新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



一日店長のお店の出店アイデアと企画会議が盛り上がる理想のパーティの作り方

僕は何かしらお題を与えられて、それに対して考える事がとても好きで、飲み会のときは大体相手からもらった「お題」に対して考えるみたいな事をしています。

ありがたいことに昨年の25日から8日まで、ほぼ毎日誰かしらと飲んでいて(肝臓がヤバイ)、そこでむちゃくちゃ色々な「お題」をもらいました。

その中で特に面白いなと思ったのが、日替わり店長のお店に出店する際のアイデア作りです。

 

僕の知り合いの何人かが、しばしば日替わり店長をできるお店に出店をしているのですが、そこで何をするかということに対するアイデアの出し方を聞いて、非常に面白いなと思いました。

「日替わり店長」という話を聞いた時に僕が最初に考えたのは「一日だけしか出店しない」が武器になるアイデアとは何か?です。

「日替わり」であるのなら、それほどリピーターは期待できず(店のファンは除く)そもそも素人の出店と考えたらクオリティも期待できません。

だったらそれらの要素を逆に利用すれば差別化になるのではないかと思ったのです。

例えば素人が料理の味で勝負しようとすればその先には本業でしのぎを削るプロたちが競争相手に待っています。

一方、リピーターやお店の収支を考えたら、原価率などを考えなければいけません。

こういった部分は「普通のお店」であれば絶対に意識しないといけないところです。

逆に言えば、ここを取っ払ってしまった勝負の仕方を考えれば、面白いコンセプトのお店を出店することができるのではないかと思ったのです。

 

そんな仮説を立てながら僕がふと思いついたのは、世界中にある餃子のような料理を集めたお店と、日本中のご当地練り物を集めたおでん屋さんです。

1つ目の世界中にある餃子のような料理を集めたお店というのは、ロシアのペリメニ、ネパールのモモ、トルコのマンティといったように、調理工程が餃子と類似した料理を世界中から集めてきて、それだけを提供するお店です。

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(ロシア料理「ペリメニ」)

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(ネパール料理「モモ」)

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(トルコ料理「マンティ」)

 

スペイン料理のお店やロシア料理のお店ならありますが、世界の料理を「餃子」で因数分解したお店は見当たりません。

というか、メニューが「餃子」だけでは何度も来たいとは思えず、リピーターを付けようとするのは困難です。

だから、「一日だけの出店だから成立する」に該当します。

また、「美味しい餃子」で勝負した場合は食べる側が味を知っているので料理の腕を比較されてしまいますが、ペリメニやモモにならそもそも殆どの人が食べたことがありません。

だから、「こんな感じの料理なんだ」とう発見さえお客さんに提供できれば、それが満足度になる(あくまで商品として提供しているのは世界中の面白い料理を知るという経験価値です。)。

ということで、素人の料理であるという点もクリアできます。

 

もう1つの日本中のご当地練り物を集めたおでん屋さんというのも同じような発想法です。

例えば静岡の黒はんぺん、宇和島のじゃこ天、津軽の大角天みたいなものが食べられるみたいなイメージ。

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(静岡「黒はんぺん」)

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(宇和島「じゃこ天」)

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(青森「大角天」)

ご当地おでんをやっているお店はあっても、ご当地おでんだけを集めた天下一武道会みたいなおでんをやっているお店はなかなかありません。

というか普通に毎日人を呼び込まなければいけないお店では、コストがかさむわりに出オチ感が強く(=リピーターが見込めず)できないはず。

やっぱり「一日だけ」だから成立するコンセプトです。

また、最悪スープの素を買ってくれば最低限のクオリティが確保できるため素人の料理という部分もクリアできます。

 

というわけで年末年始はこんなことを考えながら飲んでいたわけですが、別に僕が書きたかったのはこのアイデア自体ではありません。

そうではなくて、アイデアが生まれやすい土壌っていうのがあるよねというお話。

色々な人が出すアイデアを聞いていて、僕はある人が生み出すアイデアの出し方は大きく①自分がやって見たい②需要がある③使える要素から考える④必要性から作り出すの4つに分類できるように思いました。

①のアイデアの出し方はあくまで自分の欲求ベースで、自分はこんなことをしたい!だからやる!というタイプのアイデア出しです。

ジョブズなんかがこのタイプ。

②は何かのアイデアを作るとき、まずは市場調査をするタイプです。

コンサルタントをしている人たちに多い気がします。

③は先ず自分たちが持っている要素を見て、その武器の活かし方を考えようとするアイデアの出し方。

多分Dr.ストーンやアイシールド21を書いている漫画家の稲垣理一郎さんはこのタイプ。

そして最後④はこれが必要なんだからしなければならないという、必要性から考えるタイプです。

①と似ていますが原動力が外に向いている点が異なります。

 

①〜④のいずれが優れていて、いずれかが劣っているというわけではありません。

そうではなく、同じタイプの人が集まっても突飛なアイデアは生まれないし、議論の場で面白いアイデアを出したいのならば4つのカテゴリーを得意分野にする人が集まった方がいいよねというお話。

同じカテゴリーの考え方の人でも当然生み出す発想は違いますが、根本的な思考のベクトルが近いので、それを混ぜても突飛な色は生まれません。

同じベクトルの人同士の集まりは変な色は生まれづらいですが、人を感動されるものも生まれません。

マゼンダブルーとネイビーを混ぜるみたいな感じ(笑)

 たしかにどう転んでも汚くはならないだろうけれど、生まれる色は予想できてしまいます。

しかし、そこでショッキングピンクを持った人が入ってきたらどんな色になるかは分かりません。

もしかしたらドブ川みたいなものになるかもしれませんし、思いもよらなかった艶やかな紫が生まれるかもしれません。

イデア出しって、こういう幅があることが重要だと思うのです。

だから、企画やアイデアを練る時には、上の4系統を集めることがいいんじゃないかと思います。

 

アイキャッチ稲垣理一郎先生のDr.ストーン