新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



高校生を悩ます「鴻門の会」が100倍理解しやすくなる!?登場人物をワンピースのキャラにたとえてみた

※あらすじが必要なひとは、二つ目の小見出しから読み始めてください。

この時期になると多くの学校で扱う史記『鴻門之会』。
この辺りから急に漢文を苦手になってきたという人も多いのではないでしょうか。
僕は毎年テスト前の質問対応をしているのですが、その際に心がけていることがあります。
それが、「ざっくりストーリーを理解すること」です。
『鴻門之会』を持って来られたとき、僕はまず、教科書の細かな言い回しでも重要句形でもなく「で、ざっくり内容を話してみて?」と聞き返すようにしています。
そうすると、文法や単語は細かく覚えられている子ほど、大まかなあらすじが話せなかったりします。
『鴻門之会』で苦戦する最大の理由はここにあります。
みんな文法や単語に即して丁寧に読む「逐語訳」を意識しすぎて、「で、結局どんな話」が分からなくなってしまい、その結果テストでは点数に繋がらないということが非常に多いように思います。
『鴻門之会』くらいの長さになってきたときに重要なことは、「あらすじ」を押さえておくことです。


丁寧に読めば読むほど内容が分からなくなる?


冒頭で僕は、逐語訳ばかりをしているとあらすじが分からなくなると言いました。
その例として、「ワンピース」の冒頭部分を漢文の現代語訳風にして(主語述語をきちんと補い、必要な情報を逐一記述する)みました。
みなさん以下を読んでみて下さい。
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「むきっ!」「どんっ!」という効果音とともに、ルフィは目の前の海賊たちに向かって「私は遊び半分なのではありません。その証拠をあなたたちに見せましょう。」と言った。
前にいる海賊のうちの一人が、「それならやってみて下さい。あなたが何をするつもりなのか私は分かりませんが。」と言った。また別の海賊が「またルフィが面白いことを私たちにしています。」と言った。ルフィはそれから「ふん!」という効果音とともに頬にナイフを突き刺した。見ていた海賊たちは「な・・・」と驚いてルフィたちを見ていた。
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いかがですか?全く内容が入ってこないでしょ?(笑)
文法や単語、主述関係に注意して行う逐語訳は、正しさを重視するために、文章の面白さやスピード感が失われてしまいます。
そのため、やたらと説明口調になり、物語としての面白さが失われてしまうのです。
で、話に抑揚がないからどういうストーリーであったかが頭に入ってこない…
こうした欠点を克服するために、僕が『鴻門之会』を説明するときは、あえて細かな部分の間違えには目をつむり、ざっくりと大筋が分かる説明をするようにしています。
毎回これを聞いてくる人が多いので、いっそのこと全てブログにまとめてしまおうと思い、今回は剣の舞いの前半部分、樊噲が出てくる前までの部分をこのエントリをまとめました。
(ストーリーを直感的に理解することを目的として書いたので、細部でわざと間違えている部分や、キャラクターをデフォルメしている部分があります。その点は自覚してやっているのでご理解下さい。)


まずは登場人物とキャラ設定を確認しよう


ストーリーを掴む上で重要になってくるのが、そもそもどんな人物が登場するのかを理解しておくことです。『鴻門之会』には多くの人物(しかも名前が似ている!)が出てきます。
まずはコイツらをしっかりと覚えていきましょう。
登場人物を把握する際に、まずはっきりと頭に入れておかなければならないのは、この話が項王と沛公という二人のボスの争いであるという点です。
その上で、誰がどちらの看方であるのかを正確に把握しておく必要があります。
というわけで、項王VS沛公ということを意識しつつ、登場人物を以下にまとめていきたいと思います。
-沛公軍-
沛公(はいこう):沛公軍のリーダー。頭の回転が速く、人望もアツい。ワンピースで言えばシャンクスタイプ。
張良(ちょうりょう):沛公の名参謀。分析力・状況判断能力に長けていて、常に沛公の危機を救う。昔、今は項王軍に属する項伯を助けたこともあり、二人は敵味方を超えた関係。ワンピースで言えば時には敵も助けるゾロタイプ。
曹無傷(そうむしょう):項王と沛公の間に仲たがいを生じさせた張本人。リーダーを見限れば裏切りも辞さない、ワンピースで言えば「雨のシリュウ」タイプ。因みに「鴻門之会」のエピソードの後に処刑される。
樊噲(はんかい):男気溢れる沛公軍の切り込み隊長。野蛮な印象もあるが、リーダーのために単身で乗り込んだり、勢いよく啖呵を切って項王とやりとりをするアツい男。熱血で猛進するタイプだが、以外に周囲もみているルフィタイプ。

-項王軍-
項王(こうおう):項王軍のリーダー。卑怯なことが嫌いで、何事にも正々堂々と向かいたい、王道の王様タイプ。樊噲のような血の気の多い、男が嫌いじゃない。死の間際に、自分を裏切って殺そうとしたかつての部下にまで情けをかける男の中の男。白ひげタイプ。
項伯(こうはく):項王が絶大な信頼を置いている部下。今回の席を設けたのも項伯のおかげ。今は沛公軍にいる張良に助けられたことに恩義を感じており、項荘に殺されそうになる沛公を助ける。信頼が置けて義理に厚い、ワンピースでいえばジンベエみたいなタイプです。
范増(はんぞう):項王軍の名参謀。作中では何度も項王に「沛公をここで殺せ」と合図を送ったり、項荘に剣舞に乗じて沛公を殺させようとしたりして、ずるい奴のように映るけれど、それらは全て項王を思ってのこと。憎まれ役を買ってでも大切な者を守ろうとするサンジの恩人オーナーゼフタイプ。
項荘(こうそう):范増の説得に納得して、剣の舞で沛公に近づき殺そうとする実行犯。言われたことを忠実に守るバーロソミュークマタイプ。

という、登場人物のイメージを踏まえて、あらすじを掴んでいこうと思ったのですが、文字数がだいぶ多くなってしまったので、続きは次回にします。
まずは登場人物を整理して頂けたらと思います!

 

アイキャッチは金玉袋を取られてでも史実を後世に伝えようとした司馬遷史記について。

司馬遷―史記の世界 (講談社文芸文庫)

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