逃げるは恥だが役に立つ
最近、世界のことわざにはまっています。
その土地ならではの意味合いがあって面白いなあと。
僕の大好きなマンガのひとつである、「逃げるは恥だが役に立つ」はもともとハンガリーのことわざ。
このあたりは確かになあと納得する部分も多いことわざなのですが、中にはそれは何が言いたいんだ?というものがあり、とても面白いのです。
ことわざの中にはその土地の人が生活の中で見出した生活の知恵や生き抜くコツ、暮らしを通して得られた教訓みたいなものが元になっているものが多いと思うのですが、なるほど!と思うものも数多く存在する一方で中には文化が違うから全く理解できないものがあります。
それがむちゃくちゃ面白いわけです。
なるほど!と思わず納得することわざ
というわけで、僕のお気に入りのことわざをいくつか並べてみたいと思います。
「鳥が鳴くと人々は意味を語り出す」
これはアフリカのアンゴラに住むオヴィンブンド人のことわざだそう。
ある事象を見たときに、僕たちはついつい自分の解釈をさも真実であるかのように語り方です。
とくにSNSの世界ではそういう光景に出会いがち。
このことわざは、そんな僕たちをうまく言い表しているような気がして、僕はとても好きだったりします。
「約束は雲、実行は雨。」
こちらはアラビア語にあることわざ。
口で言うのは簡単だけど、実行するのは難しいよねという意味だそうです。
なんとなくこの言葉の意味は分かりますが、アラビア語を用いる地域の人にとっての雨の希少さを考えると、その言葉の重みが感じられてとても深みのある言葉だなあと思います。
「早起きしても夜明けは来ない」
こちらはアルゼンチンのもの。
日本のことわざで言えば「果報は寝て待て」に近いと思うのですが、アルゼンチンではそれを朝日で表現するというのが印象的でした。
「早起きは三文の得」ということわざに見られるように、日本ではいいことというイメージの強い「早起き」。
それが南米のアルゼンチンでは急いだって仕方がないという意味で用いられているところに文化の違いが反映されているように思います。
どういう意味!?よく分からない世界のことわざ
なるほど!と思うことわざが数多く存在する一方で、それどういうこと?と思ってしまうような面白いことわざも多く存在します。
こちらも僕のお気に入りをいくつか紹介します。
「氏はシンハラ、行いはイギリス」
こちらはスリランカのことわざです。
新しいものばかりを取り入れて古いものを軽んじるという、温故知新のエピソードに出てくる「思ひて学ばざれば則ち殆し」的な意味だと思います。
まあ分かるっちゃ分かるのですが、僕たちには馴染みがなさすぎて、まず頭には「?」が浮かんできます。
「誰かにかぼちゃをあげる」
スペインのことわざで「告白を断る」みたいな意味なのだそうですが、こちらに関しては僕たちには意味がわかりません。
なんでもかつてのカタルーニャ地方では男性が女性の家に結婚の許可を貰いに行ったときに、両親からタバコの火を貰えれば結婚が叶い、かぼちゃを出されたら拒否された合図だったとのこと(諸説あるのでこれが起源かはわかりません)
理由を知れば納得できますが、背景が違いすぎていきなり使われたら混乱してしまいそうです。
「シロアリはその気になっても石を噛み砕けない」
こちらはナイジェリアのことわざ。
もちろん、なんとなく意味は分かりそうですが、初めて聴くとシロアリ!?石!?みたいなインパクトで肝心の伝えたい内容まで入って来ないような気がします。
ことわざで文化を相対化する
いろいろなことわざを見て、その成り立ちを追いかけると、その土地ごとの文化が分かるのと同時に、自分たちの文化の特異性に思いを馳せることもできる気になります。
たぶん僕がことわざにはまっているのはこの部分が最大の理由。
ついつい僕たちは自分の常識が当然と思いがちですが、それらは地域の特色や暮らしという前提があって初めて成立するものです。
そんなの考えてみれば当たり前のことも、ついつい普通に生活していると忘れてしまいます。
世界のことわざを見ているとそんな当たり前を再認識できる気がして、そこが面白いなあと思うのです。
みなさんもよかったらことわざを調べて見てください(笑)
アイキャッチは逃げ恥