AO入試の倒し方[受験作文攻略ガイド]③文章の型より大切な2つの力
小論文の指導をしていると、必ずと言っていいほど全員の生徒さんが「書き方がわからへん!」と言います。
しかし、実際に指導を開始してみると、分からないのは書き方ではなく、「アイデアの出し方」のほうだったというのがほとんど。
手が動かない、文章が進まないから「書けない」と思い込んでいるのだけれど、実際には書くべきことが浮かばないという場合がザラにあります。
そういう人には試しに自分について問われているような、主張を組み立てやすいテーマの小論文を課すのですが、その場合、多くの生徒さんが途端にかけるようになります。
文章が書けないのは、書き方を知らないことが原因なのではなく、与えられたお題からアイデアを出して、論に落とし込む方法を知らないのが原因なのです。
では具体的にアイデアを出すためにはどんな準備が必要なのか。
それを考えるために、そもそも小論文を書く際に必要なアイデアについてまとめていこうと思います。
一般的に小論文の王道とされる文の型に序論-本論-結論という形式がありますが(書きやすい文の型には、他にも起承転結なり序破急なりいろいろなパターンがありますが、いずれにせよ)その中身は①自分の主張、②その理由、③具体例、③まとめあたりで構成されていて、それぞれの能力を高めていくことが必要です。
このうち、②と④は次善準備をするというよりは実際に文章を書いていく中で身につけるものなので、能力は練習量に比例します。
また、この2つの書きやすさは、それぞれ前の主張と具体例の分かりやすさにある程度比例します。
だから説明は後回し。
重要なのは①の自分の主張と③の具体例です。
ほとんどの生徒さんが、与えられたお題から自分の主張を組み立てられない、またはそれを説得するのに適当な具体例が思いつけないということで悩んでいます。
だからこそ、小論文の練習においては、まずこの2点に焦点をあてることが重要なのです。
①の自分の主張と③の具体例を素早く、かつ適切に考えるためには、与えられたお題に対して様々な角度からアプローチをかけるための思考ツールを身につけておくことと、適切な具体例を引き出すための、知識のストックを作っておくことがそれぞれ必要になります。
意見を生み出すための思考ツールを知り、それを使いこなせるようになることで①の自分の主張が短時間で(しかもさまざまな角度から複数)作ることができるようになり、知識のストックを日頃から積み上げておくことで主張に説得力を持たせられる具体例を用意することができるようになるのです。
次回以降の数回で、まず意見を作るための思考ツールとその使い方を紹介し、その後、具体例に役立つ知識の集め方をまとめていきたいと思います。
今すぐにでも動かなければと思っている人がいれば、まずは前のエントリで書いた「ノート作り」をはじめてください。
小論文はこういった基礎力の部分が本当に重要になってきます。
コツコツと頑張って下さい。
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