SNSの時代に「コンテンツを持つ」ということ。
ちょうど僕は、中学時代にプロフ、高校時代にmixi、大学に入りfb,Twitter,インスタが流行り出しという形で、ほぼほぼSNSの発展(プロフがSNSといえるかは微妙ですが)と共に大人になってきました。
当時から今までのSNSの変化を、実際に使いながら感じてこられたのは、結構僕ら世代の武器だなと思っています。
昔のSNSと今のSNSで機能面はもちろん、僕らの使い方や接し方で大きく変わったなと思うところが多々ある反面、変わらず僕たちがSNSに求めるものもあるように感じます。
そんな中、「大きく変わった」側は頻繁に取り上げられる反面、「ずっと変わらないまま」の部分にはスポットがあまり当たりません。
ということで、今回はSNSの変わらなさについてまとめていきたいと思います。
僕たちはこれまでもこれからも人に構って欲しい
1:nのオープンなコミュニケーションから極めて近しい仲間内でのやり取り。
長く残る記録としての投稿から、刹那的で一期一会な「残らなさ」が売りのやり取り。
SNSでのコミュニケーションは、それ自体が大きく変わって来たと共に、世代によっても様々になってきました。
しかし、僕たち利用者がそこに求める①注目共に②コミュニケーションという欲求は変わりません。
(これはビジネス目的で運用している人にとっても同じ。)
親しい知人に「今日こんなことあってん!」と伝える程度のことから、フォロワーに向けた「僕はこんなプロジェクトを進めています」というものまでスケール感は様々ですが、発信したいという欲求は変わりません。
そして発信する手段が増え、形態が多様化する程に、僕たちは必然的に発信するコンテンツを求めるようになります。
「私は別に発信するとか興味ないし」と思う人も、例えばYouTubeやTikTok、Voisy、snowなどで歌やダンス、ラジオみたいなコンテンツを発信している人は少なくないのではないでしょうか?
あるいはLINEのグループに動画や画像を発信したり。
それ自体が「これらのメディアがなければ存在しなかった欲求」です。
その次元で捉えれば、僕たちの発信したい欲求は確実に増えているといえると思うのです。
技術の進歩により発信したいという欲求は広まってきた一歩で、僕たちの日常生活に溢れるネタの量は変わりません。
とすれば、SNSの生活に占める割合が増え、発信手段が多様化するにつれて、僕たちはネタ不足になってくるわけです。
しかもSNSはそこで繋がる人々に対して一斉に情報を発信してしまうメディアです。
ちょうど、それまでは数本のネタがあれば全国を営業で回っていられた漫才師がテレビでそれを披露した瞬間に、もう、営業では使えなくなるのと同じく、SNSではひとつのコンテンツの消費スピードが、それまでの1:1コミュニケーションと比べ非常に高くなっているわけです。
こうした「発信したいもの不足」の時代に有利なのか、「コンテンツを生み出す『コンテンツ』を持っていること」だというのが僕の持論です。
例えば飲み屋を経営している人ならば、その日のお客さんとのやり取りを書くだけでコンテンツになりますし、なんだったら今なら「コロナで苦しい」ということ自体だって発信する事ができます。
あるいは猫好きであるなら、毎日猫の成長を動画にするだけで、ネタはつきません。
僕がここでポイントだと思うのは、①コンテンツを生み出す「コンテンツ」を持っていることと、②その「コンテンツ」は放っておいても勝手にコンテンツを生み出し続けるという2点です。
仮に同じコンテンツを生み出す「コンテンツ」であったとしても、それが例えば音楽や絵描きのように自分の「労働」によって生み出されるものであってはいけません。
(もちろん、フォロワーを集めてクリエイターになりたいみたいな人はこちらが必要ですが、今回はあくまで一般人が友達とのやりとりに使うSNSを想定しています)
努力の必要な「コンテンツ」は、日常にネタを探すのと変わらないからです。
そうではなく、無限にコンテンツを生み出してくれる「コンテンツ」を持っていること。
これが発信手段余りネタ不足の時代にうまくSNSと付き合う方法だと思うのです。
一連のコロナの影響で、僕たちは否が応でもオンラインとの接触を増やさなければならなくなりました。
今まで以上にSNSでのコミュニケーションは活発化するはずです。
そうなったときに、注目の種としてのネタ、会話のきっかけとしてのネタへの欲求が相対的に上がるのは間違えないでしょう。
(現に、料理の写真や歌ってみた、ラジオや読書チャレンジなど、明らかに日常の切り取りみたいなコンテンツが増えています)
僕の中でこうした自分の中の欲求を、負荷なく満たすための最適解が、「勝手にコンテンツを生み出す『コンテンツ』を持つこと」だったりします。
アイキャッチはこうした未来を20年前くらいにかなりの解像度で言い表していた岡田斗司夫さんのプチクリエイターのススメ。