新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



「やりたいことがない」を科学する~「欲求」「欲情」「欲動」「欲望」というやりたいことの4分類~

進路の話や将来の目標など、教育業界にいると「やりたいこと」という言葉に頻繁に出会います。
と同時によく聞くのが「やりたいことなんてあらへん!」という言葉。
僕自身どちらかといえばやりたいことがいろいろあるタイプの人間なので、「やりたいことがない」はいまいちピンと来ないのですが、だからといって「やりたいことがないなんてあるハズない!」とばっさり切り捨てるのは、少し乱暴なように思います。
全体体に「やりたい事がない」という人に対して理解しようとする姿勢が、「やりたいことに溢れている側」には少ないように思うのです。
ということで「やりたいことがない」問題について、いろいろ分解してみました。

そもそもやりたいことがないという状態がどうして生まれるかという原因を考えると、一番は「やりたいこと」という言葉の曖昧さにあるように思います。
やりたいことをすればいいと言っている人の使う「やりたいこと」の定義と、やりたいことなんてないという人の「やりたいこと」の定義とで、認識のズレが生じているように思うのです。
僕は「やりたいこと」という言葉の使われ方に関して、縦軸に他者の承認の有無、横軸に努力や時間の必要性を置いた、次のマトリクスで表すことができると思っています。

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そして第1象限にある他者の承認が必要で且つ達成までに努力や時間が必要なやりたいことを「欲望」、第2象限にあたる努力や時間は必要ないけれど他者の承認が必要なやりたいことを「欲求」、他者の承認も努力や時間も必要でない第3象限のやりたいことを「欲動」、そして自分だけで完結するけれど努力や時間が必要な第4象限に該当するやりたいことを「欲情」と呼ぶことにします。
(「欲動」は僕の造語、「欲情」「欲望」「欲求」は本来の意味と異なる使い方をしていますが、その点はご了承下さい。)
この中で一番簡単に実現できる「やりたいこと」は欲動です。
時間や努力も他者の承認も不要であるため、すぐに行動に移すことができる。
反対に一番難しいのが第1象限の欲望です。
今すぐ「やりたい」と思っても努力も時間も必要なうえに、他者の承認も必要であるため、考えた直後に叶うというものではありません。

やりたいことを聞くとき、聞く側がどの象限までを要求しているかと聞かれた側がどの象限を想定しているかのズレがあると、「やりたいことがない」という現象が生まれます。
例えば、堀江貴文さんはよく講演会や番組で「やりたいことがない人なんていない」といっていますが、内容を聞いていると「欲動」を聞いているというのが分かります。
反対に堀江さんに「やりたいことがない」という人は大体第1か第4象限を考えている。
このギャップによってやりたいことがある人とない人の認識のズレが生まれると思うのです。

やりたいことがないという人は、自分の「やりたいこと」を「欲望」「欲情」「欲求」「欲動」のそれぞれのベースで考えるのが有効です。
たとえば、音楽が好きな人で「自分が書いた曲がみんなに知られたい」は欲望で、そんな夢だと壮大すぎて「やりたいこと」として認知もしていないかもしれません。
しかし、その「欲望」を「欲情」ベース、「欲求」ベース、「欲動」ベースで考えてみたら、「やりたいこと」としてあがってくるかもしれません。
「自分が書いた曲がみんなに知られたい」という「欲望」を「欲動」の範囲で考えれば「曲を書きたい」だし、「欲情」の範囲ならば「いい曲を書きたい」だし、「欲求」の範囲なら「曲を誰かに聞いてほしい」になります。
「曲を書きたい」なら極端な話口笛一つですぐにできますし、単に「誰かに聞いて欲しい」ならYoutubetwitterにあげたり、誰か友達に送って感想を聞けばいいだけの話です。
この辺だったら何も難しくない。
例えば「女の人と仲良くしたい」なら、「欲動」なら「誰かとセックスしたい」、「欲情」なら「モテたい」、欲求なら「デートしたい」、欲望なら「好きなこと付き合いたい」みたいになります。
或いは「筋トレ」なら、「筋トレしたい」なら「欲動」、「筋肉をつけたい」なら「欲情」、「筋トレの方法に感心してもらいたい」なら欲求、「筋トレで身につけた肉体を褒めてもらいたい」なら「欲望」になります。

「欲望」になるとなかなか見つかりづらいかもしれませんが、「欲動」や「欲求」ラインなら案外誰でも持っていると思います。
或いは、「やりたいこと」を答えると同時にそれを履行する義務を負うような感じがして、つい口をつぐんでしまう人も、「欲情」「欲動」のラインならいけるかもしれません。
「やりたいこと」を聞く側は「欲望」だけではなく、「欲情」「欲求」「欲動」でもいいよということをそれとなく伝えることが必要だろうし、反対にやりたいことを聞かれた場合、「欲望」ではなく「欲動」や「欲情」だけれどみたいな断りを入れて話し出すみたいなことが有効なように思います。

 

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