新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



古典の授業が呪文に聞こえる高校2年生のためのざっくり古典再入門

高校2年生になって、古典の授業がいよいよ分からなくなったという子を多く見かけます。
特に文法に関してはさっぱりという人が多いのではないでしょうか。
その子達に共通していることは「大枠を知らない」ということ。
これは、有る意味で無理もないことだと思います。
高校に入って何も分からない状態でいきなり動詞の活用なるものを覚えさせられ、気がつくと助動詞とかいう魔法の呪文の丸暗記テストをさせられている。
長期休みを利用して助詞を覚えてこいと言われ、休みが明けると敬語を習う。
一年生はここで終わり。
二年生になると、これらの文法事項は頭に入っているという前提で新しい担当者に引き継がれ、「この敬語は〜」とか「この助動詞は〜」と、古典の文章の中に出てくる文法事項をその都度説明されていきます。
頭の中で文法知識がしっかりと体系化されていない子にとっては、「なんでそうなんねん !?」という疑問の連続。
なんとかテスト前に先生が言ったことを丸暗記しようと頑張るけれど、当然できるはずもなく、また丸暗記に時間を取られるために体系的に文法を頭に入れる時間がなくなり、ますます文法とは何かが分からなくなる。
古典が苦手という人の大体がこのパターンではないでしょうか?(笑)

このような負のスパイラルにはまってしまっている場合、まず文法の全体像をしっかりと抑えることが大切になります。
これを僕は「アタマの中に棚を作る」と呼んでいるのですが、古典にはどんな文法事項が存在して、それぞれ何を抑えなければいけないかを理解するところから始めるのが大切です。
具体的に言うと、古典文法はざっくりと以下の4つの内容から構成されています。
①用言
②助動詞
③助詞
④敬語
そしてこれらの事項が定着した上で習うのが単語の識別の問題です。
それぞれの単元において、覚えていかなければいけないポイントは結構明確に存在していて、それが分かるか否かで、その単元の文法力は大きく左右されます。

用言の内容で求められるのは活用の種類(カ行変格活用とかのこと)と活用形(未然形とか連用形とかの変化の仕方)を覚える事と、その用言の識別が(傍線が引かれた動詞がマ行下二段活用の連体形など)できる力です。
活用形はそれぞれ覚えなければいけませんが、具体的に覚えるべき種類はそんなに多くありません。
動詞の9種類、形容詞2種類、そして形容動詞2種類の計13個です。
用言の単元に関してはまずはこの13個の活用をしっかり覚えることが大切です。
語幹用法や特殊な動詞は後回し。
まずは全体像を捉えることが大切です。


次に習うのが助動詞。
一年生の全く助動詞を習っていない状態ならば一つ一つの助動詞を丁寧に覚えて行くのですが、一度は触れたことのある二年生の場合は、覚えなければいけない知識毎にまとめてしまった方が、全体像が掴みやすく効率的です。
助動詞において抑えなければいけない知識は以下の3つです。
①助動詞の接続
②活用の種類
③助動詞の意味と識別
助動詞の接続とは「上に何形がくるのか?」ということ。
これは未然形接続の助動詞(上の単語が必ず未然形になる助動詞)11個、連用形接続の助動詞7個、終止形接続の助動詞6個というように、仲間分けして覚えるのが効果的です。
次は活用の種類に関して。
活用の種類は一つ一つ覚えようとせずに、できるだけ同じ活用の仲間をひとかたまりにしていくことが大切です。
例えば使役・尊敬の助動詞「す」を(せ|せ|す|する|すれ|せよ)、受身などの助動詞「らる」を(られ|られ|らる|らるる|らるれ|られよ)みたいに一つ一つ覚えて行くのではなく、「る」「らる」「す」「さす」「しむ」はまとめて下二段型活用といった具合に覚えていきます。
(それぞれの活用を書き出すときは、その都度用言のところで学んだ活用の知識を使って考える)
それぞれ仲間分けして覚えた上で、助動詞にしかない特殊な活用をする「き」「ず」「まし」だけ、しっかりと活用の仕方を覚えるようにします。
最後に助動詞の意味について。
これは語呂合わせや、特定のパターンにおいて使うことのできるテクニックを総動員して覚えていきます。
大切なことは、意味を考えるときにできるだけ文脈を利用しないことです。
具体的な覚え方は体系古典文法の助動詞の説明の横にあるコラム欄みたいなところに、無茶苦茶丁寧に載ってたと思うので、そちらを見るといいと思います。

読解をたいせつにする体系古典文法

読解をたいせつにする体系古典文法


3つ目の柱は助詞です。
名前こそ「助詞」として一括りにされていますが、全体の把握を優先するのなら全く違うものが集まった単元くらいに捉えた方がいいです。
火の鳥とかジョジョシリーズみたいな感じ(笑)
助詞の単元は①格助詞②接続助詞③副助詞④係助詞⑤終助詞(と⑥間投助詞)からなります。
それぞれ重点が違うため、まず優先すべきことを以下にまとめるとこんな感じになります。
①格助詞・・・「が」「の」の5つの用法、「より」の3用法を覚える。
②接続助詞・・・1.条件2.接続3.接続の三観点を意識して、「ば」「ども」「とも」を覚える。「て」「で」の接続と意味を抑える。
③副助詞・・・「だに」「すら」「さへ」の意味を優先的に覚える。
④係助詞・・・係り結びの応用(省略と流れ)、「もぞ」「もこそ」などの特別な表現を覚える。
⑤それぞれの意味と接続を覚える。
ex)あつらえの終助詞「なむ」→「〜して欲しい」という意味で未然形接続の終助詞
(間投助詞は省略)
まずは、助詞の単元がどんなもので構成されていて、それぞれにどんな単語が含まれるのかを掴むのが効果的です。

最後が敬語です。
大前提として、頻出敬語(30コくらい?)は覚えてしまわなければなりません。
ただし、いきなりは大変なので、まずは尊敬語3つ(給ふ/おはす/のたまふ)謙譲語(奉る/参る/申す)丁寧語2つ(はべる/候ふ)あたりだけでも完璧にして下さい。
その上で敬語の大きなポイントは、2つです。
敬語の種類を答えられることと、敬意の対象を答えられること。
敬意の種類は[尊敬語・謙譲語・丁寧語]×[本動詞・補助動詞]の組み合わせで6種類に分けられます。
そして敬意の対象は、「誰から」と「誰に」に分け、それぞれで見分け方を抑えることが必要です。
「誰から」の部分は、会話文かそれ以外に注目します。
会話文ならその会話の話者、それ以外ならその文を書いた作者の使った敬語です。
「誰へ」に関しては尊敬語なら主語に該当する人、謙譲語なら目的語に該当する人、丁寧語なら相手にあたる人になります。
例えば、地の文にある丁寧語なら、作者にとっての作品を読んでくれる「相手」なので、敬意の対象は「作者→読者」ということになるのです。
敬意の見分けをする際には主語把握ができるようになることも大切です。
特殊な敬語(謙譲の「給ふ」や尊敬の「参る」など)は後回しでいいと思います。

っと、以上にざっくりとまとめた大枠を頭に入れていくことが大切です。
僕が古典の授業をする時は、大体3フェーズに分かれていて、第一段階が上に書いた内容を使って「アタマに棚を作る」作業をします。
しっかりと全体像さえ掴んでいれば、あとは学校の授業や自分で勉強するたびに知識が正しいアタマの引き出しにインプットされるため、積み重ねの勉強ができるようになるのです。
少なくともこれで、毎回の学校の古典が魔法の呪文を唱える先生をただ眺めるという状態からは脱することができます。
勉強に近道はないというのが僕の持論ですが、進んで遠回りする必要はありません。
古典が苦手という人が多いと思いますが、大枠をしっかり掴むことを心がけると、少しだけ楽になると思います。



僕のオススメの古典の参考書です。

敬語はこれが1番わかりやすいと思っています。

マドンナセンター古文 (ビジュアル式センター攻略)

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センター古文の解説で1番納得できると思うやつ。