新・薄口コラム(@Nuts_aki)

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King Gnu「SPECIALZ」プチ考察〜多用されるスラングに見るアニメとの共通点〜

アニメ『呪術廻戦』第2期のオープニングテーマとして書き下ろされたKing Gnuの「SPECIALZ」。
曲全体から漂う混沌としたイメージでKing Gnuらしさ全開の一曲です。
さて、そんな聞いた人に強烈なインパクトを与えるこの曲ですが、歌詞を見ていくと英語のスラングが多用されることに目が止まります。
まずタイトルがSPECIAL"Z"であることから始まって、U R MY SPECIAL(YOU ARE MY SPECIAL)と表記してみたりi luv u 6a6y(i love you baby)としてみたり。
また英語のスラング以外にも氣裸氣裸血走ります(キラキラ血走ります)と言った日本語の当て字も登場します。
こうしたスラングや言葉遊びを織り交ぜながら作られた歌詞の中でも取り分け目を引くのが次の箇所でしょう。
"get 1○st iπ 31"
ここはスラングではなく作詞者の言葉遊びで完全なる造語なわけですが、正確な英語に書き換えるならば"get lost in me"で、直訳すると「私は自分の中で迷ってしまった」となります。
ここでは「自分を見失ってしまった」くらいに意訳するのがいいでしょう。
ちょうどこれは呪術廻戦における、圧倒的な強さゆえに周りに壁を作って「最強」になった五条悟にも、自分の信念を持って悪の道に堕ちた末に羂索に身体を奪われた夏油傑にも重なります。
実際にここの言葉遊びはget 1○→夏油(ゲトー)、五条悟の無下限呪術を示すかのように使われる無限小数のπ、そして2期の作中で最大の事件である渋谷事変が起きた10月31日を表すような1○と31があることで、彼らを暗に示しています。
たった一行の言葉遊びでアニメの中で起こる出来事、そしてそうならざるを得なかった二人の内面を表現しきるところがKing Gnuの神がかり的なうまさだなあと感じます。
今回は言葉遊びの部分を中心に見てきましたがそういった部分を抜きにしても曲としてかっこいい「SPECIALZ」。
本誌では残り3話で完結とのことです。
この曲を聴きながら世界観に没入して最後まで楽しみたいところです。

 

アイキャッチはもちろんKing Gnu