新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



技術習得が得意な人が無意識にやっている6つの工程

ピアノを始めたばかりの子は、一音一音音を取る。
それが一年も経つと一小節ずつ捉えられるようになるだろう。
もしもう一年やれば二小節ずつ、翌年は一フレーズのまとまりで捉えられるようになるかもしれない。
そしてもし、そのままプロになったとしたら、その人は一曲を一つのカタマリとして捉えられるようになるだろう。


昔、指揮者のベンジャミン・ザンダーがピアノの演奏の上達過程をこんな風に説明していました。
(ザンダーはこれを実際にピアノを演奏しながら説明していました)
苦手な時は点で音を捉えるのに対して、上達するにつれてより大きな枠で音楽を捉えるようになるのだそう。


細部から徐々に視野を広くしていく。
ピアノに限らず何かを身につける際には多かれ少なかれこの過程をたどるように思います。
たとえば英語だったらまずは単語を覚え、文構造を意識して、一文単位で訳せるようになり、やがて文と文の繋がりに目を向け、最後に主題を捉えられるようになる。
たとえば手品だったら、まずは技法を覚えて、細切れで手順を理解して、一つのネタに仕上げて。
それができたら次はそのネタの演出を考えて、最後は一連のルーティンに落とし込む。
いきなり全体像を掴んでマネしようとしても当然うまくはいきませんし、反対にいつまでも視野が狭いままでは上達は見込めません。
細部から全体へ。
これを意識しているのとそうでないのとでは、何を身につけるにしてもその習得スピードは大幅に変わってくるように思います。


あくまで個人の経験則ですが、僕は何か一つで結果を出したことがある人は、別の物に挑戦する際にも(ほかの事で結果を出したことがない人と比べると)成功する確率が高いように感じています。
で、これはその人のスペックが高いから上手くいっているというのではなくて、物事を習得するための手順を知っているから、別のものも習得しやすいというのが最大の理由ではないかと思っています。

上にあげた習得方法を(少し強引ですが)抽象化すると、①対象の観察、②要素分解、③必要な基礎技術&知識の修得④技術の連結、⑤流れの理解、⑥演出といった順番といったところでしょうか。

もちろん物によってはいらない工程があったり、反対に足りない工程があるかもしれませんし、それぞれの工程の深さの次元は異なります。

しかし、一つのものを身につけようと思った時、おおよそこのプロセスを追っているように思うのです。

そして、複数の分野で一定の成果を出せている人は、意識・無意識とは別にして、このプロセスが身についている。

いわゆる「容量が良い」と言われる人は、天性の感覚でこれ手順を知っているのではないかと思います。

黒子のバスケに出てくる黄瀬くんは、相手のバスケのスタイルをコピーする名手として描かれていましたが、彼も上に挙げた手順を忠実に守っていたように記憶しています。

 

①対象の観察、②要素分解、③必要な基礎技術&知識の修得④技術の連結、⑤流れの理解、⑥演出

初めてのものに挑戦する際は、この6つの手順を意識するといいように思います。

 

アイキャッチは「分解」といえばこれしかないだろうという、料理の仕方を思い切って正四面体に分類した狂気の料理(解説)本、「料理の四面体」

料理の四面体 (中公文庫)

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