この前久しぶりにマクドナルドに行ったら、デカデカと掲げてあった「昼マック」の旗。
あまり興味はなかったのですが、改めて「昼マック」というキャンペーンは下策ではないかと思ってしまいました。
僕は「朝マック」というキャンペーンは本当に上手い売り出し方だと思っています。
なぜなら、今までなかった消費者の潜在的なニーズを開拓しているから。
おそらく朝マックが流行るまで外食といえば当然のようにお昼か夜に行くものであって、朝から外食するという生活スタイルはほとんど存在していなかったように思います。
朝が早いサラリーマンの方が家でご飯を食べなかったとしても、多くは朝からお店に入るのではなく、コンビニで済ませていた。
朝マックはそんな日本人の生活習慣の中に「朝マック」というキャンペーンを打ち出すことによって、朝から外食するという選択肢を生み出しました。
もともとホテルや喫茶店にはモーニングというものがあったわけですから、そこに対する潜在的なニーズは少なくなかったはずです。
そこをうまく開拓したのが朝マックだと思うのです。
朝マックと比較すると、最近マクドナルドが始めた「昼マック」というキャンペーンの戦略が見えてきません。
どうしてもラべリングしてデカデカと広告を打てば流行が生み出せるだろうというような企画者の意図が透けているように感じてしまうのです。
なんというか、考え方が昭和的みたいな(笑)
たぶん朝マックと同様に昼マックという「文化」を消費者に認知させたら、集客につながるみたいなことを考えて作ったのではないかと思うのですが、朝マックが単なるラべリングではなく、市場の潜在的なニーズを掘り起こしたものであるという視点が抜け落ちているように思うんですよね。
朝マックは朝食で外食を利用するという新たなニーズを切り開いたものですが、昼食の場合はすでに外食で済ませるということは一般的です。
もしかしたらアンケートを取った結果昼食を自宅で済ませるという人が多く、そのアンケートの声に基づいて戦略を考えたのかもしれません。
しかしおそらくお昼に外食しないという人たちの理由は「安く済ませたい」みたいな、選択肢がないから外食しないのではなく、そもそも外食する気がないから外食しないというようなものだと思うのです。
そこにいくら500円前後のセットを売り出したところで響きません。
確かに価格帯で行けば、普通のレストランのランチと比べて安いですが、ワンコインならもっと他の選択肢にあふれています。
いくら「昼マック」という新しいカテゴリを作成しても、その結果期待される消費者の流入はほとんどない気がします。
新たに「お昼の選択肢」としてのカテゴリを生み出そうとするのなら、単に名前を付けるのではなく、具体的なニーズを開拓するようなものが有効です。
これを書いていて僕がぱっと思いついたものはママ友との集まる場として売り出すというものです。
1000円くらいでポテトとナゲット、半分に切った数種類のパイの詰め合わせみたいなセット。
で、ドリンクはカップを持ってきてくれれば飲み放題にする。
飲み放題にしてしまってもお母様がたの場合は家事育児があり、何時間も長居することはありません。
そして、時間を中高生の下校時間よりも前くらいに設定しておけば、安さで何時間も粘る学生のたまり場になることも防げる。
適度につまむものがある上に値段的には競合になるであろうファミレスより安くなるため、けっこう勝算があるように思います。
せっかく「昼マック」と名付けるのだから、そこに「昼マック」にしかない利用方法を付加させてあげることが、重要な戦略であるような気がします。
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最近マックをディスったような記事が続いてしまっていますが、偶然です。
マックが嫌いなわけじゃありません!(笑)