僕の最近のお気に入りメディアのひとつ、ニコニコ動画を運営しているニワンゴさんについてです。
ニワンゴの戦略を追っていると、フリーミアムモデルのケーススタディとして、むっちゃ面白いんですよね。
フリーミアムモデルっていうのんは、ニコニコ動画やDropbox等にみられるビジネスモデルの事。
多くのユーザーにはサービスを無料で提供し、その中の更に拡張して使用したい一部のユーザーが課金してもらいます。
その課金で収益を上げるビジネスモデルが、フリーミアムモデルと言われるものです。
広義の意味で捉えるならば、コンビニの週刊誌とかもこのモデルですよね。
多くの人がコンビニで無料(立ち読み)でコンテンツを手に入れる。
気に入った一部の人が雑誌を購入(または後に出るマンガや小説の単行本を購入)する事で成り立ってるのがあの業界。
ネットメディアを始め、結構多くのサービスがこのモデルだったりします。
因みに、ニコ動の話をすると、競合としてYouTubeの名前がよく上がってきますが、ビジネスモデル的にみると、実はニコ動とYouTubeでは全然違っていたりします(まあコンセプトも強みも実は全く違うのですが、、、その辺は今度書こうかと思います。)。
ニコニコ動画は上で言った通り、フリーミアムモデルで運営されています。
一方でYouTubeは主な収益は広告です。
基本的には企業がスポンサーとなって広告を打つ事で利益をあげているサービスです。
その点でニコ動とは全く違います。
ニコ動が週刊誌だとしたら、YouTubeはバカでかいフリーペーパーみたいな。。。
話がそれたのでフリーミアムモデルの話題に戻します。
このモデルのいいところは、今はお金を落としていなくても、将来的に客になる可能性がある人々が沢山ついているところです。
ニコ動なんてまさに、そういう多くの無料ユーザーがコメント機能などを使って盛り上げてくれるおかげであそこまで普及しています。
一方、弱点はいかに無料ユーザーから有料ユーザーへとユーザーをシフトさせていくかがかなり大変なポイントであるという事です。
多分ニワンゴって、今ココで悩んでいるんですよね。
基本的にニコ動のメインユーザーって10代~20代です。
で、問題はコイツら金持ってないってことと、無料で手にはいるコンテンツに金払おうとしないっていうこと(笑)
僕も含めてそうなんですが、この世代って小さい頃からインターネットがあって、音楽でもアニメでも手に入れようと思ったら無料で手にはいってしまう世代なんですよね。
だからいいコンテンツから得た価値の対価としてお金を払うっていう概念がそもそも薄い。
そこに落ちてるものになんで金払うの?みたいな感覚だとおもうんです。
こうした点をみると、20代がメインユーザーのニコ動はちょっとキツい。
中々有料会員の比率が上がらなくなります。
で、去年の夏くらいにあった運営の方針転換らしいです。
岡田斗司夫さん曰く、言論やビジネス系の公式枠を増やすことで、課金しやすいユーザーを増やして行くとのこと。
つまり、フリーとプレミアムの比率が高くなりやすい層を新規ユーザーとして取り込んで行くのが狙いということです。
実際にビジネス系のいいコンテンツがあったら、ビジネスマンなら結構簡単に課金すると思います。
実際に僕も堀江貴文さんと夏野剛さんと岡田斗司夫さんのブロマガは有料登録してますもん(笑)
(メルマガはもちろんなんですが、ここら辺の人の動画コンテンツがありがたい!)
まあ週刊誌3冊分+動画での対談コンテンツで月2000円弱ならそういうの求めてる人にとっては安いですからね。
こんな風にメインターゲットを変更してきているニワンゴの戦略をみて、いよいよ次の展開に入っているんだなって印象をつけました。
つまり、認知重視の戦略から、本格的にターゲットを広い層に拡大しようとしている事がわかります。
動画以外にメルマガやったりE-pub(電子書籍)やったり、もちろんボーカロイドのコンテンツもあったりというニワンゴさん。
個人的には、二ワンゴって巨大なメディアの総合プラットホーム化を狙ってるんじゃないかなって思ってます。
クリエーターやジャーナリストが個人で投稿したい物があったら自由に投稿できて、受け手もそれらに自由に閲覧して気に入ったら課金みたいな。
ニコニコ新聞オンラインとか名打って、BLOGOS的なサービス作ったり、アニメやゲームクリエーターの発表&資金調達の場とか作りそう。
無料で広がって行き、なくてはならないサービスになる。
そこで少しずつ無料会員と有料会員の比率を変えていく。
プラットホーム化と有料会員化が、フリーミアムモデルの進む先なように思います。