嵐が来た。
二本足で立ってるのを忘れてしまうくらい、風に煽られる。
強風の中T.M.Revolutionみたいになってた時に、ふとばあちゃんの話を思い出す。
近所の仲の悪いお隣同士の家の人たちの話。
ばあちゃん家の近所に土地の境界でもめてるご近所さんたちがいたらしい。
はじめは家の作りやお互いの家の主人同士の影口程度だったそうだ。
それが徐々にエスカレートしてきて最近ではやれ子供の礼儀がどうだとからやれ犬の鳴き声がどうだとかいう言い争いになってたらしい。
そんな険悪なムードが漂う秋の時分、浜松に記録的な台風が直撃した。
方々で瓦が飛んだり鉢植えが舞ったりと、大変だったようだ。
お隣さん家にゴミが入るなど当たり前だったとの事。
犬猿の仲のお隣さんたちの所でも被害がでたらしい。
朝起きたら案の定片方の家に物が飛んできていた。
その物っていうのが、ただの瓦とか置物じゃない。
飛んでったのは「犬小屋」だった。
しかも犬は中に入ったまま。
近所の人から又聞きしたというばあちゃんの話では朝犬小屋が庭にひっくり返しておかれてた主人の驚いた顔はなかったらしい。
そりゃそうだ。
朝起きたら嫌ってた犬が庭にいるんだもの。
しかも家付きで。
まあ家は逆さまに地面に刺さってたらしいケド。
ばあちゃんの感想。
やぁ、ホント犬もびっくりだよね
…問題はそこじゃない