ここ最近、メモの取り方を大幅に変えました。
前は全てを一冊にまとめていたのですが、大きなノートを取り出すのが邪魔なことも多いので、手に収まるサイズの瞬時にまとめる用のメモと、溜めたメモを思考に落とし込む思考用のノートの2冊持ちにしています。
で、これが案外うまくいくのでオススメです。
ノートの取り方を変えて、知識の収集と思考を分割してみたときに、「知識のゲリ化」と「知識のアルコール化」ということが頭に浮かびました。
「知識のゲリ化」とは、膨大な量の知識を吸収したとして、それをそのままアウトプットに反映させている状態です。
(知識のことをよりにもよって「ゲリ」なんてワーディングで表現するのもどうかと思ったのですが、イメージが最も近いのでゲリとしました 笑)
確かに優れたロジックやアイデアをすぐにアウトプットに応用すればスピード感をもって成果物を生み出すことができますが、どうしても似たり寄ったりになってしまいます。
このやり方で差別化をしようとしたときに行うのが、アイデアやロジック同士を組み合わせる「パッチワーク型」の思考です。
既存のアイデアを組み合わせることで「新しいもの」っぽくみせる。
単純に得た知識をそのまま使う「ゲリ化」の先にあるオリジナリティは「パッチワーク型の思考」になります。
一方で僕が知識の「アルコール化」と呼んでいるのは得た知識を一旦寝かせて、そこから独自の視点を生み出すような方法です。
例えばという化学式で表されるように、ブドウ糖からアルコールができる([C6H12O6→2C2H5OH+2CO2])ように、知識や思考も何かしら化学変化的なことが起こると思うのです。
アルコールはブドウ糖が変化したものですが、性質はまるで違います。
知識も、材料は全く同じでも、それを寝かせることで全然違う分野での思わぬ見識として役に立つものが生まれると思うのです。
こうして生み出す思考を「ゲリ化」の「パッチワーク型」に対して「発酵型」とでも呼ぶとしっくりきます。
例えばアメリカにあった西欧型の音楽理論や楽器の数々とアフリカから連れてこられた黒人奴隷の持つ民族音楽が混ざり合うことで生まれたジャズのように、発酵型の思考では、それまでとはまるで違う物が生まれる可能性があります。
「ゲリ化」なんていうとあまりいいイメージを抱かないかもしれませんが、別に僕は「ゲリ化」型の知識の利用やパッチワーク型の思考に否定的なわけではありません。
むしろ、これだけ膨大な情報が溢れる社会では「ゲリ化」状態で優れたロジックや知識を使用した方が上手く行くだろうし(ホリエモンや落合陽一さんはこっち派のような気がします)、パッチワーク型、組み合わせを無限に提示できる方が求められることは多いと思います。
一方で、「アルコール化」の方を主戦場にする人がいてもいいと思うのです。
思想家や芸術家(もちろんウォーホルやデュシャンのような人もいますが)みたいな人はこっちの思考をしています。
僕は自分の行動原理を基本的に「逆張り」と決めています。
そして今は知識のゲリ的な使用とパッチワーク型の思考をする人が多い(というか社会の時間感覚が加速度的に上昇していてそちらでないと成功できない)。
だから短期的には成果がでないし、その戦略を取っている人も少ない知識のアルコール的利用と、発酵型の思考を心がけています。
こういう化学反応的に思考を生み出すことと、化学反応式を1つでも多く生み出すことが振り返って自分の武器になるような気がします。
酔っていて文章がまとまらなかった(笑)
アイキャッチはメモの取り方を変えるきっかけになった前田裕二さんの本