新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



アイコンとしてのYouTuber、メーカーとしてのYouTuber

10歳の男の子が「学校に行かなくていい」というメッセージを引っさげてYouTubeに登場して、ここ数日話題になっています。

僕は10歳の子がYouTuberになることはとても面白いことだと思いますし、学校が嫌ならば行かなくていいと思っているので、全くその行動自体に否定的な意見はありません。

(というかある人の行動に対しての賛否を表明することに興味がない)

ただ、この子をきっかけにYouTuberについて自分の中で体系化できたことがあったので、備忘録としてまとめておくことにしました。

 

◆◆◆

僕は職業柄、普段から子どもたちに接する機会が多いのですが、やっぱりこの数年で「YouTuberになりたい」という子を多く見かけるようになりました。

僕はそういう子を見るたびに、「ぜひやってみたらいい!」と強くオススメしています。

いわゆるYouTuberといわれる人たちの企画力や編集能力、毎日複数のコンテンツを上げ続ける継続力etc...

そういった総合能力を持った人たちがあのクオリティで戦い続けるのが僕にとってのYouTuberという職業だからでした。

よく、子どもになって欲しくない職業ランキングみたいなものでYouTuberが上位に上がっているのを見かけますが、むしろ僕にとっては「なれるものならなってみろ」ときう職業というイメージです。

僕の中でのYouTuberというのは、非常に優秀なコンテンツメーカーなのです。

 

◆◆◆

今回出てきた10歳の男の子の動画を見たとき、僕はそこにメイカーとしてのYouTuberという雰囲気を感じませんでした。

マーケティングによるキャラ付け、コンテンツの企画作り、撮影に編集etc...

そういったものは周囲の大人がやっているのだろうなという印象です。

繰り返し断っておきますが、僕は別にそれが悪いとか言いたいのではありません。

ただ、話題になった新しい「YouTuber」はコンテンツメーカーの方ではないのだなというくらいの印象。

企画から編集までを担う人をメーカーYouTuberというのに対して、「画面に出ること」のみを生業にしているYouTuberを、僕はアイコンYouTuberと呼んでいます。

声優やアイドルや多くのお笑い芸人などがこのカテゴリ。

もちろん専門職に仕事を振っていれば、高いクオリティのコンテンツが出てくると思うので、視聴者としてはメーカーYouTuberだろうがアイコンYouTuberだろうが構いません。

ただ、YouTuberという仕事の将来としてみたとき、僕は後者はYouTuberではないと思うのです。

(少なくとも僕が子どもたちにオススメするYouTuberではありません。)

 

◆◆◆

自分で企画を作る能力や撮った画像を編集する能力のないアイコンYouTuberは、あくまで放送作家やディレクターのような人から仕事を「受注」しなければなりません。

その意味でタレント業。

彼らの仕事は、突き詰めると「注目を集めること」なんですよね。

(コンテンツを「生み出す」のは背後の人たちの技術)

もちろん、注目を集めている間は全く問題ないと思います。

しかし、注目がなくなってしまったときに残るものが何だろうと考えると、なかなか大変なのではないかと思うのです。

しかもその注目の源泉が、年齢等の「時間とともに変化する属性」についている場合は大変。

アイドルさんとかはまさにその典型だと思うのです。

仮にメーカーYouTuberであるならば、人気がなくなったとしても、「一定の人気を集めるマーケティングセンス」「毎日一定のクオリティの企画を考え続ける企画力」や「毎日アップし続ける速さと精度の編集技術」など、具体的な技術が残ります。

(おまけに長時間仕事をし続け、納期を絶対に守る)

そんな技術を持った人たちなら、雇いたいという会社は多いと思うのです。

しかし、アイコンYouTuberの方はそうはいきません。

彼らの武器は「注目度」です。

仮に人気が落ちてきたときに彼らに残る武器は、「枯れかけの注目度」のみなのです。

 

◆◆◆

冒頭で僕がYouTuberになりたいといった子どもがいるのなら、強くオススメするといったのは、そこで得られる知見と、仮に上手くいかなかったとしても(恐らく上手くいかない)具体的な技術が身につくと思っているからです。

メーカーYouTuberを強く推しているわけです。

しかし、その子が目指すものがアイコンYouTuberであったのならば、僕は強く止めると思います。

今の属性を消費し、切り売りするのは、その後に残る具体的なスキルを天秤にかけたときにリスクがデカすぎるからです。

同じ「YouTuberになりたい」でもメーカーとしてのYouTuberとアイコンとしてのYouTuberでは全然違い、後者には先がないんじゃないのかなあというのが僕の見立てだったりします。

ただ、仮説でしかないので、その通りになるのか、果たして全く違う活路を見出すのか、その研究対象がたくさんいゆという意味では僕にとってアイコンYouTuberの存在は非常に魅力的だったりするわけです(笑)

その意味でいえば10歳の男の子のYouTuberにも非常に興味があります。

 

アイキャッチはヒカキンさん。

400万人に愛されるYouTuberのつくり方

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