新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



つまらないことを続けるという武器の作り方

僕はちょいちょいなに考えているかわからないと言われることがあるのですが、意思決定プロセスはいたってシンプルで、大体3つか4つくらいの基準で動いています。

タイトルに書いた「つまらないことを続ける」というのは、そんな僕の意思決定パターンの1つです。

 

「つまらないことを続ける」の意味

「つまらないことを続ける」なんて書くと、石の上にも三年みたいなものを想像されるかもしれませんが、もちろん違います。

(僕が正確的にそんなこと言うわけないし、まして自分がするわけないです...笑)

僕がここでいう「つまらないこと」というのは「好きではないこと」ではなく「他愛もないこと」という意味の方。

他愛もないことでも、ただ続けているだけで、大きな武器になる。

だから「つまらないもの」ほど、ずっと続けておこうという意味です。

 

つまらないものも「時間」と「量」が価値になる

爆笑問題太田光さんの奥様でタイタンの社長をしていふ太田光代さんは、子供のころから、切った爪をずっと小瓶にためているのだそうです。

たしか『踊るさんま御殿』か何かで言っていたことだったと思うのですが、そのエピソードは(もちろん太田さんの話術もあってですが)番組の注目をさらっていました。

 

太田光代さんのこのエピソードは、僕が冒頭に書いた「つまらないものを続ける」ということのちょうど良い例だと思います。

太田光代さんはただ切った爪を貯めていただけです。

爪を切るなんて行為は誰でもすぐに真似できることで、面白くとなんともないエピソードなのです。

でもそこに「子どもの頃からずっと貯めている」という一文が加わったら、途端に話が変わってきます。

爪は誰でも切るし、誰でも小さい頃から切ってきたのですが、それを貯めている人はいないわけです。

急に追いつくのに超絶ハードルの高い(=希少な)体験になってしまいます。

太田光代さんが30年爪を貯めていたとして、今の時点から同じレベルに達するには最低30年かかりますし、仮に時間的には追いつけたとしても、「すでに過ぎ去った時点」のエピソードは手に入らないわけです。

極端な話、子どもの頃泥んこで遊んだ時の自分の爪、女子高生で部活に励んでいた時の自分の爪、大学で遊んでいた時の自分の爪は、社会に出たあとからは絶対に手に入らないわけです。

 

武器としての「つまらないもの」

僕自身、意図的につまらないものをただ続けるということをよくやります。

かつては毎日200日くらいペペロンチーノを作り続けてみたり、人の顔みたいに見えるマンホールの写真を撮り続けてみたりということをしていましたし、今なら毎日育てている野菜の写真を同じ画角で撮りためていたり、1日1本映画を見るということを続けています。

これらは一見役に立たなそうに見えますが、ただただ話のネタになります。

「昨日家でペペロンチーノを作った独身男性の話」は何も面白くないのですが、「毎日家でペペロンチーノを作り続けている独身男性の話」はちょっと聞いてみたくないですか?

 

ただそれを続けているだけで、競合は自然と淘汰されますし、いやでもエピソードのひとつやふたつは生まれます。

僕のペペロンチーノの場合、ぱっと思いつくものだけでも、ペペロンチーノを作りすぎてコンロが壊れたとか、超絶美味しいペペロンチーノのレシピ4種とか、いくつも話のネタになるようなものがあります。

そして、同じ話をしようと考えても、最低仕込みに200日かかるわけです。

こんなもの、必要性に迫られたタイミングで行っても絶対に期待の結果は得られません。

これが、僕の考える「つまらないものを続ける」ことのメリットだったりします。

 

効率厨で無駄なことが好きじゃない僕ですが、「これはつまらないな」と思ったら、意図的にそれに手を伸ばすみたいなことをします。

で、飽きたら飽きたで構いませんし、続いていれば儲けもの。

短期的には全く役には立たない戦い方ですが、超長期的な視座に立てば思わぬ価値を浴びるかもしれない「つまらないもの」

みなさんの周りにもそんな「つまらないもの」があったら、ぜし挑戦してみてすださい。

 

アイキャッチは僕が大好きなマルコム・グラッドウェルのこの本。

ディッピングポイントと合わせてオススメです。

天才!  成功する人々の法則

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