僕の周りには男友達にも女の子の友達にもアイドルオタクがたくさんいます。
アイドルについての豆知識や、アイドルレイヤーのオタ活についてのエピソードは面白いので大好きなのですが、どうしても僕はアイドル自体を好きになることができません。
なぜアイドルが好きになれないのか。
特に言語化することもなく、漠然と嫌いを通してきました。
一方で、アイドルが嫌いと言っておきながら、でんぱ組.incだけはチェックしています。
なぜか、でんぱ組だけは追いかけてしまうのです(笑)
僕はとにかく言語化できないこと、説明できないことが大嫌いなのですが、アイドルが嫌いと断言して憚らない一方ででんぱ組が好きという自分の矛盾した状態は棚上げしていました。
自分でも、そこに対する納得できる答えがなかったから。
先日でんぱ組のラジオを聞いていたとき、アイドルは嫌いだけどでんぱ組は好きな理由がふと降ってきました。
僕が他のアイドルは好きになれなくても、でんぱ組だけは好きになった理由を一言でまとめると「顧客視点」です。
基本的にアイドルの楽しみ方って、わいわいきゃっきゃやっている女の子たちを外から応援するってものだと思います。
自分の応援するアイドルグループ、或いは特定のメンバーが成長していく姿を見るという楽しみ方も、ここに含みます。
オタ芸のような楽しみ方もあるやん!と言われるかもしれませんが、あれもアイドルの子が作る世界観を外から盛り上げるという意味で、ここに属します。
僕はこの、「内輪な話題」感がどうしても好きになれず、アイドルに全く興味が持てないのだと思います。
でんぱ組の場合、この内輪感があまり見られません。
(もっともそれは、僕がラジオくらいしか聞いていないからかもしれませんが。。)
でんぱ組の人たちのトークを聞いていて思うのは、基本的に顧客視点だなあということ。
自分たち(メンバー内)だけで盛り上がるような話題でなく、基本的にファンの人たちに関する話題や、共通認識できる話題ばかりを元にトークをしています。
これは、彼女たちがもともとカフェの店員をしていたことと、秋葉原の文化を発信するというコンセプトに基づいているのだと思います。
もともとカフェで働いていたということで、彼女たちのトークのベースには「接客」があります。
言わずもがな、接客の基本は相手の話に耳を傾けること。
相手の興味がある話をする、そもそも相手の話を聞く。
接客には、相手ありきのコミュニケーションが不可欠です。
塾の講師をしていると強く感じることなのですが、1対多数の状況では、どうしても一方通行のコミュニケーションになりがちです。
たぶん、ステージに立つほとんどのアイドルもそんな感じ。
こうした中で接客業がベースにあるでんぱ組は、会話が基本的に相手ありきのものになっています。
(だからテレビとかには向いていないのですが。。)
明確に相手を想定し、その相手にとって盛り上がる話題=顧客視点を持っているので、過度な内輪ネタに走らないのだと思います。
もう一つ、はっきりしたコンセプトを持っていることも、内輪ネタに走らない原因として注目すべきことです。
でんぱの基本コンセプトは、日本の文化(秋葉原の文化、萌えの文化)を世界に発信すること。
結成当初から、こうした明確な目標があるため、話の軸が根本的な部分ではブレない。
コンセプトがはっきりしているからこそ、トークのネタは基本的に情報発信になっています。
仲間内の面白ばなしにはあまり傾かない。
コンセプトを持っていると言えば、AKBグループにも「会いに行けるアイドル」というものがあると言われるかもしれませんが、でんぱ組のコンセプトとは、主語が異なるという点で、ニュアンスが違います。
でんぱ組の「日本の文化を世界にお届け」の主語を補うとすれば「私たちが」というようになります。
対してAKBグループの「会いに行けるアイドル」は、「あなたたち(ファン)が」会いに行けるというように、二人称のコンセプト。
コンセプトの主客が決定的に異なります。
二人称を主語に取るコンセプトは、基本的に劇場型。
そこで提供されるコンテンツを、ファンの人が思い思いに消費するという形になります。
それに対して一人称のコンセプトは、演者自身が目的を持って発信を続けていかなければなりません。
でんぱ組のトークが聞いていて内輪感を覚えないのは、こういったことも関係しているように思います。
接客から始まっているということと、一人称のコンセプトを持っているということ。
この二つを備えたアイドルグループは、なかなか特殊だと思います。
だからこそでんぱ組だけは興味が湧いたのかもしれません。
作品にも明確に「日本の文化を発信する」というコンセプトが現れていて、見ていて非常に興味深いです。
個人的に、今後の展開がかなり気になるグループだったりします。
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