メロスは無二の友、セリヌンティウスとの約束を果たすため、幾多の困難に挫ける事なく走り続けた。
太宰治は「走れメロス」の中で、メロスの人となりを人一倍正義感の強い男と言っている。
「国民の皆様との約束を果たすため、増税をする前に我々にはすべき事がある」
と言った「彼」の行動も人一倍強い正義感から来たものだったのだろうか。
先日民主党を離党した小沢一郎元代表を中心とした議員の今後の動きに注目が集まる。
メロスと小沢氏もその約束を守ろうとする姿勢は素晴らしいと思うが、私には相手の気持ちがないがしろにされている様に思えてならない。
メロスは王様に抗議するにあたり「私の友セリヌンティウスを人質にしよう。」と言った。
メロスの勝手な提案で危うく死にかけたセリヌンティウスの心情が気になるのは私だけではあるまい。
「私の信念を守るために人質になってはくれぬか。」と言われたセリヌンティウスもいい迷惑だろうと勝手に思ってしまう。
幸いセリヌンティウスはメロスを信じ抜き、身を削る事を厭わなかった。
途中メロスがこない事で王に何を言われてもメロスを信じて平然を保った。
国民はそんなに優しくない。
約束を果たすのはいいが、もっと国民の気持ちにも目を向けて欲しい