新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



9月から逆転内定の就活術④〜スペック型の企業分析とキャラクター型の企業分析の違いを知ろう〜

前回は面接の話をしましたが、今回はちょっと趣向を変えて、「企業研究」についてまとめていこうと思います。
極論を言えば、僕は企業研究はそんなにいらないんじゃないのと思っていますが、一方でそもそも企業研究の仕方を知らない人もいるんじゃないかなと思ったり。
「知った上でやらない」のと、「知らなくてできない」では意味合いが異なります。
したがって今回はざっくりと企業分析の方針について書いていきます。


企業を分析する際の二つの視点


企業分析と聞くと、皆さんはどのようなことを思い浮かべるでしょうか?
市場占有率、資本金、業界順位etc…
いろいろ思いつくことはあるかと思いますが、ここでは企業分析の目的をわかりやすくするために、いったん別のものに置き換えて考えてみたいと思います。


いったん好きな人ができたときのことを考えてください。
皆さんは相手に自分の気持ちを伝える際、どういったことを相手にアピールしますか?
仮に自分が相手から言い寄られる立場だったとして、「どこが好きなの?」と聞いたときに、女性だったら顔や胸、男性だったら収入や勤め先をあげられたらどうでしょう?
あんまりいい気分はしなくないですか?
反対に、趣味が近いとか、何気ない他人に対する振る舞いが素敵だとか、内面に紐づく部分をほめられると、自分のことを本当にわかってくれているんだなという気持ちになります。
何かを評価する際の指標には、基本的に外的要因と内的要因があると思うのですが、一般的に好意を伝えられて喜ぶのは内的要因のほうでしょう。
外的要因ばかりをほめられても、「スペックに惹かれたんだな」とか「何もわかっていないんだな」と思われてしまいます。
これは企業であっても基本的には同じで、「御社のことを熱心に調べました」とか言われたわりにその内容が四季報や企業サイトをみたら書いてあるだけのものを文字通り暗記してきただけだったり、有名商品の名前を知っているくらいだったら、やはり「…」となってしまう。
ましてそれとなく触れるならともかく、それを武器のようにドヤられたらなおさらです。
そうした薄っぺらな知識の暗記を企業分析と誤解しないことがまず第一に大切なことであるといえるでしょう。


企業分析をする時に見るべきポイント


数値や立ち位置、目玉商品などは確かに頭に入れておいて損はないけれど、それだけでは意味がないとしたら、どういうところをみればいいのでしょうか?
僕はこのことについて「企業のキャラクター情報を集めよう」という話をよくします。
人にスペックとキャラクターがあるように、企業にもスペックとキャラクターがあります。
キャラクター情報を集めることが、本来効果的な企業分析なのです。


ではキャラクター情報を集めるにはどうすればいいか?
キャラクターときいて真っ先に思い浮かべるのは、説明会でのプレゼンターの印象や、就活サイトに載っているインタビューだと思います。
もちろんこうした情報からも得られるものはありますが、なかなか効率的とは言えません。
というか、そういった印象や情報からコアな部分を探すには、受け手の能力が必要になる。
これは、なかなか簡単ではありません。
当然説明会に来るのは企業が「こう見えてほしい」と思う優秀な社員さんでしょうし、インタビューに載るのもそういった人々です。
キャラクターとはそういう企業が「広報」として見せたい部分ではなく、自然と滲み出るところ。
それを探すにはもうちょっと他のやり方がありそうです。


僕が企業のキャラクターを分析する時に1番重要視するのは「理念」です。
こういうと、「理念こそ企業側の見せたい姿の典型やろ」と思われるかもしれません。
それはその通りなのですが、それは単に言葉通りに理念を受け取った時の話で、そこからひとつ踏み込めば、貴重な情報源になり得ます。
僕の場合は単に企業理念を見るのではなく、それと提供するサービスを比較して、サービスの意図を読み取るという形で理念を読み解きます。


例えば企業理念が「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する。」というイオングループであれば、そこからサービスひとつひとつを見ていくと、半径5kmの人々の生活がイオングループのサービスで完結するようなものになっていることに気づきます。
また、代表的なイオン系のお店をGoogleマップで調べると、イオンモールは圧倒的に車社会の地域に多いことや都市郊外に多いということなども分かります。
こういった情報を先の企業理念に照らし合わせて、自分なりの解釈を用意するわけです。


企業理念と照らし合わせる際には、企業のサイトにあるニュースリリースやそれこそ上で行った地図上での検索なんかも役に立ちます。
商品の価格帯や実績等から、ターゲットを推定したり、数年分の広告コピーを調べてメインターゲットを推定するみたいなこともあるでしょう。
こうした情報から自分なりの企業キャラクターの理解を用意することで、業界順位や売り上げみたいなスペックではない情報を集めるわけです。
これが僕が思う企業分析。


こうしたものなら「一部上場ですごい」とか「売り上げ○○は業界的にも凄いことで」とか「御社の理念に共感して」みたいな表面的なスペックを褒めるような言葉よりも、ずっとよく調べているなと思われるでしょうし、なによりうちに入りたいんだなと思って貰えると思いませんか?
先日のブログ(https://column-usukuti.hatenadiary.jp/entry/2022/09/06/144331)にも書きましたが、就活における面接のゴールは、信頼関係を積み上げた先に一緒に働きたいと思ってもらえることです。
企業分析だって当然それをゴールに行う必要があります。
その有効なやり方のひとつが上に挙げたキャラクター重視の企業分析です。
もしなるほどと思う方がいたら実践してみてください。
(もし需要があれば、具体的な企業で僕が分析を行うようなエントリも書こうかと思います)

 

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