新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



CD売り上げが1万枚を切ると一曲にかけられる予算は100万円以下!?

この前ふとオリコンCD売り上げランキングを見てみたら、10位くらいの所ですでに売り上げ枚数が1万枚を割っていて驚きました。
と同時に、最近のヒャダインさんや中田ヤスタカさんのような自宅で完結するタイプの音楽が注目を集めている理由について、妙に納得をしました。

CD売り上げを見て真っ先に考えたことは、一曲あたりにかけることのできる費用の計算でした。
ここでは計算しやすくするためにCD一枚を仮に1000円であると定めます。
オリコンランキングで10位前後の販売が1万枚であるとして、そこでの売り上げは1000万円ということになります。
アーティストの印税が1割、CDや歌詞カード、ジャケット諸々の費用が1枚あたり200程度とすると、物理的なコストを除いて残るお金は700円×1万枚で700万円ということになります。
シングルの表題曲に力を入れている場合が多いですが、ここではカップリングも表題曲も等しく手間をかけていると仮定します。
3曲入っているとすると、一曲あたりにかけられる予算は700万÷3曲でおよそ230万円となります。
5ピースのバンドとして、彼らに最低限の給与を保証するとします。
シングルはせいぜい3ヶ月に1枚なので、一人当たり月10万円の基本給を保証するとしたら10万円×5人×3ヶ月で150万円となります。
残るのは80万円。
そこからスタジオ代や録音代といった諸経費を除いたお金で雇うことのできるアレンジャーやスタジオミュージシャンの数を考えるとだいたいの規模感がわかるような気がします。
仮にストリングスを重点的に入れたいと思ってオーケストラをバックに頼んだら、下手をするとそれだけで予算がとんでしまいます。
こういった事情から、昔のように色々な楽器の生音をバンバン重ねるようなバントが減ってきつつあるのかなあと思いました。

僕は中田ヤスタカさんやヒャダインさんの曲も大好きなのですが、彼らが多くの音楽制作に引っ張りだこな原因のひとつは、予算のやりくりに悩むサプライサイドの低コストによるCD制作の需要も大きなように思います。
もちろん、一人の人が音を重ねて作っていく音楽の良さもあると思いますが、反面で大きな予算をかけて一流のミュージシャンがスタジオで音を重ねて作っていくような音楽が減りつつあるのは、少し残念にも思います。
やっぱり、電子音のストリングスよりも生のバイオリンが幾つも重なっている音の方が迫力がありますし、パーカッションの音もパソコン画面で付け加えた効果音では出せない良さがあると思います。
当然CDの売り上げが減っている代わりにダウンロード売り上げが伸びていたり、ライブで回収しているというスタイルに変化しているでしょうから、CDの売り上げが減ったから楽曲にかけられるお金が減ったというのは少し短絡的な言い方かもしれません。
ただ、全体として以前ほどお金をかけた音楽を作ることが難しくなっているのは事実だと思います。
ランキングトップ10に入って1万枚を切るくらいの売り上げ。
話としては知っていましたが、ランキングを見て改めて音楽業界の変化を実感しました。