新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



靖国で「祈る」ということ

靖国問題について。
僕は基本的にこの手の問題について、基本的に賛成も反対も無い人間です。
なんか意地になってお祈りしてるおっちゃん達がいて、それ見て外野がワーワーきってるなって位の印象です。
(・・・すんません)
賛成反対の立場を取る際に明確な数値や根拠がある物ならいくらでも自分の意見が言えるのですが、この手の問題って、結局最後は感情論じゃないですか。
もちろんそこに祀られている人たちの意味とか靖国神社の歴史とか客観的な事実があることは知ってます。
だけど、結論となるところって「だから日本人として~」とか感情なんですよね。
だからあんまり興味がなくって、掘り下げた事もないトピックだったんです。
でも、ちょうど昨日このトピックに触れる機会があったので、靖国参拝すべきorしないべきっていう事に全く興味がない立場として、考えを掘り下げてみようと思います。

ざっくり言うとこの問題って、靖国神社を首相が参拝する事について、海外からやめろって声があるけど、続けるべき?やめるべき?って話ですよね。
日本人にしてみれば、そこには戦争で犠牲になった国民がたくさん眠っているのだから、彼らに謝罪と供養をするのは当たり前って考えになります。
一方、海外にしてみれば、そこには日本を戦争へと導き、世界を大混乱き陥れた元凶たちがいて、そんな奴らに祈りを捧げるとは何事だって事になる。
どっちも「正しい」ですよね(そもそも戦争は欧米がしかけたとか、相手にも非があるとかそういうの抜きにします。戦争で負けた国=戦争を引き起こした責任者が歴史の事実だから)。
どちらも正しい以上、そこにどちらが正しいかなんて言えるハズがない(笑)
僕たちは、どちらが正しいかの前に、そもそもなぜこんなにもめてしまうのかを考えた方がいい気がします。

靖国の問題がぐちゃぐちゃになる理由は「祈り」っていう行為にあるのではないかっていうのが僕の考えです。
僕たち日本人と、キリスト教圏の国々、そして儒教思想のアジア圏では、そもそも「祈る」って行為の捉え方が違うんです。
キリスト教圏の人々にとって、祈りとは神に対する誓いみたいな意味合いが強くなります。
唯一絶対の神がいて、その存在に対して自分は心から祈りを捧げる。
この文脈で靖国参拝を読んだらどうなるか。
唯一神靖国に眠る魂の中で1番偉い者=戦争の責任を持つ人になり、他の犠牲となった国民=戦争責任のある人の使いってなってしまいます。
その神に「祈る」という事は、そういう人々の考えを受け入れ、誓い・付き従うって事になるんです。
極端かもしれませんが、そう取られてもおかしくない。
そりゃ、心配になりますよね(笑)

次に儒教思想的に参拝を考えてみます。
全然詳しくはないので間違えているかもしれませんが、儒教思想の根源は目上の人、祖先を尊ぶ事にあるように思います。
その文脈でいくと、首相が靖国で「お祈り」をするっていうのは、日本を戦争に導いた人たちを尊び、敬意を示すということ。
首相にとっての祖先って考えると、どうしても戦争に駆り出された人々ではなく、戦争に導いた人になる。
やっぱり、それを見ているアジアの人たちは心中穏やかにはなれませんよね。

最後に日本人にとって、神社で「お祈り」って何でしょう?
せいぜい僕らが神社にお祈り行くのって、受験で受かりたいとか、彼女欲しいとかですよね。
根本的にそこに深い意味なんてない(笑)
こんな言い方だけだと余りに浅いので、少し掘り下げます。
基本的に日本人のお祈りには、謝罪や鎮魂がメインにあるように思います。
それは平安以前からある、怨霊信仰に根ざすもの。
日本人は古くから、厄災があるとそれはなくなった人の怨霊の仕業と考えてきました。
怨みをもって死んだ人が、死後私たちに厄災をもたらすって考え方です。
だからこそ、謀で殺した敵の魂を何よりも丁寧に弔ったのです。
そこにあるのって、謝罪や鎮魂の意味の祈りなんですよね。
だから靖国参拝も、単に戦争で命を捨てさせてしまった人に対する謝罪、責任をとり死んでいった戦犯の方の魂の鎮魂。
そういう文脈で行っているんですよね。
この視点でお祈りしているのに戦争肯定だとか言われたら、そりゃ腹が立つのもわかります。

こんな風に、「お祈り」に関する考え方が違うのが1番の原因だと思う。
しかもタチの悪い事にお祈りって目をつぶって手を合わせるだけだから、どうやったって真意は伝わらない。。。
だからこんなにぐちゃぐちゃなるんじゃないですかね。

初めに申した通り、僕には別に靖国参拝がいいか悪いかに対しての意見はありません。
でも、もし批難されたくなくて、参拝も続けたいなら、祈っているときの心情
全部言葉に出して、ピンマイクで拾わせりゃいい(笑)
そうすれば、少しはごちゃごちゃが減るような気はします。