新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



「間」という概念〜古典から現代まで続く、日本独自の「間」の伝統

「間の取り方」
最近僕が大切にしている概念です。



以前ビートたけしさんの「間抜けの構造」に影響を受けた概念です。

いわゆる「名人」と言われる人たちは、独自の間をもっていらっしゃるということです。


間抜けの構造では政治家、映画、お笑いなどの「間」を取り上げておりました。



間の概念は他の芸事にも通じる物がある様に思います。


僕が好きな「間」をちょっとだけ紹介させて下さい。



柳家小さん師匠の「粗忽長屋
ひとつ目は落語家柳家小さん師匠の「粗忽長屋」です。

粗忽長屋って言うよりは、単純に小さん師匠の間が大好きなのですけども(笑)


とにかく会話と会話の間が綺麗な印象です。


もともとゆっくりとした語り口なのに、その上じっくりと間を置いて話を繋ぐ。


間が置かれる度に頭の中で話の流れが整理される気持ちになって、思わず世界観に引き込まれてしまいます。


はじめはなんとなしに聞いていたのに、気づくと40分が経っていた。


いつも間にか時間の経過を忘れさせてしまう、あの間の置き方はいつ見ても凄いと思います。



二つ目はジムノペティの間

通称クラシック音楽界の「変人」エリックサティの代表作ジムノペティの中の間も凄いと思います。


この曲は全編一番早いテンポでも四分音符で構成されています。

http://www.youtube.com/watch?v=dCl403hKJXk&feature=youtube_gdata_player
まあとにかくゆったりしてる、、、



最小限に抑えた音の配置とリズムの
取り方で聞いててとても心地がいいお気に入りの一曲です。



なんせ極端に音が少ないので、じっくり聞くとペダルの踏み込みの音が聞こえてくる気さえします。


弾くのは簡単だけれども、なまじ音が少ない分弾き込むのは難しい曲であるように思います。


休符の揺れとかペダルの呼吸とか考え出したらキリがない。


昔は幻想即興曲みたいな技術的な難しさに憧れていましたが、今は断然ジムノペティ

テクニックを追い求める所から、曲に流れる空気に意識が行き始めて、初めてよさを知った一曲です。


3つ目はマジシャン前田知洋さんのアンビシャスカード

アンビシャスカードとは、俗に言うエレベータートランプの正式名称です。


あの真ん中に入れたカードが1番上に上がってくるやつ。


セロとかふじいあきらとか色々な人がやっていた多分クロースアップ(テーブル)マジックで1番有名であろうネタなのですが、やっぱり僕は前田さんのが一番だと思います。


話のもって行き方が上手い。


じーっと観客の視線をデックにもって行って目一杯間を持たせた所でパチンと指を弾いて緊張の糸をほどくあの持って行き方は他に見た事がありません。


他のマジシャンのアンビシャスカードを見てるとテンポで押し切っている様でどうも馴染めないんですよね。


他のマジシャンが現象の凄さで驚かせてるのに対して前田さんは現象が起こるまでの一連の空気で観客を驚かせる。


歌舞伎みたいな見せ方です。


僕も真似してやった事があるのですが、とにかく難しかった記憶があります。


前田知洋さんのマジシャンらしからぬ間の取り方は必見です。


他にも外山滋比古さんの読点で作る間に、故中村勘三郎さんの歌舞伎の間。
タップダンサーのヒデボーさんの間の取り方と、独特の間を取る名人が数多くいらっしゃいます。


機会があればまた紹介させて下さい。

間抜けの構造 (新潮新書)

アイキャッチは間抜けの構造

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