2020年佛教大学MU入試国語過去問解説
2020年の出題は山口昌男さんの『文化人類学への招待』からでした。
文化人類学独特の通過儀礼への見方が、子どもの「ごっこ遊び」、おとぎ噺、王位継承等に派生していくため、現代文が苦手な人にとっては若干読みづらいものであったかもしれません。
しかし設問自体は易しいものであったため、点数が取れないということはなかったと思われます。
特に本文における対比関係に注目して、確実に得点したいところです。
以下、解答と簡単な解説になります。
問1.①苦役 ③束縛 ⑥消化 ⑧削除 ⑩候補
問2.②しきい ④おもむく ⑤そうしつ ⑦さいやく ⑨こうさく
問3.ア c イ d ウ e エ a オ b
「つまり」は前の文や語句を分かりやすく言い換えるときに用いるのに対し、「すなわち」は「つまり」よりも別の表現で言い換えるという意味合いを含みます。
問4.c
「生と死の間の象徴的境界を突破する」は、子どもから大人になるための通過儀礼なので、「通過儀礼」としての意味を持たないものを選ぶ。
問5.b
「子どもの遊びの多くはこうした見なれた世界を越えて、見なれない世界に赴くものです」とあり、それぞれの言葉の文章中での意味を捉えると、本文に「エントロピー(=混沌)に対して情報(=秩序)」とあるのでbが答え。
問6.d
傍線部は隠れん坊の説明で、隠れん坊はおとぎ話と同様に子どもが通過儀礼を経て大人になるということを象徴しているものと書かれているのでd。
問7.Ⅰ d Ⅱ e Ⅲ b
一段落にある「若者の一定期間の隔離、苦役を伴う試練、世界についての秘密の致死の伝達、現世への復帰、新しい名前=アイデンティティの賦与、結婚または性の解放」等を参考に、順番に空欄に当てはめていく。