新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



面白さの3階層〜サークルの「おもろいヤツ」が社会に出るとクソおもんない理由〜

「あの人は面白い」

周囲からこんな評価を得ている人が多くいます。

大抵そのことは自覚していて、仲間内で集まるとその人が話を落とし、ドカンと笑いが起きる。

その人がいるだけで明らかに空気が良くなる。

間違えなくそういう「面白さ」があって、それは周囲も自分自身も自覚している。

 

そんな人が就職活動になったり、あるいは社会に出た途端にそれまでの「面白い人」という評価をされなくなってしまう。

特にその人が面白い!お近づきになりたい!あるいは長く取引相手として仲良くさせてもらいたい!と思う人から「面白い」と言ってもらえない。

んな経験をしたことがある人、あるいは周囲にこういう状況の人がいませんか?

 

最近立て続けにこのタイプの人と出会って、話を聞いていていくつか僕の中で仮説ができたので、今回はそのお話をしたいと思います。

 

 

あなたの「面白い」はどの階層?「サークルノリ」が通用しない理由

ひとくちに「面白い」と言っても致しているものがまるで違うことがあります。

ステージが変わった途端に「面白い」という評価を得られなくなったと感じる人は、この面白さの階層がズレているのではないかというのが僕の仮説。

 

「面白さ」について、僕は次の3階層に分けて考えたいます。

1階層 話(話し方)が面白い

2階層 物の見方・考え方が面白い

3階層 生き様が面白い

 

上の3階層でいうと、大学のサークルや地元のツレといった、いわゆる身内ノリの盛り上がりを担保するのは1階層の話(話し方)が面白い人です。

このタイプは身近な出来事を面白おかしく編集して話したり、身内の文脈でウケる小ボケ、ちょっとしたイジリみたいなものが非常に上手く、仲間で盛り上がるときに重宝されます。

いわば最高の潤滑油。

こうした面白さは身内でいるときに非常に大きな効果を発揮します。

 

しかし、身内で大きな効果を発揮する反面、文脈を共有しない人とのコミュニケーションにおいては1階層の面白さは十分に効果を発揮しません。

初対面や年齢や境遇が離れた人とのコミュニケーションにおいては共有する文脈を探るところ、あるいは共有しているわずかな文脈の中で盛り上がる必要があるからです。

このときに必要になる面白さが第2階層の物の見方・考え方の面白さや第3階層の生き様の面白さなのです。

 

初対面の場を盛り上げる「見方・考え方」の面白さ

初対面や共有するバックグラウンドが少ない人とでも話が盛り上がるためには、どんな話題に関しても「自分なりの面白がり方」や「らしさが乗っかる見解」が必要になります。

ここで役に立つのが、自分なりの物の見方や考え方です。

少し特殊な(おかしいという意味ではありません)、自分なりの考え方や感じ方を持っていると、初めて聞いたことにも「それは僕はこう思う」というように、話を返して一緒に盛り上がることができます。

このレイヤーで面白いと思って貰えるのが第2階層の「物の見方・考え方が面白い」人たちです。

就職活動で無双状態の学生さんや居酒屋で場を盛り上げている人、会社で結果を出している優秀な人などは大体このタイプ。

身内ノリので盛り上げるのと、初対面でも盛り上げられるのとでは、かなり文脈が違うわけです。

 

外部の人も巻き込んでしまう「生き様型」の面白さ

第1階層と第2階層の違いで、社会に出た途端に面白いという評価を得られなくなる現象についての説明はできましたが、中にはもう1階層深い部分で「面白い!」と思われる人がいます。

それが第3階層の「生き様が面白い」と思われている人です。

 

この階層にいるのは、起業家の人や突飛な行動で注目を集めるタイプの人たち。

YouTuberでいうと、アマゾンの民族に潜入ロケをしていたナスDさんとかです(笑)

あそこまでぶっ飛んでいる必要はないのですが、その人の行動の一挙手一投足が面白い、そんなタイプの人がここに属します。

 

第3階層の生き様としての面白さを持つ人は、目の前を盛り上げるばかりでなく外部から人を巻き込みます。

からしばしばカリスマという評価を受けがち。

この面白さを持っていると、知らず知らずのうちに人が集まってきて、第2階層とはまた違う面白さを提供できるようになります。

 

面白さをアップグレードする

というわけで、歳を重ねるにつれ「面白い」という評価をしてもらえなくなったと悩む人は、決して自分のセンスや能力が枯れてきたというわけではありません。

ただただ、それまでの「面白い」というレイヤーでは通用しなくなっただけ。

その証拠に久しぶりに大学や地元の友達と会った時は今も相変わらず面白いと思われるでしょうし、同窓会ではヒーローでしょう。

(だからこそ、「昔は良かった」とか「やっぱり気心知れた仲間がだいじ」とか思うわけです)

このタイプの悩みを持つ人に必要なのは、才能の再発見ではなく面白さのアップグレードです。

そもそも第1階層で面白いと評価されてた人であれば、絶対に第2階層や第3階層の面白さも同程度にあることができます。

話術としての面白さから、見方・考え方の面白さ、そして生き様としとの面白さへとバージョンアップしていく。

それを意識しておくことが再び面白い人評価を得る、自分がお近づきになりたい凄い人に面白いと思ってもらうための効果的な方法であるように思います。

 

アイキャッチは生き様の面白さを体現している談志さんの本