新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



非喫煙者は喫煙者の「お前はいない」という態度にムカついている

「路上禁煙区域」で吸う人の論理|日経ビジネスオンライン
江戸川区日台親善議員連盟会長、前江戸川区議会議員の田中けん氏に聞く
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/020100231/

 

タバコに関していつも思うことなのですが、大多数の人が「吸う」か「吸わない」なので、両者の立ち位置を強く押した意見になだてしまいがちなように思います。

因みに元喫煙者も、喫煙者の気持ちは理解できるものの、吸わなくなった成功体験がある分、大抵は「吸わない」人に大きく振れているように思います。

 

僕は凄く中途半端な立ち位置で、そこにタバコがあって、吸った方が会話が弾むなと思う場合は吸うけれど、そういう場合を除いてはほとんど吸わないというくらいの立ち位置です。

高校の保健の授業で言っていた、一本吸ったら辞められなくなるから絶対吸うなみたいな言葉がずっと気になっていて、大学時代に吸ってみたのですが、全く辞められなくはならなくて、それ以降はあれば吸うみたいな感覚です。

ちょうど飴玉やガムと同じイメージ。

そんな立ち位置なので、僕は吸う人の意見も吸わない人の意見もわからないではありません。

特に路上喫煙に関しては、お互いの言い分がなんとなく思い浮かびます。

 

まず、路上喫煙をする人に関して。

もちろん禁止区域とされているところで喫煙をするのはそもそも違反行為なのでやってはいけないというのは当然なのですが、それでも吸っているのは、潜在的に「何が悪いか納得していない」からなのだと思います。

これがもし、おが屑やティッシュペーパーが積もった狭い部屋の中ならば、絶対に吸わないと思います。

何故なら発火の危険性が明らかに認識できるから。

或いは、自分の大好きな人や子供が大病を患って咳き込んでいる病室のベッドの横でも、相手の身体に及ぼす影響を考えて、やはりタバコは吸わないでしょう。

よほどの中毒者でもない限り、喫煙者だってその辺の分別はわきまえています。

そんな喫煙者でも、路上喫煙禁止区域では吸ってしまうのは、本質的に「路上で吸うことは、危険性もなければ誰かに害を与えていない」と思っているから。

そもそも、周囲の迷惑を省みないとかではなく、「周囲」そのものが視界に入っていないのです。

そして、非喫煙者が怒っているのは、タバコの煙でも火そのものでもなくて、そんな「私たちを視界にすら入れていない」というような喫煙者の態度そのものなのだと思います。

マーケティング等をしている永江一石さんがブログで、電車で化粧をしている女性に腹をたてる理由というエントリをあげていました。

その中で触れられていたのがこの理論。

化粧は周りに美しく感じてもらいたいが故にするもの。

その過程を見せるという行為はその場にいる人に「相手にすらしていない」というメッセージを与えている。

だから電車で化粧をしている人を見ると無意識にそれを感じ取って不快になる。

タバコに関して受動喫煙などの様々な理由が挙げられますが、根っこの部分は「無いものとあしらわれた上に迷惑を被っている」ということに関する不快感になるような気がします。

 

僕はタバコを持っているときでも、その空間に子供がいる場合、少人数でご飯に行くときに1人でも非喫煙者がいる場合、隣に座った人がタバコを吸わない場合は絶対にタバコを吸わないと決めています。

それは、僕自身も他人のタバコの煙が嫌だから。

因みに知り合いとご飯に行ったときにタバコを吸われるのは全く不快に思いません。

気を許している相手なので、その煙が顔にかかっても、汚いとは思わないんですよね。

逆に、見ず知らずの人の煙はむちゃくちゃ気になります。

特に禿げ散らかした人相の悪いおっさんの煙とかはムリ(笑)

こういう人って少なく無いと思うんですよね。

この視点が中々理解してもらえないという喫煙者の方には、煙を全部唾液だと考えてみてもらうとイメージが近いかもしれません。

その人の口から出てきた(タバコの先の煙は違いますが、そんなの吸っていない人間には関係ありません)ものが顔や身体にかかる。

咳で飛んだ唾液の飛沫は目に見えないですが、煙の場合はさながら全て可視化されたような印象を受けます。

見ず知らずの汚いおっさんに唾を吹っかけられたらそりゃ嫌じゃないですか(笑)

外でタバコを吸う場合は非喫煙者にとって、タバコの煙を浴びるのは、そのくらいの事だと認識して吸っておくのが喫煙者の配慮として必要な気がします。

 

僕は喫煙問題を解決する方法は、喫煙者の側の配慮をもっと高めることに尽きると思います。

昔ご飯を食べに行ったとき、カウンターの1番奥でタバコを吸っていたおっちゃんと話していたのですが、子連れの親子が入ってきた瞬間に、その人はすっと火を消しました。

その親子は全然離れた所に座ったのに、結局おっちゃんは一本も吸いません。

その姿勢に対して、本当にカッコいいなと思ったのと同時に、こういう喫煙者は嫌がられないのだろうなと思いました。

非喫煙者が嫌っているのは喫煙することそのものというよりは、喫煙者の「私たちを見ていない」と伝わってくる態度である。

実際にそうなのかは分かりませんが、少なくともこの前提で気を配っていると、だいぶ喫煙者の振る舞いも変わり、非喫煙者の認識もよくなるように思います。