薄口コラム

京都市在住の塾講師。中学受験塾の国語科主任をしていたり、25年以上続く個人塾で指導をしていたりします。このブログでは教材研究で集めた情報をベースに国語に関する発信をしています。質問等はYouTubeのラジオにぜひ!


【中1テスト対策】難易度別!文節の問題がマスターできるまで繰り返す練習プログラム

今回の文法特訓プログラムは文節の問題です。

文節に分ける問題は中学1年生で最初にならう文法分野であるとともに、今後の文法内容を理解するのにも必須となってきます。

文節の最大の難しさは、入り口は簡単な反面、完璧に習得は非常に難しいという点にあります。

「ネ」を入れていけば何となく文節に区切ることができる。

でも練習を進めていくうちに、直感的に納得できないものが出てくる。

今回の練習プログラム(トレプロ)では、この点を克服するために、解きやすい問題だけを収録した基本モードと、間違えやすい問題だけが出題される応用モードを準備しました。

まずは基本モードで練習を重ねてください。そしてそれが十分に解けるようになったら応用版に挑戦してみましょう。

具体的なレベル感を知りながら挑戦することで、順調にステップアップできるはずです。

また、後半には簡単な解き方の解説をつけています。この単元が苦手な人は、まずは解説を見ながら挑戦してください。

文法分野の他のシステムも用意してあります。よかったらこちらもご活用ください。

できるまで続けるトレーニングプログラム(トレプロ)一覧 - 薄口コラム

問題演習プログラム

文節区切り・個数判定トレーニング

まずは出題モードを選んでください
※10問正解でゴールです!

文節の解説

基本編

基本的には意味のかたまりは「ネ」を入れられる部分になります。

たとえば、「大きな犬がワンワンほえる。」なら「大きな(ネ)犬が(ネ)ワンワン(ネ)ほえる。」となります。

したがって「大きな/犬が/ワンワン/ほえる。」がこの文の文節ということになります。基本的にはこの判別法で解いていきましょう。

応用編

基本編の解き方が習得出来たら、次は間違えやすい5つのパターンを覚えてしまいましょう。

判別が難しいものを覚え、意識的に気をつけることで、対応が可能になるはずです。

①形容詞+補助形容詞「ない」(「~くない」パターン)

「寒くない」「大きくない」などの「形容詞+ない」のパターンは、「寒く/ない」「大きく/ない」二つの文節に区切らなければなりません。

②動詞+補助動詞(「~て(で)いる/ある/くる」のパターン)

「見てみる」「やってくる」のように、「~て+補助動詞」のパターンは「見て/みる」「やって/くる」のように、「て・で」の直前で二文節に分けられます。

③連体詞+名詞(「この/その/あの/どの●●」のパターン)

「このペン」「あの問題」のように、「この/その/あの/どの」がついている場合、「この/ペン」「あの/問題」と、二文節に分けられます。

④動詞+形式名詞(「~するはず/~したとき」のパターン)

「来るはず」「遊ぶとき」のように、動詞+形式名詞の形になっている場合、ひとカタマリのように感じますが、「来る/はず」「遊ぶ/とき」というように二文節に分けられます。

⑤用言+助動詞(「~ようだ/そうだ/らしい」のパターン)

「宝石のような」「勉強するそうだ」のように、「ようだ/そうだ/らしい」といった助動詞がつく場合、直感的には二文節に分けられそうですが、一文節になります。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。

文法分野の他のシステムも用意してあるので、よかったらこちらもご活用ください。

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【助詞の識別】助詞の「が」の識別を徹底攻略!できるまで行う反復練習プログラム(トレプロ)

数多くある助詞のなかでも、助詞の「が」の識別は最難関の単元の一つです。

なんとなく分かるものはあるけれど、細かな判別になると自信が持てない。

確実に正解を出せるようになるには、十分な練習が不可欠です。
格助詞の「が」を攻略するには①十分な演習量と②苦手分野の徹底演習が必要です。

今回は大量の例題のを用意して、その中からランダムに問題が出題されるシステムを組みました。

また、特定分野だけに絞った演習ができる仕組みにしてあるため、たとえば「確定の逆接」と「仮定の逆接」の違いが苦手という場合は、そこだけを徹底的に演習できる仕組みにしてあります。

この仕組みを使えば、十分な演習量を確保するとともに、知識があいまいな分野のみを徹底的につぶしていくことが可能です。

何度も演習して、この最難関分野を乗り越えてください。

使い方

まずは下のボタンから、練習したい「が」の識別の組み合わせを選んでください。

選択した用法だけがランダムで出題されます。

苦手な分野を克服できたら、次はすべて選択して総合練習に挑戦してみましょう。

問題は、10問連続正解しないとクリアできない設計になっています。

さらに、連続正解を安定して出せるようなったら、1問10秒の制限時間モードに挑戦してみましょう。

全てその時間内で答えられるようになったころには、「が」の識別が理解できるようになっているはずです。

「なんかできそう...」と思った方は早速挑戦してみましょう。苦手という人は、下に簡単な解説をつけておきました。まずはそれを参考にゆっくりと演習を始めていきましょう。

「が」識別クイズ

出題したい分野を選んでください(複数可)

モードを選んで開始!

「が」の識別

助詞の「が」の意味

助詞の「が」には以下の6つの意味があります。

①主語を表す「が」

例)きれいな花[が]咲いた。 彼[が]今日のヒーローです。

②対象語を表す「が」

例)宿題[が]ひと段落つく。 ようやく自転車[が]運転できる。

並立を表す「が」

例)この店は魚料理がウリだ[が]、野菜料理もいい。 勉強には質はもちろんだ[が]、量も大切だ。

確定の逆接を表す「が」

例)チャイムが鳴った[が]誰もいない。 買ってはみた[が]一度も使っていない。

仮定の逆接を表す「が」

例)準備が遅れよう[が]、中止しない。 骨が折れよう[が]、やり遂げる。

⑥単純な接続を表す「が」

例)今年の目標だ[が]、絶対に守る。次の試合だ[が]、絶対に勝ちましょう。

 

「トレプロ」という名前で他にもさまざまな文法分野の演習問題を作成しています。よかったらこちらもご活用ください。

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【中学定期テスト】副教科のテキストの写真を撮るだけで確認テストが作成できる定期テスト対策ドリル | 音楽・美術・技術家庭・保健体育

中学生の定期テストで悩まされるのが実技科目、音楽・美術・技術家庭・保健体育といったいわゆる副教科という科目のテスト勉強でしょう。

5教科に比べて圧倒的に練習教材が足りていない上に、そもそもどうやって勉強したらいいのか分からない...

僕はプロンプトを調整してAIで確認問題を作ればいいと思っていたのですが、そもそも適切な出力が出てくる質問も簡単ではありません。

ということで、今回は僕が普段使っている指示を読み込ませた自動テスト生成プログラムを作成してみました。

ただし、APIは使用するほどに費用がかかるので、回数に制限を設けさせていただいております。(僕の生徒はパスコードを入力することで無制限に使用できるので心配なく!)

副教科も頑張りたいのにやり方が分からない。

そんな人はこのシステムで写真を撮って、確認問題を生成してみましょう。

そんな方の助けになれば幸いです。

また、それ以外にも国語の知識分野・文法分野を中心に、定期テスト対策用のシステムを様々用意しています。よかったらこちらもご活用ください。

できるまで続けるトレーニングプログラム(トレプロ)一覧

写真から10問連続 4択テスト自動生成

生徒用パスワードが無くても1日3回まで使用可能です

【頻出文法】副助詞「さえ」の識別!中学生向け文法特訓クイズ(トレプロ)

今回は副助詞の「さえ」の識別です。

多くの小学生・中学生が苦手としている「識別」の問題ですが、その最大の理由は練習不足にあります。

見分け方を習ったし、習ったときは理解できたのになぜか間違えてしまう。そんな子をよく見かけます。

そこで今回はランダムで識別の問題が出題されるプログラムを作ってみました。

10問正解でクリアの問題となっており、例文も十分に用意してありますので、毎日挑戦してみてください。

一つも間違えずに連続正解が3日も続くようになれば、その分野の識別問題は理解できたといるでしょう。

ぜひ挑戦してみてください。

※識別の仕方を知らない人は下に手順を載せてあるので、それを参考にしてください。

文法10問チャレンジ!

10問正解でクリアです。モードを選んでください。

副助詞「さえ」の識別

副助詞の「さえ」には①他の類推、②添加、③限定の3種類が含まれます。

識別に関しては以下の2ステップで攻略していきましょう

(1)まずは③の限定(最低限の希望)から

③は文中にほぼ「~ば(もし~ならば)」という言葉を含み、意味は「せめて~だけでもあれば」という意味になります。

例)水さえあれば他に何もいらない

(2)「その上~まで」という意味になれば②の添加

例)激しい風が吹くだけでなく雨さえ降ってきた。

(3)「まして他の場合は」と他を類推できるものは①

例)そんなこと子供でさえ理解できる。

(「まして大人ならば」という他を類推)

例)犬でさえ恩を忘れないのに。

(「まして人間なら」という他を類推)

【助詞の識別】格助詞の「で」の識別を徹底攻略!できるまで行う反復練習プログラム(トレプロ)

数多くある助詞のなかでも、格助詞の「で」は最難関といえる単元の一つです。

なんとなく分かるものはあるけれど、細かな判別になると自信が持てない。

確実に正解を出せるようになるには、十分な練習が不可欠です。
格助詞の「で」を攻略するには①十分な演習量をと、②苦手分野の徹底演習が必要です。

今回は大量の例題のを用意して、その中からランダムに問題が出題されるシステムを組みました。

また、特定分野だけに絞った演習ができる仕組みにしてあるため、たとえば「場所」と「組織」の違いが苦手という場合は、そこだけを徹底的に演習できる仕組みにしてあります。

この仕組みを使えば、十分な演習量を確保するとともに、知識があいまいな分野のみを徹底的につぶしていくことが可能です。

何度も演習して、この最難関分野を乗り越えてください。

使い方

まずは下のボタンから、練習したい格助詞の「で」の意味の組み合わせを選んでください。

選択した用法だけがランダムで出題されます。

苦手な分野を克服できたら、次はすべて選択して総合練習に挑戦してみましょう。

問題は、10問連続正解しないとクリアできない設計になっています。

さらに、連続正解を安定して出せるようなったら、1問10秒の制限時間モードに挑戦してみましょう。

全てその時間内で答えられるようになったころには、格助詞の「で」が得点源に変わっているはずです。

「なんかできそう...」と思った方は早速挑戦してみましょう。苦手という人は、下に簡単な解説をつけておきました。まずはそれを参考にゆっくりと演習を始めていきましょう。

格助詞の「で」識別クイズ

出題したい分野を選んでください(複数可)

モードを選んで開始!

格助詞「で」の識別

格助詞の「で」の意味

格助詞の「で」には以下の6つの意味があります。

①場所・場面を表す

例)公園で本を読む。 図書館まで行く。

②期限、限度、範囲を示す

例)一週間で終わらせる。 三枚でセットの商品。

③手段・方法・材料などを示す

例)ナイフで肉を切る。 小麦粉でパンを作る。

④原因・理由を示す

例)台風で電車が遅れる。 腹痛で学校を休む。

⑤状態・事情を示す

例)六十度で低温調理をする。 新幹線は時速二百キロで進む。

⑥あることを行う組織・団体を示す 

例)国会議事堂で話し合う。 PTAでバザーを主宰する。

 

 
 
 
 

 

 

「トレプロ」という名前で他にもさまざまな文法分野の演習問題を作成しています。よかったらこちらもご活用ください。

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【文法最難関】格助詞の「と」を徹底攻略!できるまで行える演習プログラム!(トレプロ)

格助詞の「と」は、全口語文法の中で最難関といえる単元です。

単純に選択肢が多いだけでなく、その識別も難しい。

ここを攻略するには、なんとなく分かったつもり、ではなく、確実に違いを理解した上で、十分に練習を重ねることが必要となります。
一方で学校や塾の教材ではどうしても演習量が少ないのが現状です。

ここを攻略するためには①十分に演習量を積むことと、②自分の苦手意識に分けたスモールステップの演習が必要です。

そこで今回は、全300問ほどの例題の中からランダムに出題され、さらに、たとえば「動作の目的」と「共同の相手」の判別だけを練習したいといったような、特定分野だけに絞った演習ができる仕組みにしました。

この仕組みを使えば、十分な演習量を確保するとともに、知識があいまいな分野のみを徹底的につぶしていくことが可能です。

何度も演習して、この最難関分野を乗り越えてください。

使い方

まずは下のボタンから、練習したい格助詞の「と」の意味の組み合わせを選んでください。

選択した用法だけがランダムで出題されます。

苦手な分野を克服できたら、次はすべて選択して総合練習に挑戦してみましょう。

問題は、10問連続正解しないとクリアできない設計になっています。

さらに、連続正解を安定して出せるようなったら、1問10秒の制限時間モードに挑戦してみましょう。

全てその時間内で答えられるようになったころには、格助詞の「と」が得点源に変わっているはずです。

「なんかできそう...」と思った方は早速挑戦してみましょう。苦手という人は、下に簡単な解説をつけておきました。まずはそれを参考にゆっくりと演習を始めていきましょう。

格助詞の「と」識別クイズ

出題したい分野を選んでください(複数可)

モードを選んで開始!

格助詞「と」の識別

格助詞の「と」の意味

格助詞の「と」には以下の7つの意味があります。

1 動作の対象・相手(〜に向かって / 〜に対して)   

例)敵と戦う。 / 運命と向き合う。

2 共同の相手(〜と一緒に)

例)兄とキャッチボールをする。

3 変化の結果(〜になる / 変わる)    

例)煙となって消えていった。

4 比較の基準(〜と比べて / 〜に対して)

以前と異なる結果になった。
5 引用( 〜と言って / 〜と思って)

例)「まさか」と大声で叫んだ。
6 並立

例)ピアノとヴァイオリンを演奏する。
7    状態(〜という状態で(副詞的))   

堂々とした態度で臨む。 / 二度としない。

 

「トレプロ」という名前で他にもさまざまな文法分野の演習問題を作成しています。よかったらこちらもご活用ください。

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受験勉強にも修行は必要?寿司職人から学んだ大切なこと | 恵泉女学園中学校'26今井むつみ『AIにはない思考力の身につけ方 ― 言葉の学びはなぜ大切なのか』【ラジオ文字起こし#77】

この記事は僕のYouTubeチャンネルで話している中学受験に関するラジオの文字起こしです。もし作業の最中に聞きたいという方はこちらをよろしくお願いします。

【中学受験】受験勉強にも修行は必要?寿司職人から学んだ大切なこと | 2026年度 恵泉女学園中学校で出題された今井むつみ『AIにはない思考力の身につけ方 ― 言葉の学びはなぜ大切なのか』

寿司職人の修行にみる「下積み」の本当の意味

本日なんですけれども、寿司職人における修行時代のような形で、「受験勉強にも下積みって大切だよね」というお話をしていきたいと思います。いきなり突飛な話から入ってすみません。

ちょうどここ最近の中で、あれこれ色んなコンテンツに触れていたんですけれども、その中でちょっと僕の中で印象に残った作品がありまして。それが、寿司職人として30年くらい大官山でお店をやっている「韻」さんというお店があるんですけれども、あのユーチューバーのリュウジさんという方の番組にたまにというか、よく出ている寿司職人の大将さんなんです。

その方が、寿司の学校を優等生・首席で卒業した方に1日修行をつけると。それで、本人自体が「修行が必要かどうか」をどう思うか。またそれを見ているスタジオにいる人たちは、修行というものが必要と思うか、それとも無駄と思うか、そんなものを捉える番組だったんですけれども、ちょっとその中で見た、その大将が任せた修行の中で言っていた言葉というのが印象的だったのと、「ああ、これってまさに勉強に通じるな」という風に思ったことがあったので、今回ちょっとそんな話を扱おうかなと思いました。

ざっくりとなんですけれども、この番組はどういう趣旨だったかというと、色んな場面で「それって本当に必要なの?無駄じゃない?」という風に思うことがあると。その無駄だと思うものを実際に体験してみて、半分ドキュメンタリーみたいな形でやってみて、それをスタジオの人たちが見ていて最終的に必要かどうかのジャッジを下すというものだったんですね。

で、この寿司職人の大将さんは、もう30年くらい本当に第一線でお店をやっていて、しかも圧倒的な技術があるという方だったんですよ。

ここ最近、よく言うじゃないですか。「あの寿司屋の修行なんて無駄だ。YouTubeを見ればわかるし、細かい解析もできてるんだから、その分析とかを見ればその技術というのは盗める(習得できる)」みたいなことを、特にホリエモンさんとかもよく言っている内容だったんじゃないかなと思うんですけれども。まあ、確かに僕らも直感的にはそう思いますよね。

その番組では、確か「寿司を握らせてもらうだけでも5年くらい下積みをしないといけない」みたいな。最初はずっとその握りなんてさせてもらえなくて、店の掃除であったりとか、あとはもう自分で修行の練習をするという風に言ったら、水で濡らしたキッチンペーパーで寿司を握るというのの勘所を掴みなさい、みたいな。あとは一緒に対処についていって、そこで様々な目利きであったりとかものの仕入れというものを学ぶし、とにかく綺麗に一個一個の道具を大切にしなさい、みたいな。

「本当にそんなこと必要あるの?いやいやいや、いきなり技術だけ教えてあげればいいんじゃない?だって欲しいのは技術だから」と、そんなところから「修行は無駄だ」という論者の方たちは「無駄だろう」と言っていたんです。

包丁を研ぐタイミングに隠された「志」

前半は、大将も優しく、自分の仕事に連れていって、市場で魚を仕入れる時に「どういうところを見て仕入れるんだい」というのを教えつつというか、自分の技を見せつつという風にやってたんですけれども、決定的にこの大将が怒るところが映っていたんですよ。

それが何かというと、「包丁を磨いていなかった」と。

その子はその子で、ちょうど2週間前に学校を卒業したばかりで、ようやく(自分の)道具が手に入ったから、包丁をそのままにしていた。まあ、実はあんまり悪気はなさそうじゃないですか。でも、このすごい優しく手取り足取り教えていた、なんなら気さくに振る舞っていた大将が、そこだけはすごい怒っていたんですね。

その時に言っていたのが、「この包丁で、海に出て、絶対に美味しいこの鯛を食べてもらいたいという風に思った漁師が、俺たちにこの食材を任せてくれているんだと。そして、それを俺たちは絶対に美味しい、一番美味しい状態を届けないといけないだろう。包丁が磨かれていないような人に、この魚を任せようって思ってもらえると思ってるのか」という風に怒っちゃったんですよ。

言ってしまえば、それは精神論みたいなところなのかもしれないんですけれども、その後に「俺が磨く」という風に言って、包丁を大将自ら研ぐんです。でも、研いだ時に手にやっぱりサビがつくんですよね。で、それを見せて、

「今、営業前にこれを研いだら手にサビがつくし、その匂いというものが魚に反映されるだろう。だから、俺たち料理職人は、絶対に仕事終わりにしか磨かないんだ」

という風にやってみせて学ばせるんですよね。

それを見た瞬間に、体験で修行に来ていた人が「あ、なんてことをやってしまったんだ」という顔をしていて、これがすごい示唆に富んでいるなと思ったんですよ。心構えとか意識の問題というものをまず何より大事にして、そうすると初めて「なぜそれをそのタイミングでやらなければいけないのか」というのが心の底から理解できる。

この場面に映っていた、その寿司の学校で勉強したという男の子は、最初「包丁は己の心を映す鏡だ」という風に言われた時に、あんまりピンときていないような様子だったんですよ。でも、その漁師の人たちが本気で仕入れてきた魚を任せる相手としてふさわしいのか、その包丁の持ち主が、という話をしたりとか、その後に「今、営業前に研ぐというのはどういうことだ」というのを聞いた瞬間に、自分がいかに緩かったかというのに気づいたって顔をしたんですね。

これってむちゃくちゃ重要だと思っていて、心の底からその理由、何か必要だというところに意識が向いた瞬間に、一見意味のなさそうだと思った行動の理由であったりとか、正当性、そうでなければいけない理由に気づけるんですよね。

その後、この修行に来た子は実際に(お店で)お客様を接客させてもらえるんですけれども、その時にさらにもう一歩、「すべては目の前のお客さんに喜んでもらうためなんだ」と。そして喜んでもらうためには、最高の食材を全力で仕入れてきてくれた人たちの期待に応え、それ以上のものを提供する。そういう心構えで店に立たないといけない。

そう考えた時に、当然だけれども、ベストのパフォーマンスをするためには何をしなければいけないのか、そのための準備としてどういうことをすべきなのか。そこまでくると、一個一個の、例えば入り口の掃除だったりとかいうのにすら、しっかりと意味があるし一貫性があると。で、そういった精神性から身につける、それができるのが修行なんだっていうのを、僕なりの解釈なんですけれども、大将は伝えたかったのかな、というそんな番組だったんですよ。

受験勉強における「下積み」と「ただこなす作業」の差

で、これって僕、勉強にも言えることだと思うんですね。

そのままこれを受験勉強に当てはめるとしたら、ただやらされるというだけで、「知識だけ身につければいい、言われた通りにやればいい」ってそんな意識でいる子と、今みたいに心の底からどういう意図でやらないといけないのかという「志」をここに留めておき、そしてそのために、そこから逆算すると「この行動にはどういう意味があるんだろう」ということまでしっかり分かった上で受験勉強に向き合っている子に、前者の子が勝てるわけないじゃないですか?

で、これってさっきの寿司屋の修行で言いましたけれども、受験勉強で言ったらちょうど下積みみたいなもんだと思うんですよね。ただ問題を解いてえいやでおしまいにするとか、宿題で出されてるしやらないと何か言われるから仕方なくやって終わりとか、丸付けもろくにしないみたいな。特に子供たちで、しかも非受験学年だったら、そういう風な気持ちになってしまうのはしょうがないとこであるとは僕は思うんです。

けれども一方で、非受験学年であるからこそ、そういう部分のその「精神性」という部分からしっかり教えてあげることが大切なんじゃないかなと僕は思っていて。

今は、とかく何か言うとハラスメントみたいなことを言うので、あんまり僕らも厳しいことは言えなかったりしますし、子供たちの自由な意識だったりとか、好奇心というものを引き出そうというのがとにかくもてはやされがちな時じゃないですか?

でも一方で、そういった今言った「修行」を通して、「なるほど、そういう意図があったんだ」というのが心の底から腑に落ちて、腑に落ちた後の行動変化の一貫性みたいなものを教え込めるというのは、ある程度の厳しさは必要なんじゃないかなと僕は思っていまして。

もちろん仕事(塾の授業)でやっているわけなので、今の社会のご時世のことも考えて、そんな昔ほど厳しくはできないんですけれども。一方で、ちゃんとそういう部分も教えられればな、なんていう風に僕は思って授業をしているので、ちょっとそういうことを思い出させてくれた、やっぱりそういうのあるよなと思わされたものだったので、今回紹介させていただきました。ちょっといつの番組かわからないので「これですよ」って紹介できないのが申し訳ないんですけれども、もしそれに出会ったらぜひぜひ見てほしいなあと思います。

そして、この大将自身はリュウジさんの番組にたまに出ている気さくなおっちゃんなので、よかったらそちらも見てください。

恵泉女学園中の入試問題に見る、AI時代に人間が勝てる「直感力」

というわけで、後半は入試問題の紹介です。

本日紹介したいのは、2026年の恵泉女学園中学校さんが出題していた、今井むつみさんの『AIにはない思考力の身につけ方 ― 言葉の学びはなぜ大切なのか』という作品です。

この作品では、チャットGPTに色んな質問をして、ちょうどチャットGPTとかが引っかかりそうな質問をするんですけれども、そこで「あくまでもAIというものは、これまでの統計、その集積地の中から最適解を導いているだけなんだと。本当に思考しているわけじゃないんだよ。じゃあ本当の思考とは何だろう」みたいなことを話して、人間にしかできないものというのを語っている文章なんですけれども。まあ、あの具体例の中に出てくる実際の実験とかが、「ちょっとそれはひねくれすぎてるんじゃない?」という風に思うようなところもあったりするんですけれども、思わず「あ、なるほどな」という風に思う面白さがそこにあって、というやつなんですけれども。

ちょっとそことは別に、今井さんはこの作品を通して、「人間がAIに勝てる一番の力というのは直感だ」と。そして、「その直感力というものは、自分たちが経験した中で鍛えていくものなんだ」というところに結論付けているんですよ。

AIというものが情報の集積の中から最適解を出すのに対して、僕らにはその本能であったり直感とか、「なんか嫌な感じがする」とかいう風に思う時ってあるじゃないですか?あ、もちろんあれというのは、その言語化しきれない経験値の積み上げの中で、言語化しないまんま、なんとなく感じ取る、察知する能力だと思うんですけれども。AIというものが、少なくとも言語化されたものすべての中から最適解を導くとしたら、言語化され得ないものを持っているということこそ大切なんじゃないか。まあ、噛み砕くとそういうことを言っていて、「それを磨くことが大切だよね」というのがこの今井さんの主張なのかなと僕は思ったんですよ。

バスケットボールのシュートやピアノを弾く際のタッチの加減かもしれません。ゲームをクリアする際にこっちに行ったらやばいと感じることもそうかもしれませんね。ある技術に対し、何らかの直感を得るには長い時間が必要です。

こういう風に今井むつみさんは言っていまして、まさにさっきの「修行の話」ってここに繋がってくると思っていて。

もちろん、あらゆる技術の大部分のところというのはマニュアル化することはできると思うんですよ。でも、マニュアル化した時点で失われてしまうものが絶対にありますよね。そしてそういうものこそが、実は本当に「極める」という時には重要だし、ましてAIでその言語化できる部分というのは再現されてしまう時代だからこそ、そこ(言語化できない領域)を身につけておくことが重要だと。

で、これは別に理想論って話ではなくて、受験勉強という本当に最後の最後の誤差で自分たちのライバルと戦うって考えたときに、そういう能力(直感力)の有無というものが結果の差に関わってくるよね、というのは充分言えることだと思うんですよね。

だからこそ、受験勉強ということでもそうですし、またそれを超えた人生全般というもので考えても必要なものなのかなと思ったので、今回はちょっとあの寿司屋の修行に合わせて、この作品を紹介させていただきました。

というわけで、本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

本日は、「寿司屋の職人の修行に学ぶ下積みの大切さ」というお話と、恵泉女学園中学校さんが2026年に出題していた今井むつみさんの『AIにはない思考力の身につけ方 ― 言葉の学びはなぜ大切なのか』という作品の紹介でした。

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。もしこの番組が少しでも面白かった、ためになったなあなんていう風に思っていただけることがございましたら、チャンネル登録であったり、高評価よろしくお願いいたします。

それでは。

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