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新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



多くの人が奨学金の価値を分かっていない〜奨学金の捉え方と使い方

ショートコラム
大学に入学するに際して、奨学金を貰うかどうかで悩む人がいます。
僕は奨学金を貰うための要件(内申点が一定以上である)を満たしているのなら、迷わずもらっておくべきだと思います。
ほとんどの奨学金は、その利子率が非常に低くなっています。
利子率がゼロというものさえある。
奨学金をシステムとしてみれば「日本で1番利子率の低い借金」とも言えるわけです。
さらに通常の借り入れであれば職業や年収などの複数の審査要件がありますが、奨学金の場合に必要な要件は基本的に家計の年収と本人の内申点だけ。
つまり利子率が最も低いだけでなく、審査もかなり通りやすい借金というわけです。

利子率がゼロ(あるいは数%)ならば「将来稼ぐお金を今手元に所有しておくコスト」は、実質ほとんどありません。
一方で、もし借りていた場合の行動選択は、①必要ならばそこからお金を使う②必要ないからそのまま貯金しておくというように選択が可能です。
別に使わないというのであれば、そのまま貯金しておけばいいだけのはなしです。
そして将来車を買うときとかに、ローンを組む代わりにそれを使えばいい。
それでも、手元にお金が置いてあるのとないのでは、緊急時のリスクが違います。
極端な話2%の利子率の奨学金を満額借りて、2%より高い利回りで運用しておくみたいなことだってできてしまうわけです。

車のローンの代わりとか、資産運用みたいな事は、奨学金の意図とは全く反するのでお勧めはしませんし、そういうことはあまりすべきではないと思うのですが、物理的には可能です。
ただ僕が奨学金をもらっておく方がいいと思う1番の理由は、「同額のお金が持つ価値の違い」という観点からくるものです。
例えば、僕らは一万円と聞くと、その価値は常に一万円と考えてしまいますが、実際はそれを手にする年齢によって、価値の重みが全然違います。
自分で稼ぐようになってからの一万円ならばそれほど大きな額ではありませんが、小学生にとっての一万円は目が飛び出るほどの大金です。
同じ金額でも、若ければ若いほどそこに見出す価値は相対的に高くなってきます。
1番好奇心が高い時期に興味のあるものに自由に触れられる経済的余裕がある。
これは、将来の自分が稼ぐお金を前借りしてでも経験する価値のある行為です。
その意味で奨学金を借りるというのは、非常に有効だと思います。

こんな風に書くと、「学業に励むために受け取るものをそんな風に使うなんてけしからん」と思う人もいるかもしれません。
しかしそれは、大学での学びを金額でしか見ることのできていない典型例だと思います。
当然勉強には授業料なんかではなく、学業に費やした時間が大切です。
興味のあることに使うためのお金を自分で稼ごうとすれば、その分勉強に費やす時間は削られる。
遊ぶためのお金を稼ぐために浪費されるはずだった「時間」を奨学金で補填して、その分を学業に費やす。
仮に遊ぶお金を4万円欲しいという人がいたとして、時給800円で働けば月50時間を費やします。
50時間を労働に費やすかわりに、勉強に使えばどうでしょうか。
僕は興味のあることに使うためのお金を奨学金で賄うのも、十分学業の役に立っていると思います。


仮に使うとして、社会に出てからの価値と大学時代に手に入れる同額の価値を比較したら、相対的に後者の方が価値が高い。
かつ使わないのであれば貯金しておけば、その利子率からも返済コストが極めて低い。
価値が高くてコストが低いのだから、僕は奨学金は借りておいた方がいいのではと思います。
なにより、審査を通るためには、一定の内申点が必要だったりします。
それは自分自身が高校時代に頑張ったからこそ得られるものです。
自分が頑張った結果奨学金を受ける資格を手に入れた。
自分の努力で手にした資格をなのだから、利用すればいいと思います。
学業を補うためのお金という表層的な部分ではなく、少し踏み込むといろんな選択と意義が見えてくるように思います。


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