僕の研究テーマの一つに「イケメンの研究」というのがありまして、この数年イケメンと呼ばれる人たちの生態を研究しています。
このブログで何度も言っていますが、僕はイケメンが大好きです。
もちろん性的な意味ではなく、彼らの振る舞いやホスピタリティを見ていると本当に学ぶことが多いのです。
「振る舞いやホスピタリティ」という言葉から分かっていただけるかと思いますが、僕がここで言うイケメンとは、ジャニーズやオラオラ系のイケメンや合コンによくいるイケメンと自覚して女遊びに長けた人たちではなく、どちらかと言うと星野源さんやマンガでいうと『君に届け』の風早くんみたいな、無自覚に『イケメン』を振りまいているタイプの人たちです。
彼らと遊んでいると学ぶことが多く、横で見ていて男の立場から見ても「こりゃほれるわ」と思うような場面が多々あるのです。
様々な所作や思考回路まで、紹介したいことは多くありますが、全部を1エントリでまとめることは当然不可能なので、今回は話し方について「研究結果」をまとめていくことにします。
少し前に、Twitterを見ていたら雰囲気イケメンの対義語として「性格ブス」なるパワーワードが流れてきました。
それを見た時、雰囲気イケメンを正確に捉えるには、反対の概念である「性格ブス」も押さえておく必要があるなと思い、それからしばらく身の周りので「性格ブス」を探していました(むっちゃ失礼…)。
で、その結果どちらの振る舞い方もある程度言語化し、またその違いが何によって生じるかもざっくりと考えてみたのが以下の傾向です。
「ほとんどの人は男女問わず… 『自分のこと』で一杯になってる…」「話したいけど聞いてもらえないことが一杯ある…」
マンガ家の山田玲司先生が女性が持てる方法について描いた『モテない女は罪である』という本(タイトルはキツイ表現ですが、中身は顧客視点について描かれていて、女性のモテはもちろん、男性のモテにも、また就活でも社会人の仕事術としてもオススメです!)の中でこう言っています。
僕は「雰囲気イケメン」と「性格ブス」のコミュニケーションの決定的な違いはここにあると思うのです。
「性格ブス」の男の会話は、常に「自分のこと」ばかりで、相手に聞いてもらっているという自覚がありません。
一方で「雰囲気イケメン」は、世の中の人たちが「話したいけど聞いてもらえない」ことをよく知っているから相手の話に耳を傾ける。
(因みに相手の話を聞く余裕ができるのは、イケメンであることによってそうでない人に比べ放っていても人が集まるので、そうでない人に比べて「自分問題」をこじらせていないのが原因だと思います。)
で、さらに「自分問題」という視点からコミュニケーションを分類すると、話の視点を[自分/相手]の2パターン、話しの内容を[ポジティブ/ネガティブ]の2パターン、会話のスタンスを[構って欲しい/与える/引き受ける/引き出す]の4パターンに分けることができます。
その上で、自己中心的なコミュニケーションから他者意識のあるコミュニケーションへと並べていくと以下のようになります。
①自分のネガティブ×構って欲しい
②自分のネガティブ×相手に与える
③相手と自分の会話の割合が5分5分
④自分のポジティブ×相手に与える
⑤相手のネガティブ×引き受ける
⑥相手のネガティブ×引き出す
話の視点(2通り)×話しの内容(2通り)×会話のスタンス(4通り)で本来16通りの会話がありますが、全部の分析をしていると文字数に限界があるので、今回は「性格ブス」「雰囲気イケメン」に関係する6通りでまとめました。
①~⑥がそれぞれ上図のレベル0~レベル5に対応します。
レベル0メンヘラ系①自分のネガティブ×構って欲しい
レベル1マウント系②自分のネガティブ×相手に与える
レベル2ニュートラル③相手と自分の会話の割合が5分5分
レベル3エンターテイナー系④自分のポジティブ×相手に与える
レベル4ホステス系⑤相手のネガティブ×引き受ける
レベル5カウンセラー系⑥相手のネガティブ×引き出す
話し相手にとって一番厄介なのはレベル0のメンヘラ系コミュニケーションです。
ここに該当する人は不機嫌を背負って話し相手の前に現れたり、「どうせ俺なんて…」というような「フォローしなければならない独り言」を言うことで、相手が自分のネガティブに意識を向けることを強制します。
これは僕が男だからかもしれませんが、男性のこの手のコミュニケーションが一番厄介です。
雰囲気イケメンを目ざすのであれば、まずここを脱する必要があるでしょう。
メンヘラコミュニケーションを脱することができたら、次のフェーズはマウント系コミュニケーションです。
世の中の男性に多い(特に「おじさん」と呼ばれるひとたち)ように思います。
ここに該当する人たちは、相手から自分を気にかけて欲しいというそぶりは見せませんが、代わりに相手が自分の話を聞くことを強制します。
また、ネガティブな内容の他に攻撃的なものや自慢も含まれている(僕はそれらも含めて「ネガティブ」と呼んでいますが)ため、聞き手の負担は相当なもの。
こちらから構いに行かなくて言い分メンヘラコミュニケーションよりはコストが少ないですが、相手のネガティブを引き受けることを強制する点で、非常に面倒なコミュニケーションと言えます。
レベル2のニュートラル型コミュニケーションが、いわゆる普通の会話に相当します。
相手の話を聞く分量と自分の話をする分量がほぼ同量で、しっかりと会話のキャッチボールになっている。
平均的な女性はここに属す一方、男性はやや平均より会話が上手い人でなければここに到達しないように思います。
で、ここからが相手に(相対的なものも含めて)プラスを与えるコミュニケーションです。
レベル3になると、話し手自らが面白い話を用意して、その場を盛り上げようとします。
このタイプの人は自分が中心になってはいるけれど、周りを楽しませようということが根底にあるため、一緒にいて周りは楽しく感じます。
(因みに周りを楽しませようという意志を持たずにこれをやっているのはレベル2のマウント系です)
ここに該当するのがエンターテイナー系コミュニケーション。
中学校や高校、ギリ大学生くらいまでの最上位の会話スキルはおそらくレベル3のエンターテイナー系コミュニケーションです。
ここまでできる人は恐らくクラスの人気者だったはず。
しかし、大学生以降になると、これより先のスキルを持っている人がでてきます。
それがレベル4のホステス系コミュニケーションです。
ここにいる人は、相手の話をニコニコしながら聞き、相手が話やすいように必要に応じた合いの手を入れることに長けています。
だから、話をしたいと思っている人は凄く気持ちよく話すことができる。
それがたとえネガティブであってもしっかりと受け止めるのがここにいる人の特徴です。
ここに該当する人は「あの人は私のことをわかってくれる」という印象をもたれがち。
そして、ホステス系コミュニケーションのさらに上に、相手のネガティブを自然に引き出して解消してしまうようなコミュニケーションを取ることができる猛者がいます。
これがレベル5のカウンセラー系コミュニケーションです。
ここに該当する人は相手が話しやすい空気を作るばかりでなく、相手が自然とネガティブを打ち明けられるような雰囲気を作ります。
ここまでくると雰囲気イケメンです。
以上が僕の考える「性格ブス」から「雰囲気イケメン」になるための手順です。
皆さんはどこにいますか?
(因みに僕はせいぜいレベル2か3です…笑)