新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



デジモン世代だけが持つ武器!?20代後半〜30代前半だけが圧倒的活字耐性を持っている

日本語の語彙を増やすために、日本語を観察するために、間違いに気づすために、そして、人と同じ過ちを犯さないためにも、聞くことをなおざりにはできない。

ふと手にした野口圭子さんの「かなり気がかりな日本語」(集英社新書)という本に、こんなことが書かれていて、この本が2004年に出版されたということを知り、僕たちの情報処理活動は90年代後半からゼロ年代前半にかけてだけ「例外的に」文字情報が中心の生活だったのだなあと思いました。

10年代後半を生きる人間は、ウェブ環境の急速な発達とスマホの普及により、波形情報、つまり音と映像の情報に囲まれて生きています。

電車に乗ればほとんどの人がイヤホンをつけていますし、ふと除くと結構な人がスマホゲームをしていたり、youtubeで動画を見たりしています。

今の僕たちが情報を取り入れる間口は、圧倒的に映像情報(画像情報を含む)と音声情報です。

一方25年くらいさかのぼってみると、一般にはインターネットが普及しておらず、携帯電話も広がっていなかった時代を振り返ってみると、やはりその時も私たちの情報処理活動は波形情報が中心でした。

家に帰ればテレビを点けたり、CDコンポで音楽を流しておく。

こんなライフスタイルが定番であったように思います。

僕たちは基本的にずっと映像と音声に囲まれて生きてきたというのが僕の解釈です。

 

インターネット成長期だけ一時的に訪れた文字情報の社会

 

基本的に映像情報と音声情報に囲まれて生きてきた僕たちですが、パソコンが一般家庭に普及し、ウェブ環境が整いつつあった90年代後半からゼロ年代前半にかけてだけは、圧倒的に文字情報に触れる機会が多くなります。

パソコンが普及したために触れられる情報量が圧倒的に増えた一方で、インターネットの技術がそれほど進化していなかったため、技術的な制約があり、ウェブ上の情報は文字情報が溢れかえっていました。

また、携帯電話もコミュニケーションはメールが中心ですし、そこからウェブにアクセスしたときもパケットなどの制約上、得られる情報は活字ばかりでした。

ゼロ年代半ばくらいから急速にウェブ環境が整い、youtubeのようなサービスが生まれた辺りから急にウェブ空間には動画やビジュアル情報が増えるようになり、その動きは10年代前半にスマホが発売されたことで決定的になりました。

こうやって見てみると、僕たちの生活に活字が溢れていたのは、環境が生み出した例外的な状況で、90年代後半〜ゼロ年代前半の特徴であるように思うのです。

 

デジタルネイティブの最大の武器は圧倒的活字感覚にある

 

僕は自分たちの世代ならではの武器は何かということを頻繁に考えているのですが、上のように90年代後半〜ゼロ年代前半だけが例外的に文字情報に溢れる社会であったとするなら、その時代を生きた人は圧倒的に文字による情報処理をしてきたということになります。

そしてその時代に幼少期を過ごしているのは僕を含む今の20代後半から30代前半の人たち。

いわゆるデジタルネイティブと呼ばれる世代です。

時代の流れの中で技術の制約上一時的に文字情報溢れた期間に偶然幼少期を過ごしたこの世代だけが、他の世代と比べて圧倒的に文字情報に触れ、文字情報を処理することが肌感覚として染みついているように思うのです。

僕たちの世代は、とにかく文字ベースでコミュニケーションをして、文字ベースで娯楽を探すことに長けています。

(というかそれしか道具がなかった)

当たり前のようにLINEやTwitterとは違うそこそこの文字数のメールというコミュニケーションツールでやりとりをしていたし、プロフやmixiのようなサービスで誰もが普通に日記を書いたりしていました。

だから、振り返ってみればこの世代は(論理的な文章などは別としてつ)文章を書く能力が平均的に高いはずです。

 

文字ベースの思考とデジタルネイティブ生存戦略

現代は圧倒的に映像情報と音声情報が身の回りに溢れ、相対的に文字情報に触れる機会が減りつつあります。

今の子どもたちを見ているとそれは明らか。

今後もこの傾向は続き、基本的には文字情報を中心とした文化に戻ることはないと思います。

身近な環境にどのような情報が溢れているかは、思考方法に直に影響を与えます。

文字ベースで思考する人と、ビジュアルベースで思考する人では、同じものに対して考えたとしても出てくるアウトプットは異なるでしょう。

今後ますます映像ベース、音声ベースの思考をする人が増えてくるとしたら、相対的に文字ベースに思考する人の割合は少なくなっていきます。

だとしたら、使い方によってはそれ自体が大きな差別化要因になるように思うのです。

この辺りが僕を含む20代後半から30代前半の生存戦略を考えるときのポイントになってくるのではないかと思う今日この頃。

環境の関係で偶然手に入れることができたこの「差異」を最大限有効活用する方法を考えぬくということは、結構重要なことであるように思います。

 

アイキャッチはまさにデジタルネイティブの世代しか知らないのではないかといわれるデジモン(笑)