面接の準備で何をしたらいいのか分からない。
たまにそんな相談を受けます。
それに対して「どんな質問に答えられないの?」と聞くと出てくる個別具体的な質問例。
「あなたは周りからどんな人といわれる?」
「挫折経験は?」
果ては「自分を動物にたとえると」などなど。
こういった質問をされる時、僕はよく、「で、想定する質問はいくつのパターンに分類できる?」と質問します。
んで、具体的な質問に悩む人ほど、この問いに答えられない。
仮に面接に苦手意識を抱く人がいるとして、面接の問いに答えられない最大の理由はこの、「結局質問は何パターンに分けられる?」を意識しているか否かにあるように思います。
一見複雑で多様に思える就活の質問も、一歩引いてよくよく考えてみると、案外質問のパターンは少ないのです。
面接で準備すべき想定問答の3分類
GoogleやYahoo!で就活界隈の言葉のアクセス数を調べると、「就活 質問」という検索ワードがヒットします。
で、そこに出てくる記事を見てみると、個別具体的な特定の質問に対する最適解ばかり。
もちろんそうした「答え」を必要としている人もいるでしょう。
しかし、その悩みをよくよく掘り下げたら、実は求めているのは表面的なその質問に対する答えでなく、広く応用の効く対応法であるということも少なくありません。
いちいち個別具体的な質問を全て想定して、それらの全てに答えを用意するのではなく、コアの部分にある自分の気持ちを明確に言語化し、そこかれ具体的な質問には対応できるように準備しておくことが肝要です。
新卒採用に怒る面接で問われる質問を大きくわけると、以下の3つ。
①熱意を問う質問
②キャラクターを知る質問
③興味と思考を問う質問
これらの系統を正確に把握して、質問に合わせて対応する力こそが面接攻略の鍵なわけです。
第一系統 熱意を問う質問
①は志望動機や今後の展望といったタイプの質問です。
ここに関して重要なのは、その企業さんへの興味(これは④で話しました)と、自分の興味関心との接点における納得度合い。
いかに自分のやりたいことと、その企業さんとのマッチング度合いを言語化して伝えることが重要になってきます。
このタイプの準備に関しては、いかに自分の気持ちに素直になれるか、自尊心と切り分けて考えられるかが大事になります。
その熱意を面接官に伝えるために必要なのは①自分の欲求に対する正確な理解、そして②それを実現できるのが志望する会社であるという説得力です。
ここに関しては第n志望というのは関係ないので、いかに聞き手の面接官が納得するか?という視点での準備が大切です。
第二系統 キャラクターを問う質問
ふたつ目は志願者がどんな人か、どういった事に興味があって、どういう所にやる気を見出すかといったことを目的にした質問です。
その人のキャラクターを知るための質問と言っていいでしょう。
自分の強み、挫折経験、少し変わったところでいけば「あなたを動物に例えると?」と言った質問もここに含まれます。
僕の肌感では就活で苦戦する学生さんで一番苦手意識を持っているのがこの質問。
自分の強みを言語化してそれを相手に伝えるというコミュニケーションは、仲間内だとなかなかしないので、苦手な人が多いのでしょう。
このキャラクターを問う系統の質問に関しては、自分のコンセプトを明確にしておくという対策が有効です。
自分は物事にあたる時に、どういう意思決定をしがちなのか?どういう基準で好みが決まっているのか?そう言ったものを並べていき、その共通点を探るのがここのやり方なのですが、いきなり言われても難しいと思うので、今回はざっくりと4分類にしてみます。
どちらかというと自分はどれに近いかを考えてみてください。
①協調型(みんなと1つの目標に向かう時が一番楽しい)
②競争型(仕切りたがり、ライバルに勝ちたいというのが行動の根源)
③研究型(勝ち負けや目標の達成よりも整合性や理屈が気になる。)
④理想型(憧れの人に近づきたい。中途半端な品質の品を提出したくない)
どうでしょうか?この中で自分に近いものを選んでみて下さい。
それが一旦みなさんのコンセプトの原型です。
これができたら次は自分の持つエピソードの中から、自分のそういう面がよく現れている場面を探します。
例えば①なら「みんなの想いを実現させたいから行動に移した」、②なら「ライバルに負けたくないという一心でがむしゃらに向き合った」、3なら「とにかく仕組みを知りたくてデータや情報を集めて比較しまくった結果上手くいった」、④なら「いつ頃出会った□さんみたいになりたくて一心に努力し続けている」とか。
こういった大まかなコンセプトが決まっていれば、「あなたを動物に例えると?」みたいなトリッキーな質問にも対応が可能です。
例えば①の人なら仲間意識が強くて個体としては弱い動物を、②なら競争心が強くてしつこい動物を、③なら1日の多くの時間をひとつのことに打ち込む動物を、④なら美しさなどでその地域や種属の中で個性を極めた動物を選べばいいわけです。
こういった即時の対応に必要なのは想定した問答ではなくコンセプト。
ここが苦手な人はまずは自分のコンセプトを明確にしましょう。
第三系統 興味と思考を問う質問
最後は③の興味と思考を問う質問です。
ここに含まれるのは気になるニュースだったり、読んだ本など、その人の興味を知りたいタイプの質問と、日本中に電柱はいくつある?というような日頃の思考量を問う問題です。
ここに関しては一番対応が簡単なのですが、一方で時間がかかります。(ので、直近で面接がある人はすぐに準備を始める必要があります)
③の質問に関しては質問のバリエーションが広いので個別に準備することは不可能です。
しかし、情報のソースになるものは少ないので、日頃からのちょっとした心がけで対策が可能です。
では何をすればいいのか?
これに関しては一冊ノートを用意して、毎日気になったことをコツコツ貯めておくに限ります。
「気になったこと」を具体的に言えば、ニュース、映画、漫画や本(読まない人でもこの機会に少しだけ挑戦しましょう)など、とにかく何でも。
気になった広告や出来事なども含めて、とにかく「何でも」です。
そして、慣れてきたらそれに対する自分が気になった理由も書いていきます。
ひと月もそれをしていたら、「気になることは?」系の興味関心を問う質問はほぼ対応できるようになっていることでしょう。
思考を問う系に関しても事前準備は簡単です。
日頃から何かを考える際に[疑問に思う→全体を縛る→手に入る情報を積み上げて→答えに辿り着く]というふうにするくせをつければいいのです。
これが苦手な人は、一冊「フェルミ推定」系の本を読んでみてもいいかもしれません。(今ならYouTubeでもたくさんあるでしょう)
こうした形でとにかく事前準備するのが③系統の質問です。
ということで今回は沢山ある就活の面接中の質問について、大きな分類とそれぞれの対応方法について簡単にまとめました。
細かな対策や具体例は、今後の具体編の記事を書く時にまた書こうと思います(このシリーズの需要があるなら)。
まずは今まで受けた質問を上の分類に当てはめてみて、それぞれの対策法に照らし合わせて「復習」をしてみましょう。
きっと、それだけでも何かがかわると思います。