新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



僕のアイデアの出し方と「らしいアイデア」の作り方

元来の何にでも首をつっこみたくなる性分が高じて、(ありがたいことに)企画会議やらネタ出しが必要な場に呼んでいただけることが多くあります。
先週はジャグリングの大会のネタ作り、塾の広報戦略、ロボット教材の開発みたいな感じ…笑
久しぶりにほぼ一週間まるまる戦略やらアイデアやらを考えていたのですが、そうすると自分の「思考のクセ」みたいなものが見えてきて、自分らしいアイデアの出し方がパターン化できるような気がしたので、備忘録的にまとめてみることにしました。

自分のアイデア出しのクセを見てみると、①見立て型、②因数分解型、③詰め将棋型で考えていることが圧倒的に多いように思いました。
一つ目の「見立て型」とは、感動したことやいいなと思った事象を抽象化して、その構成要素を別のパターンへ転用するという方法です。
たとえば2013年のThe・MANZAIでウーマンラッシュアワーさんが行ったネタを見たときに、あのネタがあそこまで盛り上がった最大の要因は、「相方を悪役に見立てた村本さんが、話すたびに観客の共感を喚起する」という部分にあると考えました。
だからこそ、他の漫才では見たことも無い、「ヒュー!」という歓声が上がったのかなあと…
あのネタは観客が盛り上がるほどに中川パラダイスさんの焦り具合が面白くなる、観客参加型のネタだと思いました。
あのネタをみたとき、僕は「演者と観客の役割が固定されている事象で観客を巻き込むと連帯感が生まれ盛り上がる」と抽象化して、「鉄板ネタ」として保護者会や説明会などの場で多用しています(笑)
これが一つ目の見立て型のアイデア出しです。

二つ目の因数分解型はある事象を構成する要素を書き出して、別の物のなかに含まれる同じ因数でくくってみたり、反対に似た事象の因数を見て、異なる部分を分析してみたりというアイデアの出し方です。
最近のアイデアの出し方の中で最も使っている場合が多いような気がします。
たとえば、「肉じゃが」を「ニンジンと玉ねぎとジャガイモと牛肉をみりんとしょう油で煮込んだ料理」、「カレー」を「ニンジンと玉ねぎとジャガイモと牛肉をスパイスで煮込んだ料理」と考えたとき、両者は「ニンジン/玉ねぎ/ジャガイモ/牛肉/煮込む」という要素が共通項である事が分かります。
この場合に、「スパイスとみりん/しょう油を合わせてみたらどうか?」とか「スパイスやみりん/しょう油以外のパターンはないか?」とかを探していくのがこのパターンです。
少し前に友人のジャグリングのアイデア出しをしていた時は、ディアボロ=回転×エンタメと因数分解して、[□=回転×x]や[□=y×エンタメ]となっている物を書き出すというアイデアフラッシュを行いました。
これも、比較的面白いアイデアが出て来やすいように思います。

最後の詰め将棋型は、制約条件と競合が多いときに良く使っているアイデア出しのパターンです。
たとえば、あるコンテストがあったとして、そのコンテストのルールと、それまでの受賞者や競合を徹底的に調べます。
そのルールの中でのみ成立する賞賛を仮定したり、その競合のやっていないものを探したりして、それらの制約の中でのみアイデアを考えるという方法です。
制約条件が多いほど、それを「利用した勝ち方」が存在するという考え方をする人に向いた方法なのかなあと思います。

企画会議をしていると、「あの人らしいアイデアだな」と思うことはありませんか?
あれは恐らく、「その人らしい思考」の結果出てきたアイデアだからと思うのです。
どんな人でもある程度「アイデア出し」にはパターンがあるというのが僕の持論。
とするならば、それを意識することで「らしいアイデア」がたくさん作れるようになるはず。
そんな訳で今回は僕のよくするアイデア出しのパターンを分類化してみました。
みなさんの「アイデア出しのクセ」はどんな感じですか?

 

アイキャッチは抽象化の極地だと思っている『料理の四面体』 

料理は「火」「水」「空気」「油」だ、と非常にアクロバティックな分解をしてみせています(笑)

料理の四面体 (中公文庫)

料理の四面体 (中公文庫)