新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



自分のやりたい事を伝えるのがとにかく苦手な人への処方箋

僕は何でもかんでも分析したりジャンル分けしたり説明することが大好きだったりするのですが、反面自分の事には興味がなく、自分の「好き」や「おもろい」を人に伝えたり、自分のやってきたことを言語化したりといったことが非常に苦手だったりします。

なんというか、観察対象として自分に興味がないのです。

 

そんなわけで就活の時には非常に苦労した記憶があります。

いやっ、就活を終えた後、フリーで働き始めたときも、NPOで活動に賛同してくれる支持者の方や採用面接をするときなども「自分について語る」ことが苦手でした。

 

そんな僕でも、(一応は)社会人をしてそこそこ経験を積む中で、少しは自分語りができるようになりました。

(これは克服したとかではなく、数こなすうちに勝手に馴れたというのが近いです)

 

僕がこれまでにやってきたことのうち、うまく続いたもの、逆にうまく続かなかったものを元にその違いを出すと、根っこにある価値基準は「知りたい」にあるように思いました。

入試問題でも所属する社会でもなんでもいいのですが、仕組みや全体像など、何かしら目の前の事象に「知りたい」という気持ちが働くと、僕は自分らしく立ち回ることができるみたいです。

さて、こう書いておいて何ですが、自分の行動の源泉が「知りたい」にあることはだいぶ前から自覚しています。

ただ、だからといってその「知りたい」をそのまま伝えた所で、1ミリも相手に伝わらないわけです。

どんなにその「知りたい」欲求を語っても、「で、あなたは何をしたい人なの?」と言われたり、「やる気が見えない」なんて言われたりする(笑)

(同じタイプの人なら絶対にこういう経験あると思います)

僕たちみたいなタイプの人が相手に熱量を伝えるには、「知りたい」をもっと言語化する必要があるようです。

 

僕の「知りたい」という欲求から始まった活動を見ていくと、そこには①集めたい(分析・収集)、②やってみたい(経験・公式化)、③広めたい(拡散)のフェーズがあったように思います。

まず興味を持つと、とにかくそれに関連するものを集めて分析してみたくなる。

これが①のフェーズです。

それがある程度行くと、今度は実際に自分が作り手の側になってみたいという欲求が生じてくるわけです。

このフェーズが②。

さらに(これは最近になって気づいたのですが)②のフェーズも終わると、こんな公式を見つけたんだ、こんな法則があるんだということを周囲に発信したくなります。

これが最後の③のフェーズです。

僕の「知りたい」欲求は、好奇心から派生して、①集めたい→②やってみたい→③広めたいと進化していくイメージなのです。

 

こんな風に自分の欲求について3つのフェーズに分けてきたわけですが、僕が今回のエントリで指摘したいのは、自分語りをする際に「知りたい」というはフェーズ②以降(できれば③)でなければ他者の共感を得られないという所です。

これまで何度も①のフェーズの説明を熱心に、事細かにしてきたのですが、全く相手には響きませんでした。

「知りたい」というのが欲求の根っこにない人にとっては、集めることそれ自体は欲求の中心にはなりづらいわけです。

例えばトレーディングカードとかで、みんなと遊びたいとか友達に勝ちたいという感情には共感されやすいのに比べて、カードを集めることそれ自体が好きという感覚は理解されづらいものです。

だから自分の「知りたい」って気持ちを相手に伝えようとしたらきちんと味付けをしなければならない。

それが、②やってみたい、③広めたいというフェーズで語るということなのです。

 

②やってみたいというフェーズで楽しんでいることはネタになります。

そこで得られた経験や知識は、他の人が知らないものなので聞いていて楽しいわけです。

そして、その話の深さや独自性みたいなものがあると、それらを通して相手に「熱量」が伝わります。

逆に言えば、ただ体験した程度では相手に熱量を伝えるまでは至りません。

(これが、上で「できれば③」と書いた意味です。)

例えば僕はブログを書いたり、作曲をしたり、農業をしたりとしているのですが、これらはやっていたら嫌でも「ならでは」のエピソードが出てきます。

そういったエピソードを次々に語れば、自然と「この人は好きでやっているんだな」というのが伝わるわけです。

そこで、「こういったことを『知る』ことが好きなんです」と伝えれば、普段は伝わりづらい、「知りたい」という欲求が相手に伝わります。

②のフェーズでは、エピソードを集めることで相手に自分の熱量を伝えることができるのです。

 

普通相手になかなか伝わらない「知りたい」という熱量を伝える方法としてもっとも有効なのが③の伝えたいフェーズで物事にのめり込んでいる場合です。

「知りたい」という欲求の発露から集めてみたいと思いコレクションを始め、そのうちにやってみたくなり、そして一定までいくと、それを人に広めたいというようになります。

この欲求までくると明確に相手に価値が出てきます。

③の広めたいというレイヤーで楽しめていると、変に言語化したりエピソードを用意しておく必要もありません。

ただ自分の言葉で話すだけでそれが広報になる。

僕の場合だったらそれが教育だったりします。

国語の入試問題ってこんなに素敵なんだよっていうのを伝えたくて仕方がない。

(昔付き合っていた子に酔っ払って桜蔭中の入試問題を引っ張り出してきていかに凄いかを語って軽く引かれたくらい...笑)

 

知りたいが欲求のベースにある人はとにかく自分語りが苦手で、「あなたは何がやりたいの?」なんて質問をされると困ってしまいます。

もしこんな質問に困っている人は「あなたは何がやりたいの?」という質問を、「あなたの広めたいものは何?」と変換してみてください。

そして、その「広めたい」ものの何がそんなに広めたいのかを考えて見てください。

恐らくそれがあなたにとっての「自分語り」です。

少なくとも僕はこういうやり方にすることで、仕事の場や初対面の自己紹介の時に「自分のやりたいこと」なるものを答えることに悩むことは無くなりました。

 

 

アイキャッチは僕の大好きな漫画の1つ。

結界を人との境界、内にこもる気持ちとして読んだとき、たぶん「知りたい」欲求の人はハマると思います。

結界師(1) (少年サンデーコミックス)