新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



続・カリスマは、近しい人を不幸にする

以前、「カリスマは、近しい人を不幸にする」というブログを書いて(カリスマは、近しい人を不幸にする。 - 新・薄口コラム)、そこそこのアクセスを頂いていたのですが、それから読んできた本や出会ってきた人々を見ている中で、もう少しバリエーションがあるのではないかと思うようになったので、カリスマ研究の続編としてまとめて行きたいと思います。

 

カリスマの持つ「高エネルギー」は他者がいて知覚されるもの

 

僕たちは、自分の時間を動かす歯車を持っていて、

それは一人でいるなら勝手な速度で回る。

他の誰かと、例えば君と、触れ合った瞬間に、歯車は噛み合って時間を刻む

ポルノグラフィティハネウマライダー

 

ハネウマライダーの中でこんな風に歌われています。

僕は人の持つエネルギーってまさにこんな感じだと思うんです。

単体でどんなにエネルギーを持っている人であっても、その人が他者に影響を与えていないうちはそこにあるだけです。

それはエネルギーがないのと本質的には変わりません。

 (山奥にスティージョブズやマイケルジャクソンが住んでいたところで、誰にも自覚されなければいないのと同じです 笑)

他者に影響を与えて初めて、カリスマの「カリスマ性」意味を持ち始めると思うのです。

 

カリスマが周囲に与える2種類の欲求

 

他者に影響するのがカリスマだとして、何を与えているのか?

僕はその正体が山竹伸ニさんの『「認められたい」の正体』 (講談社現代新書)で書かれいてる親和承認と集団的承認という2つの承認にあると思うのです。

親和欲求とは、家族や恋人、友人から与えてもらえる無償の愛のようなもの。

いわゆる「ぬくもり」とか「分かってくれる」みたいなものがここに該当します。

もう一つの集団的承認とは、特定の組織や集団の中で成果を出すことによって周りに認められるというタイプの承認です。

カリスマ性のある人たちは、上に挙げたような他者の求める承認を人一倍相手に与えることができます(できてしまいます)。

だからこそ、それを許容できる人ならば最大限の能力が発揮できるのですが、与えるエネルギー量に対して受け取る器の大きさが伴っていなければ、その受け手が壊れてしまうと思うのです。

というのが前回までのお話。

 

2通りのカリスマ性と、侵食されないメンタルの作り方

 

僕はこのカリスマ性を①焚き付け型と②懐柔型のふたつに分類しています。

①の焚き付け型とは、他者の承認欲求に対して次々と期待値と言う名の信頼を与え続けられるタイプのカリスマ性のこと。

このタイプは太陽みたいな輝きを持っており、みんな近づこうとしますが、近づくほどにその熱量の大きさに焼き尽くされてしまいます。

もう1つの②懐柔型は、相手のことを全て許容して、この人だけは自分の事をわかってくれると思わせてしまうタイプ。

新興宗教やマルチ、ホストなどに多い気がします。

ここにいる人を慕ってしまうと、強すぎる親和欲求で、他者からの意見に耳を傾けられなくなってしまいます。

あたかも蟻地獄に吸い込まれるかなように...

本来コミュニケーションをベースに得なければない集団的欲求との和で保つはずの承認欲求が、本来自分ではアンコントローラブルな親和欲求で満たされてしまうからです。

(逆に、焚き付け型のカリスマの場合は、本来親和欲求で得るべき承認までもを集団的欲求で満たせてしまえるから壊れて行くのかもしれません。)

 

僕はこの焚き付け型のカリスマと懐柔型のカリスマを、それぞれHUNTER×HUNTERに出て来るイルミの念能力と、NARUTOに出て来るカグヤの能力に近いものと捉えています。

前者はキャパ以上の成果を要求し(そして太陽に焦がれているからこそ近づこうと頑張って)、後者は実社会では本来得られないほどの承認を与えることで現実世界を相対的に生きづらく思わせてしまう。

いいとか悪いとかじゃなく、カリスマ性を帯びた人には少なからずそういった側面があると思うのです。

 

カリスマ性を帯びた人は意図的に他者を傷つけようだなんてもちろん思っていません。

むしろ、本気で相手のことを考えている場合が殆ど。

しかしその優しさは、トラとかライオンとかが与える優しさだったりします。

トラにとってはスキンシップのつもりで撫でたつもりでも、ネコや、まして雑草のようなものにとっては致命傷になることは不可避です。

 

カリスマ性のある人に近づきつつ幸せに暮らすには、自分自身が同じ強さを手に入れて横に並ぶか、相手のエネルギーを全て受け入れきる許容度が不可欠です。

僕はこれを、2年前のエントリでは不動明王タイプと弥勒菩薩タイプと呼びました。

たぶんこの説は間違えていないはずです。

 

不動明王タイプと弥勒菩薩タイプ。

以前はこの辺について何もまとめていなかったので、今回はきちんとまとめてみようと思います。

(続きはいつになるのやら...笑)

 

アイキャッチはMr.カリスマといっても過言ではないローランドさんのこの本。

彼は懐柔型の典型だと思います。

俺か、俺以外か。 ローランドという生き方

俺か、俺以外か。 ローランドという生き方