新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



「勝てる」戦を探す力

もともと職場の近くに小さな薬局があったのですが、半年くらい前に近くに大手の薬局ができて、僕はどれくらい持つのか興味があって定期的に様子を見ていたのですが、今日見たらその薬局がつぶれていました。

いろいろと仮説がたったので備忘録を。。。

 

僕が大手薬局ができたときに面白いと思っていた最大の理由は周囲に他の薬局が全くない状態であったということがあります。

薬局という性質上置いている商品は大体同じなので、純粋に個人経営のお店の耐久力の観察ができると思っていたのです。

新しくできた方の薬局はそれほどセールも行っていなかったので、置いてある商品は殆ど同じで、規模は元からあった薬局の倍くらい。

基本的に商品が同じであればシェアはちょうど半分になり、かつ後からできた薬局(面倒なので元からあった薬局をA,後からできたものをBと呼びます)のほうが大きいので、理論的薬局Bのシェア(S)は100≧S≧50ということになります。

元々どれくらいの耐久力があったかは知りませんが、仮に薬局Aの利益の余裕が営業を続けるのに必要な額の倍以上でない限り、理論上絶対に経営が成り立ちません。

反対に薬局Bの場合は、たとえ店として利益を出すためには70%くらいのシェアをとらなければならなかったとしても、薬局Aの経営が成り立たなくなったらそのごシェアが全部取れるわけなので、どれだけ赤字を垂れ流していたとしてもいずれは「勝てる」勝負ということになります。

 

薬局Bができたとき、僕は思考実験として、どういうデータを取れば必ず「勝てる」と判断できるかということを考えていました。

で、もし僕がそこに出店するのなら、①その薬局の売り上げの推定値と②薬局を経営するのにかかる費用の概算値、そして③新しく店舗を置こうとしている貸し店舗の家賃を見るだろうという結論になりました。

大手の薬局であればさまざまな地域ごとの客単価みたいなデータを持っているはず。

あとは誰かがこっそり薬局Aの利用者数を数えればかなりの精度の売り上げ推定値が立つはずです。

次に、薬局Aを経営するコストですが、こちらも一度お店に出向き店員の数を把握し、不動産屋で隣の店舗の坪当たりの家賃を聞けば、こちらもかなりの精度で分かります。

そして①と②があれば薬局の余剰利益の概算も立ちます。

仮にその数値が運転費用の200%に達していなければ、先に書いたシェアの観点から費用を投入し続けさえすればいつかはそのお店を潰すことができるため、薬局Aの売り上げ推定値が薬局Bを運転するにあたり必要な費用を僅かでも超えていた場合、絶対に「勝てる」勝負といえるでしょう。

 

もちろんBは大手の薬局なので、専門のマーケッターがもっとずっと精緻な理論に基づいて「勝てる」と考えたからこそ出店したのだとは思いますが、そんな専門家でなく、素人目にも「勝てる」という計算が立ちます。

 

「勝てる」という計算は、僕がここ最近非常に興味を持っているテーマだったりします。

僕が「勝てる」と考えるのは大きく2種類で、一つは上に書いたように時間経過により相手に勝てるというパターン。

そしてもう一つが確率>50%の事象をひたすら繰り返すというパターン。

仮に得られる報酬が一回あたり0.1で、勝てる確率が51%であったとして、一回あたりの勝ちが小さいとして(あるいは時に負けが続くとしても)、1万回試行すれば([0.1報酬×10000回×51/100]-[0.1報酬×10000回×49/100])で20のプラスになるというように絶対に勝てます。

これがもう一つの僕が好きなパターン。

大きく勝てる事象は中々存在しませんが、非常に勝ち幅の薄い事象なら案外世の中に溢れています。

それをひとつひとつ収集しておくことで、長期的に見たときに、「何故か勝っている」と見えるような戦略になると思うのです。

 

理屈で「勝てるところ」を探して、ひたすらに気付かれないように差を積み上げていく。

これがここ最近、僕が特に意識している戦略だったりします。

 

久しぶりに書いたら文章がむちゃくちゃヘタクソになってしまった(笑)

 

アイキャッチは最近の大当たり「確率思考の戦略論」

 

確率思考の戦略論  USJでも実証された数学マーケティングの力

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