新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



大学と就活を利用して軍隊をつくる

今後日本は擬似的な軍隊と、安い労働力を生み出す流れになるのではないか?
まだ頭の中でバラバラに浮かんでいるだけで、全く形になっていないのですが、最近僕が考えていることです。
現在、大学の二極化が進んでいます。
上位の有名大学は相変わらずの人気で、それ以外はどんどん志願者が減っている。
僕は作りすぎた大学の多くはかつての人口増加に大きな原因があると思いますが、それ以上に大学に行けばいい企業に就職できるという、一般世帯に普及した就活のパスポート取得的な需要が増大したことが1番の原因であるように考えています。
つまり、多くの大学に子供を入れる親御さんにとって、[大学4年間の学費>就活で資格としての価値]だった。
学問としての大学ではなく、ブランドとしての大学を求めていたように思います。
右肩上がり、売り手市場の就活現場ならば「大学」という言葉にブランドとしての価値がありましたが、現在は大卒が一般的になり、「大学」という言葉の価値が相対的に減っています。
その結果有名大学というブランドに人が集まるようになり、今の二極化が起こった。
もちろん高い目標を持って大学に行く人もいると思いますが、現実は多くの人がこんな感覚であるような気がします。

僕が考えているのは、ブランドとしての価値しか大学に見出していない層は、大学よりもコスパがよくて(学費が安くて)、就活に優位に働く新たな装置が生まれたら、大部分がそちらに流れるのではないかということ。
こうした国民側のニーズと、今の政策や議論に上がっている物を合わせて、ぼんやり僕の目に見えてくるのが、低賃金の労働力養成学校と擬似徴兵制度です。
企業が新卒で高学歴の人を採用する最大の理由は、「あたりまえのことができる」からです。
最低限勉強して、最低限言われたことを守るという習慣が身についている。
理系の学生で専門的な学びをしてきた人は別として、文型学生に求めるものは大学での学びではなく大学に入る過程で身についている「従順さ」であるというのが本音のところな気がします。
で、あるならば企業のそうしたニーズを満たす「大学」を作り、国民側にはいわゆるFランクの大学(この言い方嫌いですが)に行くよりも就活に有利と宣伝すれば、装置として稼働します。
たとえばそれを「自衛隊インターン」みたいな名目にする。
四年間の自衛隊へのインターンをすれば大学卒業並みの資格が取得できるみたいにすれば、擬似徴兵制のようなシステムが出来上がります。
企業にとっても、そこらの大学で遊びほうけた学生より、自衛隊で上下関係や根性を鍛えられた学生の方が需要があるはず。
そうなると国民と企業の両方にインセンティブがある装置になるように思うのです。
これが一つ目に考える擬似徴兵制です。


もうひとつは低賃金の労働力養成学校。
奨学金制度は本来、優秀な学生に向けた援助です。
一部の非常に優秀だけれど金銭的に苦しい人の才能を拾うというのが本来のこの制度の考え方。
日本学生支援機構奨学金を見ると、その取得条件は非常に用意です。
奨学金の滞納問題の最大の原因は取得のハードルが低すぎることにあると思っています。
かといって奨学金制度を廃止するなんてことは言えません。
ここからは論理が飛躍してしまいますが、僕は奨学金制度は2種類に分かれていくと思っています。
ひとつがL型大学向けの返済義務がない或いは負担の小さい奨学金で、もうひとつがG型大学向けの返済義務の重い奨学金といった具合です。
G型、L型というのは、増えすぎた大学を一部のグローバルエリートを生み出すG型大学と就職してすぐに役立つ技能に特化して知識を伝えるL型大学に分けたらどうかという議論のこと。
反対の声が多いですが、流れとしては徐々にそちらの方向に向いていくのではないかと思います。
僕が考えるL型の奨学金とは、負担が少ない代わりに就職先がある程度決まってくるというものです。
L型大学の奨学金には、安い単純労働をする人材が欲しい企業がスポンサーとしてつく。
学生は返済義務のない代わりに、卒業後はスポンサー企業に就職するという構造です。
内田樹さんが以前ラジオで言っていたのですが、日本の労働力は海外の企業にとっても非常に魅力的です。
基本的な知識(電気をつけるとか文字を読むとかのレベル)が非常に高い上に積極的に働く。
ネックとなるのは高すぎる賃金です。
もし途上国並みに賃金が安くなれば、世界中の企業が労働力を求めて日本にやってくるように思います。
これが最大の経済政策になる。
L型大学で専門的な技能を学び、付加価値の高い(そして安価な)労働力を大量に作り出す。
そして、それを企業がスポンサードして支える。
先に大学を就活のコスパで考える人にとって[大学4年間の学費>就活で資格としての価値]となっていると言いましたが、奨学金などの制度でL型の大学が[大学4年間の学費<就活で資格としての価値]となれば、そこに行こうと考える人も少なくないように思います。
高い学費を払っていい企業に行ける可能性はあるが行けないかもしれないというリスクもあるG型大学より、多少賃金は安くなるかもしれないけれど確実に就職でき、さらに学費負担が非常に軽いL型大学を選ぶという人も増えてくるように思うのです。


これらの意見は全く論理的でもない僕の妄想であり、突飛な考えであることは承知しています。
ただ、国内を見るとこれから人口が減っていき昔の様な大きな経済成長は見込めず、海外に目を向けると途上国が先進国に追いついてきている現状をみると、そんな「妄想」も可能性の一つとしてはあり得るように思うのです。
一部のエリート教育と、大多数の市民教育とでも言うL型大学と自衛隊インターン
将来の大学制度はこの3分類になる可能性もあるのではないでしょうか。
広げすぎた大風呂敷を、あえてたたまずにおしまいにしたいと思います。


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