新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



「子役」として見るゆだぽんと芦田愛菜の戦略

僕が教育業界にいるからなのかもしれませんが、たびたび見かける学校に行かない系YouTuberのゆだぼんさん。

僕のSNSのTLに流れてくるのは、彼の行動への賛否が多いのですが、正直僕はそこに興味がありません(笑)

子どもの決定は子どもの自由なのだから、どう転ぼうがいいんじゃない?というのが率直な感想。

というか、もうちょっといえば僕の中でゆだぼんさんはYouTube初の子役なので、「メディアで我が子を活躍させたい熱心な親御さん」というお父さんが主役のイメージ。

だから「中学生ゆだぽん」が彼が何をしているか?というよりは「天才子役ゆだぽん」が何を演じているか?という視点で見ています。

ドキュメンタリーではなく良質なドラマというカテゴリ。

なので、僕がゆだぼんさんに関して感じることは教育的にどうというのとは少し違うところにあったりします。

 

「子役」としてマーケティング戦略

というわけで、ここからはあくまで「子役」ゆだぼんさんについて考えていきたいと思います。

(全くの他人の家の教育に口出す権利も義理もないというのと、何よりそこに僕の興味はありません)

まず、YouTubeを主戦場とした子役としてのポジショニングとしてはゆだぼんさんは非常にうまいポジションを取ったように思います。

おそらく全国に「学校が嫌」という層は少なからずいるはずです。

そして「自由に生きたい」あるいは「子供には自由に生きてほしい」と思う人はそれ以上に。

それまでの「若さ」を売りにしたYouTubeコンテンツは「たった○○歳で××を達成」という、通常その年齢では到達し得ない超絶技巧を若くして身につけたという珍しさをフックにしたものがほとんどでした。

これらはコンテンツ的に広がりがないのと、何より「最年少」こそが差別化の要であるため、寿命が長くありません。

そこにきてゆだぼんさんは同じ「若さ」を売りにしているとはいえ、①特定のコンテンツに依存したものではないことと、②「最年少」という冠が重要ではないため商品としての寿命が他のそれと比べて格段に長いといえます。

その意味でとても優秀だなあと思うわけです。

そんなわけで、僕の中で周囲の強豪と比べてゆだぼんさんを子役として成功させたお父様の戦略は凄いなという印象です。

 

子役としての賞味期限

というわけで、現時点のゆだぼんさんの成功に関する感想としては、個人的にはマーケティングの観点から凄いの一点なわけですが、同時に義務教育への反発という、「子どもだから使えるコンテンツ」を失ったときにどういくのかが気になります。

主力コンテンツを作り得ていた環境はその年ならではのものな訳なので、「無理やり与えられた同調圧力に反発する」というキャラ設定は中学卒業とともにできなくなるわけです。

 

もちろん、それまでにファンを作り次のステージに進むという戦略などは想定されているでしょう。

しかし、ほかの数多の子役がそうはならなかったように、若さのレバレッジがあるからこそ生きたキャラ設定を捨てて、次のステージにステップアップするのは容易ではないように思うのです。

その辺も僕は彼に注目している理由だったりします。

 

「子役」からの脱皮に成功した芦田愛菜さんの凄さ

そんなわけで、僕は子役上がりの人の将来に関してはなかなか難しいものがあるように思っています。

極めてざっくりとした分類であることは自覚しつつも、僕が考えるもともと子役だった人が将来芸能界で活躍するパターンとしては安達祐実さんや内山信二さんのような①永遠の子役タイプか、その他大勢のかつての知名度を利用した②貯蓄切り崩し型の2パターン。

(例外的に坂上忍さんのような大器晩成型もあるかもしれません)

どちらも活躍の手段としてはいいと思うのですが、①には絶大な支持と永遠の愛嬌、②には子役時点の絶大な人気が必要であるように思うのです。

つまり「子役」で売れた人が、子役以外のブランドに鞍替えするのは難しいわけです。

 

こうした中で、子役からの転換を成功させた人が1人います。

それが芦田愛菜さんです。

彼女は天才子役として活躍した後、2年間の芸能活動停止の後、難関校に進学しています。

そして再び芸能活動をしている。

僕はこれを完全な子役からの脱皮のパターンであるように思っています。

別に受験勉強を頑張ったとか、普通の人と同じ道を進んだとかそういう話ではなく、子役特有の「かわいい」というイメージから、「才女」というイメージへの転換を完璧にしてのけたからです。

おそらく僕を含め、多くの視聴者にとっての芦田愛菜さんは「かつての子役」ではなく「賢い女優」という印象なのではないでしょうか?

このブランド転換は容易ではありません。

これが子役として名を馳せた人がずっと活躍し続けるための王道であるように僕は思います。

 

 

さて、そう考えた時にゆだぼんさんはどういった戦略をとるのか。

正直僕にはどの選択をするのかは見えません。

彼は新しい媒体に出てきたニュースター的な子役なので、もしかしたら今後の展望も僕らが思いもしないものがあるのかもしれません。

そういう意味でとても興味があるゆだぼんさん。

個人的には3年後からのマーケティング戦略がとても楽しみだったりします。

 

 

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