新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



話し下手克服クエスト〜太鼓持ちの達人になろう〜

「どうやったら話し下手が直せますか?」

何年か前に知人の教室で研修をさせて貰う機会がありました。

その研修終わりに質問を受け付ける場面があったのですが、その時に出たのが冒頭の質問です。

僕がその時に行った研修は、前半がスライドを使った座学で後半は参加者の質問を受けてその場で話題を広げて答えていくという乱取りみたいな形のもの。

その方いわく質問されてから答えるまでの瞬発力を見て、上記の質問をしてくれたということでした。

 

僕は決して説明やお話が上手いわけではありませんが、仕事柄人前で話す機会は多かったりします。

そうした場数という意味で少しだけ「話さこと」に関しては慣れているかもしれません。

ただ、それは先天的な能力ではなくて、仕事の必要に迫られて身につけたものだったりします。

(むしろ僕はもともと話がものすごく下手くそです)

塾講師という仕事をしていくにあたって、かなり勉強して無理矢理コミュニケーションの仕方を変えました。

という意味で、「話が上手い風に見える方法」なら自分の中である程度の公式があったりします。

 

太鼓持ちの達人を目指す

話し上手と聞くと、話術だとか話の構成だとか面白さみたいな部分に意識が向かいがちですが、実は話を上手くなりたいと思った場合、まず重要なことは「聞き上手」になることだったりします。

会話はあくまで相手との関係性の中で展開されるものなので、まずは相手との接点を探ろうという姿勢が不可欠なのです。

(学生時代の僕にはこの視点が絶望的にかけていました 笑)

 

聞き上手になるという話をする時、僕はよく「太鼓持ちの達人」になるという言葉を使います。

太鼓持ちと聞くとおべっかを言って相手の顔色を伺うようなイメージがあるかもしれませんが、ここでいう「太鼓持ち」とは、変に媚びへつらうのではなく、キチンと相手の話題を引き出してあげる姿勢のことです。

いわば超攻撃的太鼓持ち(笑)

そんな超攻撃的太鼓持ちの達人を目指すにあたって、僕は次の3点を意識することが重要です。

①自分と相手の会話の分量を把握する

②相手と自分の接点を広げる

③トス型のラリーを心がける

これを常に意識していると、相手が自然と話してくれる環境を作ることができます。

 

3点を意識して心地よい会話環境を整備する

①の自分と相手の会話の分量を把握するというのは、文字通り「今の自分と相手の会話の比率がどの程度か?」を常に意識しておくということです。

人は自分が話したい生き物なので、放っておくと、ついつい自分ばかりが話してしまいがちです。

しかし、これをしてしまうと相手に退屈さを抱かせてしまいます。

こうならなることを防ぐ手段が①なのです。

お互いの会話量を把握する癖をつけると、常に「今自分は喋りすぎてるな」とか、「相手がむっちゃ喋っているな」ということが分かるようになります。

そうなれば自分語りを自覚できるようになります。

後は基本は3:7で相手の方がたくさん話せるように心がけ、どんなに自分が喋っても比率が5:5を超えないようにするという決まりを作っておけば、相手が話しやすい環境の基礎が整います。

 

これができたら次は②の相手と自分の接点を広げる作業です。

基本的に人は共通の話題である方が話しやすくなります。

だから、人と話す際には相手との接点を広げることが大切です。

ここで重要になるのは「お互いの共通の話題を探そうとする」のではないという部分です。

僕たちは接点を探ろうと聞くと、ついついお互いの共通の話題を見つけるみたいに思いがちですが、あくまで聞き手としてのスキルを磨くという点でいけば、こちらから相手に近づくことが必要です。

具体的には、相手の話題の中で自分も知っている部分を相手に共有して下さい。

例えば昭和歌謡の話をされたとしたら、自分の知っている(できれば好きな)曲や歌手を提示するみたいな感じです。

あくまでこちらから相手に近づくことで共通項を増やしていきます。

そして、共通項ができたらそこの話で盛り上がるか、「教えて下さい」という姿勢で話を横展開していく。

こうすることで話が格段に盛り上がります。

このようにして相手と同じコートに立つのが②の意識です。

 

ここまで出来たら次は③です。

会話をラリーに例えるとしたら、①と②が出来たらただ打ち返してラリーをするのではなく、トスを上げるイメージで返すことが大事になってきます。

僕たちはついつい相手から来た会話内容に対し、同じだけの圧で返そうとしてしまいますが、それをしてしまうと、相手が必ずしも想定していた方向に話が進まなくなってしまいます。

そうすると、会話がとまってしまい、ちぐはぐな空気になる。

そうならないためにもあえてフワッとした返答を心がけることが大切なのです。

具体的には、相手の話に鋭く返すのではなく、頷いたり相槌を打ったり、納得共感したりするということです。

ここで、相手の話に持論を被せたり、相手より高度な具体例を出したり、相手を否定するような反論をぶつけたりしたら、会話を引き出すということはできなくなってしまいます。

あくまで聞き上手になりたいと思うのであれば、そういったコミュニケーションは避け、相手が主役になれるようなトス型の返答を意識して下さい。

 

話し上手は攻撃的太鼓持ちから

こうした聞き上手の姿勢が完璧に身についていると、相手から得られる情報が非常に多くなります。

そうなると、今度は自分が話す場合にも、相手も楽しめる話題選びや話の運びができるようになる。

相手の話をしっかり聞くというのは単なるごますりではなくて、その後の自分の会話のヒット率を上げるための戦略なのです。

超攻撃的太鼓持ちになると、それまでとは見違えるほどに相手の話を引き出すことができるようになります。

そして、それだけでも相手に「話しやすい人」という印象を持ってもらうことができるでしょう。

その上で話術みたいなものを身につけると、あの人は話が上手いという印象になるわけです。

というわけで、機会があればこのエントリの後編として、僕が学生時代に塾講師として話し方を磨こうと参考にした話し方の方もまとめていきたいと思います。

 

アイキャッチは聞く力の達人、山田玲司先生のこちらの本

年上の義務 (光文社新書)

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