現代語訳です。

赤本に載っていないので訳してみました。
急いで訳しているので細かな違い(時に大きな読み間違えがあるかもしれません..)はご了承下さい。
また、あくまで話の筋を追うことを第一に訳しています。
そのため、文法事項や敬語はあえて無視しているところがあります。
随時アップしていく予定ですので、よかったらご参照下さい。

一休和尚は、奈良のたき木というところに時々いらっしゃった。
周囲の村は近衛殿のご領土であったのだが、そこにいた左近尉という家老がいて、百姓から年貢をやたらと責め立てて無理やり取るため、百姓たちはこれを嘆き、どうしたらよいだろうと集まって悩んでいた。
1人の老人が「いかに百姓に対してのあたりが強いと言ったって、武士とはかなり違うはずだろう。彼らは公家なのだから、訴えを申してみよう」と言って、訴状を書こうとしているところに、ふと一休が鉢を手にお布施を貰いにやってきた。

百姓たちが一休に「訴状を一筆お書き下さい。」と頼んだところ、一休は「簡単なことです。それでどのような内容を書いたら良いのでしょう。」と言った。
百姓が「こうこうの事がありまして..」と一休に事情を話すと、「そのようなことでしたら長い文は不要でしょう。これを持って近衛殿へ渡してみなさい。」と言って、歌を詠んで渡した。

世の中は 月にむらくも はなに風 近衛どのには 左近なりけり
(月にかかる群雲に花を散らす風というように、世の中にはそれぞれのものに都合の悪いものがついて回るものですが、近衛殿にとってはそれが左近尉であるように思うのだなあ)
読んだ歌を渡された百姓たちは、「このような内容で厳しい年貢の取立てを免除してもらえるとはとうてい思えない。」と一休に申し上げると、「ただただこの歌だけを近衛殿に奉げてみなさい」と言われて帰ってしまった。
百姓たちは各々でどうするべきかと考えたけれど、本より農業をしているような人たちで、一筆書き上げるようなこともできなかったので、しかたなくこの歌を持っていくことにした。
百姓たちがこの歌を近衛殿に渡すと、近衛殿は御覧になって「これは誰が書いたものだ」と聞いてきた。
百姓が「たき木の一休でございます。」というと、「あのおどけたことばかりをする者でなければ、こんな事を言うひとを私は知らない。」と面白がって、百姓たちは年貢の多くを免除してもらえることとなった。

 

関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部 (2018年版大学入試シリーズ)

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