話し上手はマインドセットと構成の仕方で8割決まる
ここ最近、色々な人が話す姿を見てきたのですが、人前で話すことには、大きく話すためのマインドセットの方法で2分類、話す内容で2分類できるなあと感じました。
まず、マインドセットについて。
人前で話そうとするときは、普段と同じテンションで話すわけにはいきません。
声の大きさは上げなければいけないのはもちろんのこと、多数相手の話し方にしなければなりません。
多数の人に話をするのに慣れている人は、大きく次の2パターンに分かれています。
1つ目が普段よりもグッと出力を高くする、火力増強タイプ。
普段の自分のテンションや声の張りをそのままグッと押し上げるタイプの話し方です。
ここに属する話し方をする人は、人前で話すためにグッと出力を上げてはいるものの、基本的に普段の自分の延長にあります。
そのため、人前にいる時でも一対一ではなすときでも違和感なく話せます。
営業マンのプレゼンなんかでは非常に有効なスキルです。
普段の自分の出力よりもグッと高くするという話し方の他に、もう1つ人前で話すには、完全に話すときのキャラを切り替えるという方法があります。
先ほどの出力を増強タイプに対してこちらはスイッチングタイプとでもいいましょう。
お笑い芸人さんなんかがその代表例でしょう。
普段は内気でとても声を張ることなんてできないけれど、ステージに立った瞬間、自分という「キャラクター」を演じるモードになるため、声も張れるしギャグもかませる。
一対一で話しているときと全く違うモードであるため、そのエネルギー量は非常に高いですが、その反面人前にいるときとそうでないときのギャップが大きくなるため、なかなかとっつきにくい印象を与える危険があります。
就職説明会やセミナーを開く人はこのやり方が向いています。
人前に立って話すためには、マインドセットとともに、構成が重要です。
話の構成の立て方でも、2つに分類することができます。
1つ目は一から十までカチッと構成を立てて臨むミュージカルタイプの構成の立て方です。
ミュージカルは音楽と踊りとセリフがあるので、ほとんどアドリブの入る余地がありません。
したがって、細かな部分までしっかりと決められている。
予め事細かに準備したものをしっかり練習して人前で出す。
細部までカチッと組み立てるこの構成の仕方は、緊張感を生み出すのに向いています。
こうした話の組み立て方をする人がミュージカルタイプです。
それに対して、話の最低限のプロットだけを用意して、あとはその場の空気によって内容を組み上げていくという話し方をする人がいます。
僕はこれをジャズセッションタイプと呼んでいて、ジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんなんかは、典型的なこのタイプでしょう。
ここに該当する人は全体の流れだけを頭に入れて、あとは適宜話しを補完していくのを得意とします。
そのため、余裕があり緩やかな空気を作り出すのに適しています。
マインドセットと構成でそれぞれ分類をまとめて見ましたが、これで何が大切かというと、「それぞれ自分の得意としない方法はできない」ということです。
昔、知り合いの結婚式の余興で友達と組んで出し物を作ったのですが、その時の相手と僕の人前での話し方も構成も真逆で、非常に苦労したことを覚えています。
僕はジャズセッション型の構成をしてスイッチングで人前に立つタイプ。
相方はミュージカル型の構成を得意とし、火力増強型で人前に立つタイプだったのです。
その時は相手に主導権を任せたのですが、非常に立ち回りで苦労したことを覚えています。
僕としてはキャラを作らなければ緊張して何も話せなくなってしまうし、セリフも時間も決められてしまっては、全く喋りに抑揚がなくなってしまうんですよね。
ただ、逆に僕が主導権を握ったら、今度は相手がすごくチープなキャラ立ちで何も喋らなくなってしまったはずです。
それくらい、人前で話す方法には、違いがあると思うのです。
巷で話し上手になるためのノウハウ本みたいなものが多く見かけますが、僕がそれらの本に懐疑的であるのは、上にあげたような理由があります。
そもそも火力増強タイプとキャラスイッチングタイプ、ミュージカル型とジャズセッション型の組み合わせでその人がどういった話し方が得意かもわかれるのに、テクニックが一種類ということはないと思うのです。
話し上手になりたければ、上の分類を意識して、自分の話し方に向いた下準備をとることが大切です。
ほんらいこのよんかてごり
それぞれ違うのに話のスキル学んでもいみない