新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



「いい」意見も「悪い」意見も存在しないということ。

僕の中で、何人か定点観測している有名人、インフルエンサーがいます。
その中の一人、イケダハヤトさんが最近むちゃくちゃハマッています。
(もちろん主張の部分に対してではなく。あくまで「観察対象」として)
きっかけはイケハヤさんが自身のYoutubeチャンネルに先日アップした、『【対策も語る】「地方で高卒」だと「手取り10万円」が割と普通な件。』という動画です。
その中で語られていた「大学に行くのもいい」というお話。
イケハヤさんといえば、それまで大学なんてオワコンといった言動を始め、大学に否定的な発言を繰り返してきた方だったりします。
それがここに来て「大学って行ってもいいかも」という言葉を言い出したというのが、何か示唆的でいいなあと思いました。
僕は一貫して大学は行っておいた方がいい派なわけですが、やっぱりもともとは大学否定派で、しかもその意見で多数の賛同者を得ていた人が、(場合によってはという条件付ですが)大学に行った方がいいという主張をしてくれると、なんとも説得力が増すように思うのです。

みたいな感じで、書いていくのは簡単ですが、それではただの皮肉になってしまいますし、僕の「薄口コラム」のコンセプトとぶれてしまうので書く必要がありません(笑)
僕がいいなあ思ったのは、イケハヤさんが言った「大学なんて行っても意味がない」という主張にも、「大学に行った方がいい」という主張にも、何人かの賛同者がいたという部分です。
因みに、イケハヤさんの「大学に行った方がいい」発言は動画の一部分でのもので、過去の主張をひっくり返していっていたという類のものではありません。
あくまで、①地方在住で②手取りが十万ちょいになる事が確定しているのなら、大学に行くのがいいという趣旨のものでした。
(しかもその後にお金がなくても学校に行ける補助金みたいなものを紹介していて、そのお役立ち情報こそがこの動画のメインであったように思います。)
僕らは色々な意見や主張を聞いたとき、往々にしてその意見内容を吟味して、自分の頭で良し悪しを判断しているように思いがちです。
しかし実際には、その「正しい」という判断には、①無意識の内の発言者に対する信頼と、②そう言って欲しい主張をそうだと思い込むという形でバイアスがかかっています。
実は「そうなると思う主張」の多くは「そうなって欲しいという願望」である場合が多いんですよね。
「AIの発展により単純労働は取って変わられる」という主張には「そういう社会が来て欲しい」という欲求が多分に含まれているし、「勉強よりも行動が大事」という主張には「勉強よりも行動が大事であって欲しい」という欲求が多分に含まれています。
イケハヤさんの主張を支持する人もそう。
「大学なんていらなくなって欲しい」人は「大学はオワコンだ」という意見を支持するし、「大学はいらなくならないと思いたい人」は「やっぱり大学は行った方がいい」という意見を支持するわけです。
結局僕も含めて大体の人が、自分が正しいと思いたい主張を正しいと思い込むだけである。
イケハヤさんの動画を見ていると、そんなことが確認できて、個人的にはそれが非常に面白かったわけです。
一時のインフルエンサーのような印象になりがちのイケハヤさんですが、その能力は確かなんじゃないかと思うので、これからも定点観測はしていきたいなあと思います。