新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



細長く続けるという戦い方

僕の飲み友達で同業でもある友人が半年くらい前に始めた「世界征服クッキング」という企画。

(ツイッターハッシュタグ「#世界征服クッキング」で調べてみてください)

個人的にこの企画やハッシュタグがむちゃくちゃ気に入っています。

というのも、この企画自体は誰でも思いつくし、誰にでもできるありふれたものだけれど、続けるだけで大きな独自性を帯びた価値になると思うからです。

 

物量を武器にするみうらじゅん的戦い方

僕が大好きな人のひとりに、みうらじゅんさんがいます。

彼はゆるキャラという考えの生みの親。

みうらじゅんさんはそれ以外に、もらって絶妙に嬉しくない地方のお土産を「いやげもの」と名付けてみたり、外を歩いていてふと目にする看板や広告の組み合わせで般若心経を完成させる「アウトドア般若心経」なるものを作ったりしています。

僕はこの、みうらじゅんさんがよくやる「単体では価値は弱いけれど集めると大きな武器になる」という戦い方が大好きだったりします。

 

時間を差別化要因にするという考え方

昔、2ちゃんねるの解説者である西村博之さんが、自身の掲示板の成功要因を聞かれた時、「他が辞めていくなかで自分だけがやめなかったから」というお話をしていました。

僕は差別化という観点からこの視点がすごく重要だなあと思っています。

仮にスタート地点では数多のライバルがいたとしても、他がやめていく中で自分だけが続けていれば、やがて自分ひとりの勝ちの場になる。

ただ続けるということが差別化要因になることもあるわけです。

 

細長い戦い方

僕は何かを始める時、みうらじゅんさん的な物量で差別化を図るやり方と、西村博之さん的なただ続けることで差別化を図るやり方を組み合わせるというのをむちゃくちゃ意識しています。

ひとつひとつはつまらないものだけれど集まれば大きな価値になり得るものを、時間をかけてじっくりと続ける。

僕はこの戦略を「細長い戦い方」と呼んでいます。

 

競合のSWAT分析や市場調査により最適解を見つければ、短期的な勝ちを獲得することは容易です。

でも、そういう戦略により勝ち取ったポジションは、同じく戦略によって容易に奪われると思うのです。

それに対して、物量がなければどうしようもならないみうらじゅんさん的な価値の作り方や、時間をかけなければどうにもならない西村博之さん的な価値の作り方は、結果が生まれるには膨大なコストと時間がかかりますが、一度そのポジションを取ってしまえば早々に逆転されることはありません。

極端な話、今さら日本中のゆるキャラを集めたとしても、「日本中のマスコットキャラを集めてゆるキャラとしてカテゴライズした」というブランドはずっとみうらじゅんさんのものです。

あるいは西村博之さん的な時間を味方につける戦い方であれば、奈良の大仏と同じ規模の建造物を作って勝負したって、あちらは「千年以上残っている」という価値があり、それは今建てた建造物では絶対に巻き返すことができないわけです。

 

長期的勝ちを獲得するための細長い戦略

仕事をしている人であれば、もちろん目の前の目標に対して価値提供をすることが必須だと思います。

しかし、短期的な価値に視野を奪われると、先にあげたような「短期的にはマイナスしかないけれど、長期的に大きな武器になる」チャンスに盲目的になってしまうように思うのです。

長期的な勝ちを得たいのであれば、目の前の目標を達成する戦略とともに、長期的な勝ちを取りに行く「細長い戦略」も必要だよなあと。

 

冒頭で取り上げた世界征服クッキングは、僕の中で細長い戦略の典型です。

多分、100カ国超えたあたりから意外な広がりを見せる。

そこに行くには時間も量もかかります。

でも、だからこそおもろいコンテンツになり得るきがするのです。

 

仕事で結果を出さねばとおもうしとほど思う人ほどついつい忘れがちなこの思考。

行き詰まっているという人がいたら、ぜひこの「細長い戦略」を意識してみてください。

 

アイキャッチみうらじゅんさんの「ない仕事の作り方」

 

「ない仕事」の作り方

「ない仕事」の作り方

  • 作者:みうら じゅん
  • 発売日: 2015/11/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)