薄口コラム

前のブログから合わせてかれこれ15年近く書きつづけているライフログ


国語の“答え探し”では通用しない!2024年立命館中学の問題に見る、考える力の重要性

立命館中学2024年度国語の良問分析|「話が浅い人・深い人」から考える“思考力”の育て方

 

近年の中学入試では、「答えを探す力」よりも「考える力」を問う問題が増えています。
今回はその好例として、立命館中学校の2024年度国語の入試問題を紹介します。
出典は、斎藤孝さんの著書『いつも話が浅い人、なぜか話が深い人』。
この一篇から、話す力・考える力・そして国語の学びの本質を考えてみましょう。


「話が深い人」とはどんな人か?

 

斎藤さんは、同じように流暢に話す人の中でも「浅い話」をする人と「深い話」をする人がいると指摘します。
その違いを生むのは、物事の本質をとらえる力です。

深い話ができる人は、日々の経験の中から本質を見抜き、それを抽象的なレベルに引き上げることができます。
そして、具体的な事例と本質的な視点を往復しながら話を展開できる。
そうすることで、自然と聞き手に「深み」を感じさせるのです。


思考を深める鍵は「芸術に触れること」


斎藤さんはさらに、「本質をとらえる力を身につけるには、思考を深めることが必要だ」と述べます。
そのための手段として挙げているのが、芸術に触れることです。

たとえば、美術館で抽象画を前にしたとき、すぐには意味がわからなくても「これは何を表しているのだろう?」と考える。
そうした思索の時間が、思考の深さを育てる訓練になるというのです。

私自身も美術館を訪れるたびに、作品の意図を考えながら鑑賞することがあります。
最初はわからなかった作品ほど、考えていくうちに新しい発見があります。
この「わからないものと向き合う姿勢」こそ、まさに入試で求められている“思考の深さ”につながるのだと思います。


記述力を試す、立命館中の「良問」


この文章が出題された立命館中の問題も、非常に印象的でした。
特に、「防線部を自分の言葉で言い換えなさい」という記述問題。
これは本文の言い換えを探す“答え探し型”ではなく、自分の言葉で再構築する力を試す問題でした。

多くの受験生が、「国語は本文中の答えを探せばいい」と考えがちですが、
この問題では、単なるテクニックでは太刀打ちできません。
まさに、「読解」と「思考」の両方が試される、真の意味での考える国語です。


「テクニックでは解けない」問題が増えている理由


ここ数年、入試問題の傾向として、
「本文に忠実に向き合い、自分の頭で考え抜く力」を問う出題が増えています。
いわゆる“解法テクニック”に頼るだけでは、正答できないタイプの問題です。

これは、受験産業の中で“型”が広まりすぎたことへの、出題者からのカウンターでもあります。
問題作成者たちは、「表面的な読解力ではなく、思考の本質を問いたい」と考えているのです。

立命館中学校の問題にも、そうした明確な意図を感じます。
「考える力を持った子どもを育てたい」という教育理念が、問題そのものに現れているように感じました。


まとめ:入試を通して“思考すること”を学ぶ


今回紹介した立命館中学校の2024年度国語の入試問題は、
単なる読解問題にとどまらず、**「思考することの意味」**を教えてくれるものでした。

斎藤孝さんの言う「話の深さ」は、日常の中で物事の本質を見抜こうとする姿勢から生まれます。
そして、その姿勢を育てるのが、まさにこのような入試問題なのです。

次回は、他校の「テクニックでは解けない国語の問題」を取り上げ、
さらに“考える国語”のトレンドを掘り下げていきたいと思います。