新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



超攻撃的太鼓持ちのすすめLV4~「離見の見」でキャラクターを強化する~

前回のエントリ(

超攻撃的太鼓持ちのすすめLV3~キャラクターを知りレバレッジをかける~ - 新・薄口コラム

)で、非モテタイプが自分の言葉に熱量を持たせたいのなら、キャラを意識するのが大切というお話しを書きました。
(そして、キャラの見つけ方は

超攻撃的太鼓持ちのすすめLV3~キャラクターを知りレバレッジをかける~ - 新・薄口コラム

.で書いた通りです)
というわけで今回のエントリでは、実際にキャラを用いて熱量のある言葉の作り方(というより見つけ方)をまとめていきたいと思います。

「離見の見」でキャラを見る

また舞に、目前心後といふことあり。目を前に見て、心を後ろに置けとなり。見所より見る所の風姿は、我が離見なり。しかればわが眼の見るところは、我見なり。~中略~後ろ姿を覚えねば、姿の俗なるところをわきまえず。さるほどに離見の見にて見所同見となりて、不及目の身所まで見智して、五体相応の幽姿をなすべし。(世阿弥『花鏡』)

世阿弥が花鏡の中で、上のように「離見の見」の大切さを述べています。
「離見の見」とは自分の演技を自分の視点ではなく、観客からはどう見えているかという視点のこと。
演技をしている自分を客観視的に捉える視点の重要さを説いています。

非モテタイプの人が自分の言葉に熱を持たせたい場合、僕はこの「離見の見」の意識が非常に有効だと思っています。

LV1のエントリで、「無条件に世界を楽しむ権利があると思える人がリア充で、世界にある物を楽しむには何か資格がいると考えるのが非モテ」という岡田斗司夫さんのリア充/非モテの定義を紹介しました。
リア充タイプが「無条件に世界を楽しむ権利がある」と思い込めるのは、よくも悪くも他者に対する「無神経さ」があるからです。
一方で非モテタイプの「資格がいると考える」というのは、周囲に無駄に気を使いすぎているから起こる症状です。
ポジティブに捉えれば、それは「観察眼が人一倍長けている」と還元できます。
ただし、非モテタイプは自分のことになると途端にその鋭い観察眼が曇ってしまう。
ということは、自分自身も「観察対象」にしてしまえば、その鋭い周囲に対する観察眼を活用することができるはずなんですよね。
そこで僕が有効だと思うのが「離見の見」なのです。

前回までに書いた方法で、帰納法的に自分のキャラクターの「タネ」を発見します。
そして、それが分かったら離見の見を意識して自分の「らしさ」を育てていく。
そうするうちに、矢沢栄吉さんが「YAZAWA」というキャラを演じているように、非モテタイプの人も自分「らしさ」に自覚的になることができます。
そして「らしさ」を自覚した状態で話せるようになれば、徐々に言葉に熱がこもるようになるのです。
僕はこんな風にして言葉に熱を乗せられるようにしてきました。

それでもキャラに自信が持てない人への特効薬

以上の手順を踏まえれば、ある程度自分の言葉に熱を持たせることができるようになります。
ただしこれはあくまでゆっくりと時間をかけて「らしさ」を尖らせていく方法です。
今すぐにでも言葉に熱を持たせたいという人には少し効果が薄いかもしれません。
というわけで、ある程度即効性のある方法も紹介したいと思います。
非モテタイプの人ができるだけ早くキャラを自覚する最も有力な方法は「他者に映った自分を分析する」という手段です。
周囲を観察することには長けているのに自分自身のこととなると上手くいかないというのなら、他者を媒介にして自分を分析すればいいのです。
他者を媒介になんて書きましたが、行うことは非常にシンプル。
要するに周囲のいろいろな人にヒアリングをすればいいのです。
その際、できれば深く関わっている人から軽い関わりの人まで、バイト先や職場の人、サークル仲間に飲み友達、普段の友人から昔の知人と、できるだけ幅広いサンプルを集めることが肝要です。
そうして他者の口を通して集めた自分のサンプルを回帰分析します。
そうすれば自分で考えるよりも数段冷静な分析ができるはずです。

そして、すぐに熱意を乗せたい場合は、キャラの育て方にも一工夫が必要です。
上記に書いたようなキャラを自覚して「らしさ」を少しずつ尖らせていくというやり方ではどうしても時間がかかってしまいます。
できるだけ早く言葉に熱を乗せたいと思う場合は、他の要素を少しだけ抑えて、相対的にキャラを尖らせるという方向に意識を向けてください。
どんな人でも当然いろいろな側面があります。
だからこそ面白いわけですが、それ故に「その人っぽさ」はぼやけてしまいます。
特に周りを気にする非モテタイプの人はそう。
だからこそ、「らしさ」と同時に取り繕ったり、とっさに見栄を張ろうとしたり出てきたような「らしくなさ」を減らしていくように意識するのが重要です。
「らしくなさ」を意識することで、逆に「らしさ」が強調され、結果的に熱の乗った言い方ができるはずです。

という感じで、今回までのエントリで「攻撃的太鼓持ち」になるにあたって必要な、言葉に熱を乗せる方法についてまとめてきました。
次からは実際に「攻撃的太鼓持ち」をするための方法をまとめていきたいと思います。

 

アイキャッチ世阿弥の『花鏡』

 

風姿花伝・花鏡 (タチバナ教養文庫)

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