新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



2017年京都産業大学一般入試1月25日「十訓抄」現代語訳

今年度の入試問題の全訳を徐々にアップしていこうと思います。

内容の背景を捉えることを第一目標としているので、直訳とは若干異なるところがありますが、ご了承下さい。
(かなり急いだので、大分雑になってしまいました。。。)
順次、他の大学、他の日程もアップしようと思うので、よろしくお願いします!

 

 和泉式部の娘、小式部の内侍が、この世のものとは思えないほどに重い病にかかった。病が進行し、命も限界に近づいて、人の顔を見分けることもできないほどになって臥していた。和泉式部は側にいて、額を押さえて泣いていた。小式部の内侍は目をわずかに開けて、母の顔をつくづくと見て、息をあげながら、
どうしようか、私はもう生きられそうにありません。母に先立って死んでいく私は、その行き先もわかりません。
と震える声で詠んだところ、天上の上から、あくびを押し殺したのだろうか、と思うような声で、「まあかわいそうに」というのが聞こえた。
 さて、日がたつと、小式部の内侍は体の熱も冷めて、病気はすっかりよくなったそうだ。
 大江挙周が和泉に赴任した後、重病にかかった。住吉にたたりがあるとの事を知って、母の赤染衛門
 息子に代わって死んであげたいと祈る私の命が惜しいだなどということは思いませんが、願いが叶ったときに息子と別れなければならないことばかりが悲しいのです。
と読んで、神様へのお供え物に書き添えて、この神社に奉納したところ、その夜に夢に白髪の老人が現れて、このほう納品を取ると、息子の病が癒えた。