玉置浩二さんがKinKi Kidsのために書き下ろした「むくのはね」。
KinKi Kidsが司会を務める番組「堂本兄弟」に玉置浩二さんがゲストとして出演した際、即興でメロディが作られた瞬間の衝撃を覚えている人も少なくないのではないでしょうか?
「マイナー(コード)もいいけどあえてメジャー(コード)でいってみようか」
『硝子の少年』に始まり、『ボクの背中には羽がある』『スワンソング』など、マイナーコードの儚さ漂う名曲をたくさん持つKinKi Kidsにあえてメジャーコードで始まるという玉木さんの粋な計らい。
その後2ヶ月ほどかけて書いたというこの曲の歌詞は玉置浩二さんがKinKi Kidsの足跡を思いながら書いたのだそうです。
その曲のタイトルが『むくのはね』。
KinKi Kidsで「はね」と聞いてまず思い浮かぶのは『ボクの背中には羽根がある』だと思いますが、二つの中の歌詞を比較するとそこには大きな変化が伺えます。
-ずっと君と生きてくんだね ボクの背中には羽根がある どんな辛い未来が来ても 君を抱いて空も飛べる-
『ボクの背中には羽根がある」では君のことを守ってみせると歌っていたのに対し、『むくのはね』では次のように言っています。
-何年も何十年も 優しい気持ちのまま見つめているよ-
守って上げる存在からずっとそばにいることを違う存在へと変化した羽を持つ主人公の価値観。
これは大人になったKinKi Kidsの二人だからこそ歌える歌詞のように感じます。
もう一つ、「となりにずっといる」というメッセージはどこかKinKi Kidsの二人の関係性に重なります。
若い頃はなんとか頑張ろうと二人で必死に羽ばたいてきた二人が、時を経てずっと隣にいることが一番といえる関係性になった。
そんな二人は昔からずっと変わらず無垢なままである。
この曲からは玉木さんの目から見た二人の関係性が伝わってくるような気がします。
守ることからただ側にいることが愛だと歌う『むくのはね』は二人が歳を重ねるごとにさらに味わいが深まる名曲だと思います。