ブランドやキャラを作る効果
これは一昨年の冬に流れてきたガストの広告です。
この広告を見た瞬間に感動して、スクショをとって、速攻で僕のGoogleドライブにある広報フォルダに入れました。
ここ数日、ブランドやキャラについてあれこれ考えていた中でふと思い出したので紹介させてもらいました。
(これ、すごくないですか?)
ブランドとは何か?
もしあなたが喉が渇いたと思い、近くにある自販機でコーヒーを買ったとしたら、それは自然な購買行動であろう。しかしもしあなたが偶然目にした自販機にあるジョージアのコーヒーを見て、ちょっと一休みしたいと思ってコーヒーを買ったとしたら、それは欲望が与えられていると考えられる。ブランドが生み出す余剰価値とはこのようなものだ。
昔読んだ本にこのような内容が書いてありました。
細部の言い回しは正直覚えていませんが、話の内容はこんな感じです。
僕はブランドっていうのを考える上で、これが端的でわかりやすいなと思っています。
ある商品を見たときに、その商品の価値そのものではないイメージを想起させ、それがきっかけで購買意欲が湧くもの。
これが最もわかりやすいブランドの効果でしょう。
優秀なブランドはどれも優秀なイメージを有しています。
たとえばエビスビールであれば、「ちょっと贅沢なビール」というもので、買い物をしているときに目に入ると、「今日は仕事でうまく言ったし、自分へのご褒美でエビスビールでも飲むか」みたいな購買意欲が生まれます。
あるいはパンテーンのこちらのCMで打ち出された「パンテーン14日間チャレンジ」であれば、結婚式を始めとする特別な日に最高の髪を手に入れたいという、「特別な日を特別な状態で迎えたい」という欲求を生み出します。
こんな風に、優秀なブランドは優秀なイメージを生み出すわけです。
ブランドが伝える物語
僕は優秀なブランドの尺度を①伝えるメッセージの強さ×②伝えるメッセージの独自性だと考えています。
たとえばルイヴィトンやCHANELなどのいわゆる「ブランド商品」と呼ばれるものは、強烈に「ラグジュアリーな自分になれる」というメッセージを発していますが、一方でそれがヴィトンであってCHANELではいけない(逆ももちろんそう)という理由はそれほどありません。
これは、①が大きくても②が小さい典型例です。
逆に、中小企業の下手にバズっているけど伸ばす理由のわからないツイッターの中の人やアイドルの追っかけで他のファンからも認知される熱心な古参オタクのように、メッセージが独特でも伝えるメッセージが弱ければ同じく意味がなくなってしまいます。
メッセージの強さと独自性の両方を設計することが不可欠なわけです。
ブランドやキャラを作る意味
こういったブランドのメッセージ性を分析するために、今僕はスーパーやコンビニに行ったとき、自分が商品を購入したいと思うときに①どの商品を見て、②どんな欲求を想起したかということを考えるようにしています。
たとえば、ふだんであればコンビニのプライベートブランドのチューハイを買うところを別のお酒に手を伸ばしたとして、それはなぜその商品を選んだのか?という部分を言語化してみる。
そういう風にやっていくと、先にあげたメッセージの強さと独自性の両者を備える商品は思いの外少ないことに気がつきます。
(そして、そう行った商品に関しては圧倒的にうまいブランド戦略をとっていることも)
冒頭に挙げたガストのあの広告はブランド戦略という意味でいえばうまくいった典型でしょう。
ガストの特別な日は高級なお店へどうぞという広告は、「迷ったときに入る日常使いのお店」というメッセージを打ち出しました。
家族や友人と車で「どこにする?」なんて言いながらお店を探すという経験は誰もがしたことのあるはず。
そんなときにあの広告を見て「日常使いのためのお店」というブランドメッセージを受け取っている人がガストの看板を見かけたら、「今日はあそこにしておこう」という風になる可能性は非常に高いわけです。
こうして見てみると、練りこまれたブランドは本当に強いなあと思います。
自分もそれを作れるように絶賛勉強中。
上にあげた以外のブランドでも、もちろん優秀なものはたくさんあります。
また僕のブランド戦略コレクションがたまってきたら紹介したいと思います。
アイキャッチはブランドに関する本